筆者の小学生の世情としては、引き続きLGBTのような少数派への理解度は低めで、話題としても口にしない方が良いとされていた頃。
言動が女の子の寄りであると周りから思われた男の子は、子供からはからかいの対象に、大人からは話題の対象にもなっていた記憶があります。

「男の子なんだから」とか「女の子らしさ」とか、まだまだ普通に使用されていたと思います。
今は言ってはいけない言葉が平然と使われていた記憶もあります。
理解度・認知度の低さから、子供が人を傷つけるような発言をしても「変わってる子だからね」と、
周囲の大人も注意をあまりしなかったのかもしれません。(筆者の周りだけかもしれませんが。。。)
こんな雰囲気が漂う世の中で、筆者は小学校生活をスタートさせました。
そんな小学校生活では、初めて異性に対しての摩擦を経験したり、引き続き変わった子供でありましたが、基本的に楽しい学校生活を送っておりました。
小学校生活を謳歌中の筆者


相も変わらず、仲が良い子への執着はまだ強めで、まだ読めない空気も多い時分でした。
また、特定の男の子から「つきまとい」のようなことをされ、異性に対して嫌だなと思う気持ちが初めて芽生えた小学校低学年の筆者。
その嫌という気持ちが当時の筆者をそうさせたのか不明ですが「○○君が好き」や「〇〇君が気になる」という気持ち・感情なんて雀の涙ほども湧きませんでした。
筆者は上記のような感じでしたが、小学生にもなると、幼稚園の頃よりももう少し恋愛に興味がわいたりするかもしれません。
幼稚園の頃よりも、男子なるもの、女子なるものを意識し始めるのではないでしょうか。


意識しない子もまだまだいるでしょうが、心身の成長と共に芽生えくるものはあるかと思います。
- 〇〇くん、足早いよね~かっこいいよね~
- 〇〇ちゃん、かわいいよな~一緒に帰れないかな~
- 〇〇先生、イケメン!付き合いたいな~
こんな感じですかね。こんな感じであっていますかね、小学校低学年の皆さまは・・・
小学校低学年の頃の筆者も恋愛には無縁でしたので、こんなことを周りが言っていたような気がする・・・くらいの精度です。
好きな子を言い合ってみよう!




突然ですが「いっせーのーでで好きな子言い合おう」というものがあるかと思います。ないですかね?
「好きな子言い合おう!」は同性間・異性間どちらでもあるかと思いますが、大人になってみると同じタイミングで好きな子を言い合おう!なんて、まずありませんね。
子供だからこその会話かもしれません。筆者もそれを体験する時がやってきました。私と同い年の男の子と。
確か、空は晴れていて寒くはなく、良い気候だったような記憶があります。筆者もその男の子も2年か3年生だったのではと。
たまたま一緒に帰宅しているところで、その子の家があるマンションの敷地内くらいだったような、そうではないような。


アセブロちゃん、いっせーのーでで好きな子言い合おう。


曇り切った大人の眼で見ると「あ~儂のこと好きやな、間違いないわ。ほんで儂も君のこと好きやと思ってたりしてる?」ぐふふ~
しかし、汚れを知らない小学生の筆者は、次のように思いました。


好きな子~?え、いないけど、言わないといけない雰囲気。


え?あなたが好きって言ってほしいの?違うんだけど。波風立たないようにはどうしたらよいか。。。あーめんどくさいー
好きな子を言い合った結果
さてさて、どんな言葉をお互いに発したかと言いますと・・・


じゃあいくよ!準備は良い?


お、おう。いつでも来い。


いっせーので!


秘密。


・・・(無言)


おーい、何黙ってるのー、いっせーのーでで言うんじゃなかったのかーい。
流石にこんなツッコミはしませんでしたが、なぜか男の子も筆者も少々苦笑した後に、じゃあね~と別れました。
ふとした疑問: 人を好きになったことがない


なんともお粗末な結果となった「好きな子を言い合ってみよう」。その男の子が誰を好きと言おうとしたのかは、本当のところはわかりません。


誰か好きな子がいたから、言ってみたかったから、ただの好奇心、色々理由はあるでしょうが、しょっぱい結果となりました。
男の子からすれば深い意味はなかったのでしょうが、好きな子を言い合ってみようの申し出に対して、子供の頃の筆者は大いに戸惑った記憶があります。
好きな子、私は誰だと言おうとしたのだろう?
好きな子を言い合ってみようと言われた時、筆者はこんな風に思っていました。
- 好きな子はいないのに、言わないとおかしい感じになるかな
- こんなこと言うなんて、もしかして貴方が好きって言ってほしいのかな
- でも、貴方の事は好きではないし、困ったな
- 嘘はつきたくないしな~
- なんて言ったらやり過ごせるだろうか、面倒だな
- てか、好きな子言いあうって何か良いことあるの?ああ、面倒だ
戸惑ったと同時に、とても冷静に何を言ったらなるべく自分に嘘をつかずに、男の子が傷つくのを最小限に、事を鎮められるかだけを考えていました。


好きな人なんていないし、できたこともないし。


てか、好きって何よ?彼氏?いや、まだ子供ですけど。


誰か好きな人作るか?父・・・?お父さん以外でって、ツッコミくるだろうか?おじいちゃん?いや、同じか・・・
面倒だ、面倒だと感じながらも、一番良いのは差しさわりのない人を好きと言えば良いのでしょうし、いとこの〇〇君!など言ってしまっても良いのでしょうが、


本当に誰一人、好きと言える人が見つからなかったのです。


代わりとなれる人、最悪嘘をついてでも好きだと挙げられる人が、一切思い浮かびませんでした。
この記事を書く以前にも、何度か「あの時、誰を好きっていおうとしたんだろう?」と、大人になった筆者がふと考えることがありました。
毎回その考察の結果は「そうだそうだ、誰も思いつかなかった。誰も好きになったことがなかった」。
Question: 私は好きな子、誰だと言おうとしたのだろう?
Answer: 本当に誰も思い浮かばなかった。好きと思った人が存在しなかった。嘘をつくの嫌だったので、秘密と言った。
そう言えば好きな子って今までいたっけ?
その当時はあまり疑問や不安として、そこまで気に留めてはいませんでしたが、ふと思ったりはしていました。
「私、好きな子いない?あれ?誰かを好きになったことないかもしれない・・・?え?みんな好きな子いるの?どうして?どうやって好きになったの?・・・まぁ、これからできるか。」
とうとう薄々ながら疑問として気づいた・確認した「人を好きになったことがない」。
もう一つ正確に言うのであれば、「まだ好きな男の子できたことないな」かもしれません。


ちなみに、自身の事を「女の子」と思っていて、また体も女の子ですので、好きになる対象は「異性である男の子」であると当たり前に思っていました。
好きな子みんないるの?どうやって好きになったの?自分と周囲の子が違うことに、驚きやら戸惑いやら芽生えた時節です。
好きな人や恋愛について、ハテナが頭の上をくるくる回っていたかもしれませんが「まぁ、これからできるか」と書いた通り、気にはそこまでしておりません。
まとめ
「好きな子を言い合ってみよう」から、ふと自身が「まだ誰も好きになったことがない」と気付きました。
男の子との会話を成立させるために、無理矢理だれか好きな人を作ろうとも当時試みましたが、誰一人として、想像ですら、好きな人を作ることができなかった筆者。


自身の事情に気づけるまでの、長い長い(個人的には)旅路のスタートラインに立ってしまったと言えるかもしれません。
もしかしたら、ある意味人生のターニングポイントだったのかもしれません。
また、よく小学校の頃のこんな一場面を覚えているもんだと、自身にも驚きます。
人を好きになったことがない(好きになれない・ならない人とは気づいていませんが)と、物心ついた筆者がしっかり違和感として認識したから、大人になっても詳細を書けるくらい、覚えているのかもしれません。