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京都市バスに乗れない|歩かせるまち京都が誕生した理由

京都市バスに乗れない|歩かせるまち京都が誕生した理由 京都のいけず

京都市は、国内外から多くの観光客が訪れる、日本の歴史を感じられる都市です。

しかし、増加する観光客とともに、交通渋滞や公共交通機関の大混雑といった問題が深刻化しています。

特に、主要観光地を結ぶ市バスは混雑が激しく、観光客・地元の人、両者にとって乗りづらい状況が続いています。

このページでは、観光が産業のひとつのくせに、なぜ京都が「徒歩が推奨されるまち」になったのか、理由を解説します。

(地元民の主観を軸とした内容で、統計や学術的な記事ではありません。)

京都市バスと京都の道の現状

このところ、京都と言えば、オーバーツーリズムか猛暑。

レポーターさんが「京都駅のバス停には、こんなに人がいます!」「嵐山は人が多くて、6月なのに37度です!」。

正直、聞き飽きましたが、京都に住んでいない方は、本当にそうなのか、現実味がないかと思います。

京都市バスと京都の道の現状を簡単に紹介します。

市バスと京都の道路の混雑具合

京都市バスは混雑しています。京都の道も、同じように混雑しています。

市バスも道も混雑していますが、正確に言えば、特定の道や特定のバス系統が「際立って」混雑しています。

国内外を問わず、観光で来た方の増加と、京都市長の市民を気遣った政策が、主な要因のように感じます。

観光も京都の産業のひとつ、賑やかでよいこと、と笑い飛ばせたらよいのですが、今の京都は、それだけでは済ませられないほど、道やバス車内の混雑が恒常化しています。

こんなことが、日常的に京都のバスで起きています。

  • 混雑していて乗車できない。次のバスを待っても、乗れないケースもある。
  • バス待ちの人でバス停であふれ、歩道をふさぐ。車道を歩く人もいる。
  • 交通渋滞がひどく、1駅進むために20分以上かかる場合がある。

バス乗車をあきらめる市民や、それでも乗らないといけない市民、市バスを使わざるを得ない観光客の皆さんで、特定の京都市バスの系統や京都の道、エリアは阿鼻叫喚を化しています。

京都でも特に混雑する市バス系統と道

京都が大混雑といっても、京都市内全域で深刻な状態が発生しているわけではありません。

特定の市バスの系統や京都の道、エリアで看過できない混雑が起きています。

たとえば、このような所でひどい混雑が発生しています。

  • 京都市バス206号系統(京都駅発・清水寺、祇園方面)
  • 京都市バス205号系統(京都駅発・金閣寺方面)
  • 四条通(四条烏丸から祇園の間)
  • 東大路通(祇園・清水寺周辺)
  • 祇園・清水エリア(清水寺・高台寺・八坂神社・花見小路など)
  • 四条河原町エリア

一例ですが、テレビなどで取り上げられる、京都のオーバーツーリズムといったら、市バス206号系統東大路通の混雑が、よく取り上げられます。

基本的に、清水寺エリアや祇園エリアのような、京都東側が日々大混雑していますが、金閣寺へ行くバスも、ひどい混雑が発生しています。

バスや道路ではありませんが、京都駅から嵐山へ行ける「JR」の混雑も極めて深刻です。

京都市の市バス混雑対策

京都市は、2024年6月1日より「観光特急バス」の運行を始めました。

観光特急バスとは、清水寺をはじめ、京都の主要観光地を結ぶ、観光に特化したバスです。

  • 京都駅から祇園、銀閣寺をつなぐ「EX100号系統」
  • 京都駅から五条坂(清水寺近くのバス停)をつなぐ「EX101号系統」

大人「500円」、子供「250円」で乗車できる観光特急バスは、京都では珍しい運賃先払いのバスで、スムーズな降車を目指しています。

観光特急バスのほかにも「洛楽ライン」と呼ばれる、観光に使いやすいバス系統も運行しています。

  • 105号系統:洛楽 岡崎・銀閣寺ライン(京都駅発・四条河原町、平安神宮方面)
  • 106号系統:洛楽 東山ライン(京都駅発・清水寺、祇園方面)
  • 102号系統:洛楽 金閣寺・銀閣寺ライン(金閣寺・北野天満宮・銀閣寺)
  • 109号系統:洛楽 金閣寺・嵐山ライン(金閣寺・龍安寺・仁和寺・嵐山)

これだけ見たら、京都市もしっかり対策を講じているのでは?と勘違いしそうです。

勘違いしそうと言う理由は、このとおりです。

  • 土日祝のみの運行のバスがある
    平日も運行しないと、意味がない。通勤・通学・役所へ行くなど、平日とる行動も多い。
  • 観光シーズンのみ運行するバスがある
    今の京都は、観光シーズン以外でも、混雑している。
  • 運行本数が極端に少ないバスがある
    混雑緩和になりえるか、非常に不思議。

特に、平日や祝日関係なく訪れる、外国からの観光客対策には、まったくなっていません。

全くの無駄とは思っていませんが、あまり効果は期待していない、これが本音です。

歩かせるまち京都が誕生した理由

歩かせるまち 京都

京都は、観光で来た方・仕事で京都に来た方・地元の方、すべての人を「歩かせるまち」。

市内移動に便利な京都市バスや、素早い移動ができる電車など、交通手段が複数あるにもかかわらず、徒歩が推奨されるまちが、現在の京都です。

徒歩がよいと言われる理由は、いくつか考えられます。

  • 交通渋滞の悪化と常態化
  • 京都市バスを移動手段に選ぶ人の増加
  • 電車網が発達しにくい京都の特徴

京都市は、なんとか挽回しようと試みていますが、地元民目線では、解決策が空回りしているようにしか見えません。

交通渋滞の悪化と常態化

歩かせるまち京都が誕生した理由のひとつは、交通渋滞の悪化と常態化です。

交通渋滞が悪化しただけではなく、常態化した理由は、いくつか考えられます。

  • オーバーツーリズム
  • 四条通の車線減少
  • 大型荷物のバス車内への持ち込み

京都は観光で多くの方が訪れる年です。人が多いこと自体は、なれているはずなのですが、都市のキャパシティーをこえてしまったようです。

京都の交通網は、利用希望者の人数過多により、健全な運行ができなくなってしまいました。

交通渋滞の悪化に、とどめを刺した出来事のひとつは、四条通の車線削減です。

京都を変えてくれはった前の市長さんのお気遣いで、そもそも交通渋滞がひどかった四条通の歩道拡張を目的に、片側2車線から1車線にしてから、渋滞がひどくなりました。

祇園の交差点を右折するためだけに、20分同じ位置に停車したことは忘れられません。

大型荷物のバス車内への持ち込みは、バスの車内混雑と強い関連性がありますが、交通渋滞にもつながっています。

大型荷物と一緒に乗車する人と、バッグをひとつもつ人では、降車にかかる時間が違います。

大きい荷物をもっていると、時間がかかりがち。さらに、バス車内が混雑していると、前に進めないので、なかなか降車できません。

1日に1人なら何ら問題はありませんが、手ぶら観光を京都市が推奨するくらいは、大型荷物をもって乗車する方が多いのでしょう。

京都市バスを移動手段に選ぶ人の増加

京都市バスを移動手段に選ぶ人の増加も、歩かせるまち京都が誕生した理由のひとつです。

移動手段が市バスに集中しすぎて、特に混雑が発生しているエリアやバス系統では、乗車できないケースが頻発しています。

観光で来る方の人数が単純に増えたことも、京都市バスの利用者が増えた要因です。

また、京都市バスが観光に便利すぎるというポイントも、市バス利用者の増加と乗車不可に関連しています。

京都市バスが観光に便利すぎる理由は、このとおりです。

  • 京都市バスは、路線数も多く、市内の至る所に路線が張り巡らされている。
  • 複雑でも、行きたいところ(観光地)に、ほぼ行ける。
  • バス停の目の前が観光地というケースも、珍しくない。

アクセスに便利すぎて、各種ガイドブックでは、市バスを使った経路が紹介されています。

Googleマップで検索しても、バスを使った経路の方が、乗り換えも徒歩も少なく利便性がよいため、優先的にバスを使ったアクセス方法が表示されます。

自然と、京都観光の交通手段は、京都市バスに集中していまいます。

京都市バスや地下鉄、電車を使った「迷わない・混雑を少しでも回避する」観光地への行き方は、こちらにまとめています。

地下鉄が発達しにくい京都の特徴

歩かせるまち京都が誕生した理由のひとつは、電車網が発達しにくい都市の特徴にもあります。

京都は「千年の都」と言われるときがあります。京都には歴史があり、今なお、地上には古い建造物が残っています。

そして、地下にも歴史的に重要な埋蔵文化財(埋文)が眠っています。

京都は、掘れば何か出てきます。

何か出たら、埋文の調査が始まります。その調査は、1日2日で終わるものではありません。

地下鉄を作ろうと思っても、スケジュール通りにいかないどころか、追加費用の発生をはじめ、さまざまなアクシデントに見舞われます。

地下鉄網に手を加えたくない気持ちも、わかります。

そもそも、京都市営地下鉄は大赤字のため、地下鉄路線の延長や新設なんて夢のまた夢です。

混雑していても京都市民が市バスを使う理由

乗れないから、とバスを使わないようにする京都市民も増えましたが、引き続き、市バスを継続利用している京都市民もいます。

生活するうえで、老若男女市バスを生活の足として使います。地下鉄や電車では行きにくい公共施設や商業施設も、市バスなら簡単に行けるからです。

観光でとても便利な京都市バスは、京都で生活するときも便利です。

市バスが混雑しているからと言って、毎日タクシーは使えません。バス1本で行けるなら、バスで行きたいのが本音。

地下鉄や電車を使うと乗換が必要でも、バスなら乗換なしでアクセスできるケースが多すぎます。

市バスや電車を組み合わせてスムーズな京都観光を!

京都市バスに乗れない|歩かせるまち京都が誕生した理由

歩かせるまち京都が誕生した理由は、京都市バスの利便性の高さや地下鉄の使いにくさ、四条通の道幅減少をはじめ、さまざまあります。

京都観光をするときは、自然と京都市バスを利用する流れが完成しています。

一方、観光をするときに使い勝手のよい交通手段を使うことは、なんら不自然な行動ではありません。

ぜひ、京都市バスや地下鉄、各鉄道網を活用して、効率よく京都観光を楽しんでください!

京都の各観光地への行き方は、こちらのページにまとめています。

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