アロマンティック・アセクシャル(AroAce)を自認している筆者には「恋愛感情」が存在しません。
初恋もまだ、人を好きになったこともない。そして、これからも誰かを好きになることはない。
未来についても、引き続き「誰かを好きになることはない」と思っています。
断定できることではありませんが、筆者としては断定に近いものは感じています。

改めて文字にすると、なんと物悲しいことでしょうか。仕方ないんですがね。。。
さて、恋愛感情が存在しない/発生しない筆者なのですが、実は「憧れ」みたいな思いは持っています。
※アロマンティック全員が、恋愛感情に憧れを持っているわけではありません。人それぞれです。
この記事では筆者の「恋愛感情への憧れ」、こちらに焦点を当てて書いてまいります。
恋愛的指向「アロマンティック」とは?

まず「恋愛的指向とは何か?」について、簡単に説明します。
「どの性(性別)の方を、あなたは好きになりますか?恋愛感情が生れますか?」が分かりやすい説明だと思います。
この説明ですと「愛感情ありき」のようですが、恋愛感情を抱く方/抱ける方もいれば、
筆者のように恋愛感情を抱かない/抱けない方も、数は少なくとも存在します。
- 他者に対して、恋愛感情を抱かない恋愛的指向は「アロマンティック」と呼ばれます。
- 「アロマンティック」の対義語が「ロマンティック」となり「他者に対して、恋愛感情を抱く恋愛的指向」を指します。
「アロマンティック」という「恋愛的指向」について、詳細を説明した記事もあります。
恋愛感情を抱いたことがない、わからない、とお悩みの方は、ぜひこちらもご覧ください。


アロマンティック(恋愛感情を抱かない) ⇔ ロマンティック(恋愛感情を抱く)、指向としては真逆ですね。
恋愛的指向を示す用語については、アロマンティック、ロマンティック以外にも、複数存在しています。
異性に対して恋愛感情を抱く「ヘテロロマンティック(=世の中の多くの方々)」など。。。
しかしアロマンティック以外、細やかに調べたことがないので、この多様性の時代、様々な指向を表現できる言葉あるということだけ、お伝えします。
筆者が恋愛感情に対して思うこと
生まれてから一度たりとも、恋愛感情を体験したことがなく、恋愛感情というものを理解できない筆者。
(年齢程度には「こんな感じなのかな?」と場の空気を壊さないよう、頑張って察します)
アロマンティックである筆者が「恋愛感情について思うこと」を書いてみます。


恋愛感情を抱ける方からしてみれば、違――う!と言われてしまいそうですが・・・
恋愛・恋愛感情・好きという気持ちについて、筆者が見たり聞いたり言われたりしたことは、いくつかあります。
その言葉に対して、アロマンティックである筆者が思うことをお話します。
恋愛感情=相手を愛おしく思うこと?


恋愛感情とは、相手を愛おしく思うことだよ。


愛おしい?愛おしいとは、どんな状態なのでしょうか?
猫を愛おしく思う気持ちと同じ・・・ではないのでしょうね。
- 人間を愛おしく思うとは、どいう状態でしょう?気持ちが高揚するのでしょうか?それとも安らぐのでしょうか?
- 親愛や友愛と違う感情であるのは理解していますが「その愛おしさ」だけが、わかりません。
- 筆者には、(恋愛的に)愛おしいという感情が存在しません。愛おしく思う気持ちが「どんな状態なのか?」から、つまずきます。
恋愛感情=一緒にいたいと思うこと?


恋愛感情とは、一緒に過ごしたい/一緒にいたいと思う気持ちだよ


ひねくれた考えとは承知のうえで言うなら、ずっと一緒は嫌。
もちろん、24時間物理的に一緒にいたいと言っているわけではないこと、理解していますが・・・
- 一緒にいたいと思ったことがありません。さみしい人間ですが、基本的に一人が大好きです。
- 家族や親友とずっと一緒にいるのは、まだ大丈夫ですが、他は無理です。
- 男性とお付き合いしていた頃は「早く自分の家に帰りたい」はあっても、一緒にまだいたいと感じたことはありませんでした。
- 「とにかく早く帰りたい」「解放されたい」と思ってしまう。とどのつまり、好きではなかったからなのでしょう。
恋愛感情=相手を知りたい気持ち?


恋愛感情とは、もっとこの人のことを知りたいと思うことだよ。


別に知らなくても良いかな。
- まず、知りたいという気持ちが湧きません。逆に、なぜ知りたいと思うのか?どうも他者への興味が希薄です。
- 知らなくても困ると思ったことがありません。
- 知ってどうするのでしょう・・・食べ物の好き嫌いを知って、次会う時のご飯は嫌いなものを避けようとするとか?でしょうか。
・・・でも、親友の好き嫌いくらいは、知りたいし、把握していたい。
嫌なことはしたくないし、ご飯でも嫌いなものがあったら悪いから、けっこう気にかかる。
恋愛感情=触れたいと思う気持ち?


恋愛感情とは、触れたいと思う気持ちのことだよ。


触らないで、そして触りたくもない。
- スキンシップ苦手です。触りたくもないし、触られたくもありません。
- 嫌いな触られ方をしたら、二度と会わないと決心することもあります。


わかっている、わかっているのですよ。恋愛感情とは何?と聞かれて、回答者が言いたいことは、文字としては理解しているのです・・・
しかし、筆者にとって「恋愛感情を抱いた経験がない」だけに、自身に置き換えて感情や感覚を理解できず、
非常に遠い存在であり、やさぐれたような表現しかできません。
逆を言えば、恋愛感情を抱く方が恋愛感情を抱かないアロマンティックという存在に対して、理解が難しいと言うのと同じなのかもしれません。
アロマンティックは恋愛感情に憧れがある?


恋愛感情について、わからんと冷たい言葉ばかりつらつら書きましたが、こんな筆者にも恋愛感情への憧れは実はあるのです。


何の理解も示せていないのに変と思われるでしょうが、筆者は恋愛感情を抱けない分、ある程度「憧れ」があります。
※冒頭書きましたが、アロマンティック全てが恋愛に対して「憧れ」や「良い感情」を持っているとは限りません。
世の中の大多数の皆さん当たり前にされていること = 恋愛。その恋愛が筆者にはできません。
AroAceという存在を知るまでは、世の中で自分だけが恋愛できないのだと思い、お医者さんへ実際行くこともありました。
「みんな、恋愛ができていいな~羨ましいな~」と思ったことは、あります。何回もあります。
筆者の恋愛感情への憧れ
正直「実際に恋愛できますよ~」という状態になったら、どうした良いのかわからないし、
人を好きなる状態を体験したら、自身がどのようになるか想像もできません。


でも、何も考えずに余計なことを考えずに「単純に憧れについて語る」のなら。
- 誰かに恋愛感情を抱いて、この人好きになった、付き合いたいな~なんて言ってみたかった。
- 嘘偽りなく、恋愛トークに参加してみたかった。
- 当たり前に恋愛感情を抱いて、人を好きになって、仲の良いカップルをしてみたかった。
- 不謹慎ですが、ふられたーーつらい!と言ってみたかった。つらいと感じるのは、本当に好きだったからなのだろうと思います。
- 何の疑問も障害もなく、人を好きになってみたかった。


書いていて、むなしくなります。
恋愛が全て良い結果を生むものではないと、年も年なので承知しています。
しんどいことも多いのでしょうね。。。そんなことを味わってみたかったというのも、つらい恋愛をしている方からしたら「はい?」となるのでしょう。


恋愛ができない者の憧れと言いますか、嫉妬と思っていただけたら。。。
恋愛感情を抱くこと=空を飛ぶこと


今のところの筆者の感覚としては、今も昔もこれからも、恋愛感情は抱けないだろうと感じております。
「恋愛感情を抱くことを諦めている」ように聞こえますが、細かい話、筆者にとっては、
「恋愛感情を抱くことを諦めている」という言葉より、より正確に自分の状態を表現できる言葉があります。
筆者にとって恋愛感情を抱くこと=人間が自力で空を飛ぶこと
諦めていることは間違いなのですが「恋愛感情を抱くことは、筆者には人間でありながら自力で空を飛ぶことと同じくらい無理なこと」、こちらの方が個人的にはよりしっくりきます。


人間として生まれた筆者には、自力で飛行する機能・能力はありません。
飛行できる機能・能力は生まれた時から備わっていないという感覚が、生まれた時から恋愛感情を抱く機能・能力が備わっていない感覚と似ているような気がします。
大事なことですが、機能・能力が備わっている/備わっていないは、あくまで筆者個人についてのみの表現です。
また機能・能力がないことを、誰かの責任にするつもりも毛頭ありません。あくまで、筆者個人の問題です。


こんな文章を書いて勝手ですが、無理なことだと知りつつ、皆さま空を飛んではみたくありませんか?筆者は飛べるものなら飛んでみたいです。


どんな気持ちなんでしょう、楽しいのでしょうか、爽快なのでしょうか。
筆者の恋愛感情への憧れも、空を飛ぶことへの憧れと似たような感じです。
どんな気持ちになるんだろう、楽しいことも大変なこともあるだろうけど、体験してみたかったです。
自分が生れ直さない限り、今生では体験できないことになりました。
憧れは憧れのままで良い
いいなーいいなーばかり言ってきましたが、憧れはあっても、やってみたかったと思っても「憧れは憧れだけ」で今生は留めておきます。
- なぜなら憧れが現実になった時、アロマンティックであった筆者は突然の変化を受け入れられず、即座に逃げ出だろうから。
- 若ければ頑張れたのかもしれませんが、アロマンティックを自認した今、これ以上しんどい思いをするのは遠慮したい。
こんな状態をハリネズミのジレンマって言うのでしょうか?憧れと許容し難さが大喧嘩です。
まとめ
自力で空を飛べと人間には言えないように、無理に人を好きになる必要はないと、AroAceとして生きることを受け入れた筆者はそう思います。


アロマンティックが人を好きになってはいけない、と言っているわけではありません。
筆者はアロマンティックを受け入れたので、人を好きになれないという状態に、もう自身の心を振り回されることはありませんが・・・
日常生活でふと自分が出来ないことを改めて自覚した時に、モヤッとすることはあります。
このモヤモヤなるものは、恐らくこんな筆者の感情や思いが原因なのかなと思います。
- 自分がしたくてもできないこと = 恋愛を当たり前にしている人たちへの憧れ・嫉妬
- 自分が味わえない感情 = 恋愛感情を当たり前の様に味わえる人たちへの憧れ・嫉妬


とどのつまり「恋愛感情への憧れ」です。


しかし、実際我が身に起きたら、戸惑いしか生まれない感情への憧れです。
今生については、筆者はアロマンティック・アセクシャルとして、なるべく心穏やかに過ごせていけたらなと思っています。
人によっては、恋愛そのものへ嫌悪感があると聞いたこともあります。
人の感覚はそれぞれですが、筆者は恋愛への憧れはあっても、その感情を自身に向けられたら逃げ出すので一部共有する部分があるのかもしれません。
本当に色んな立場の方がいるのは事実であり、それぞれ「他者から否定されるものではない」ことは共通して言えますね。
最後に筆者の開き直りを1つ。
人を好きなることは、人間の社会生活で結婚・出産のように生産性に繋がるかもしれませんが、人を好きにならない方は、別の方法で生産性に協力すれば良いと思っております。


筆者だって、しっかり納税していますよ。(これしか思いつきません)