本記事のトピックは「アロマンティック・アセクシャル(AroAce)の特徴は、過去の恋愛で嫌な目にあった」です。
この記事では、AroAceの特徴の1つであるらしい「過去の恋愛で嫌な目にあった」について、お話していきたいと思います。
ん?アロマンティックなら、恋愛はしないのでは?
嫌な目にあったことがあるから、アセクシャル?アロマンティック?になったってこと?
・・・そういう人もいらっしゃるでしょう。
本文に入る前に「アロマンティック・アセクシャル(AroAce)とはどんな人?」について、簡単に説明します。
- アセクシャル → 他者に対して、性的に惹かれない性的指向、その指向を持った人
- アロマンティック → 他者に対して、恋愛感情を抱かない恋愛的指向、その指向を持った人
- アロマンティック・アセクシャル →「他者に恋愛感情を抱かない」+「他者へ性的に惹かれない」指向、またその指向を持った人
別の記事では、アロマンティック・アセクシャルの「恋愛的指向」「性的指向」について詳しく触れています。
恋愛的指向？何それ？と思われる方もいると思いますので、よろしければご覧ください。
さて、この記事では筆者が見かけたとある記事に「アセクシャルの特徴」として挙げられていたいくつかの「特徴」について、筆者が思ったことを書いています。
その特徴の1つには、冒頭書いた通り「過去の恋愛で嫌な目にあった」というものがありました。
それでは、AroAceの特徴であるらしい「過去の恋愛で嫌な目にあった」について、筆者の目線からお話します。
AroAceの特徴「過去の恋愛で嫌な目にあった」
どこから話していこうか悩みますが、まずはこの記事を書くに至った経緯から、お伝えします。
たまたま筆者がネットを見ていた際、とあるネット記事に「アセクシャルの特徴！」というような記事がありました。
当事者ですし、どんな内容が書いてあるのか気になり、覗いてみました。そうしたら。
「アセクシャルの特徴！自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」と、挙げられていたのです。
見た瞬間に、AroAce当事者として物申したいことが噴き出てきたため、この記事を作成しています。
その記事を書かれた方が、どれほど知識深い方なのかはわかりません。また、Ace当事者かも不明(ではなさそうです)。
しかし、アセクシャルの特徴の1つに「自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」が挙げられていたのを見た筆者の気持ちは・・・
もしもーし!?アロマンティック・アセクシャルって、どんなんかわかってはりますかー!?
と心の中で総ツッコミ。
補足もあったのですが、そうですねと言えるものと、何言うてはりますの?というものが混在していました。
アセクシャルとアロマンティック・アセクシャル
筆者がツッコミを入れた記事を作成された方は「アセクシャル」という言葉のみ、使用されていました。
恐らく「アロマンティック・アセクシャル(AroAce)」を「アセクシャル」と表現されていたのだろう、と思っています。
アロマンティック・アセクシャルについて、筆者は冒頭、説明しました。
- アセクシャル → 他者に対して、性的に惹かれない性的指向、その指向を持った人
- アロマンティック → 他者に対して、恋愛感情を抱かない恋愛的指向、その指向を持った人
- アロマンティック・アセクシャル →「他者に恋愛感情を抱かない」+「他者へ性的に惹かれない」指向、またその指向を持った人
何を言いたいのかと言いますと・・・
アセクシャルの意味は「他者に対して、性的に惹かれない性的指向」。
「他者に対して、恋愛感情を抱かない恋愛的指向」である「アロマンティック」は含まれません。
細かいですが、アセクシャルという1つの単語に「他者に対して、恋愛感情を抱かない」という恋愛的指向の意味合いは、本来含まれていないのです。
誤解を生まないために
しかし、日本では「アセクシャル＝アロマンティック・アセクシャル」として言うことも多いようです。
筆者も当初ブログの中で、アロマンティック・アセクシャルという意味で、アセクシャルと記載することが多くありました。
ただ、ブログを書いていくうえで・当事者として「アセクシャル」と「アロマンティック」を混同して書くことは、
正確な情報が伝わらず、悩んでいる方を余計悩ませてしまう、誤解へ導いてしまうと危惧し、慌てて表現の修正を行いました。
当事者本人が最初は「これで良し」としていたことへ、わざわざ重箱の隅をつつくのも変ですが、
その記事の作者さんも、アセクシャル＝アロマンティック・アセクシャルを表現しているのだろう、と思うようにしました。
となると、小姑精神で言い直すのであれば「アセクシャルの特徴！自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」は、こうなるかと察します。
- 「アロマンティック・アセクシャルの特徴！自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」
- AroAceになった原因は、自身の過去の恋愛で嫌な目にあったから！
「恋愛で嫌な目にあった」と主張するくらい「恋愛」をからめようとするなら「アセクシャル」だけだと、不足感が否めません。
では、こちらに対する筆者の考えを書いていきます。
①アロマンティックだから恋愛できなくて困っていた
ちなみに、その記事では「自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」は、AroAceの特徴①だと記憶しています。つまり1番上に書かれていました。
記事は読み流されていくものですが、1番上にあるものは1番目に入りますね。
更新されているかは不明ですが、リード文のような文章もありませんでした。
これらをふまえて申し上げると、アロマンティック・アセクシャルの特徴として前書きもなく、
いの一番に「自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」と挙げる方が、アセクシャルとアロマンティックの違いを知っているか、不明です。
筆者は少し懐疑的です。
筆者の知識も当事者でありながら、不十分なところ・新たに知ることは、未だにあります。
また、日本ではアセクシャルという単語で「恋愛感情なし、性的に惹かれることもなし」を意味する事実もありますので、
AroAceの特徴として一体何を挙げてくれているのか！？と怒っても、敏感になりすぎかもしれません。
それでもなお、筆者は言いたいことがあります。
AroAceの過去の恋愛とは?
AroAceの特徴に「過去の恋愛」と挙げられても、筆者AroAceですが、恋愛経験はありません。
「AroAceの特徴は、過去の恋愛で傷ついた経験がある」と記載されていても、
筆者は、恋愛感情が芽生えたことがない・恋愛感情を他者に抱かない、そもそも恋愛そのものができずに人生悩んできました。
他の記事では「恋愛してみたかった」なんて、年甲斐もなく書いています。
筆者はこのパターンの当事者ではありませんので、正確な表現かどうか確かめられませんが、
過去の恋愛で辛い目にあったことが原因で、恋愛感情がなくなった・消えた方はいて、
アロマンティック(＝他者に対して、恋愛感情を抱かない)になった方も、いらっしゃるのだろうと思います。
最初に書いた通り、その方が「現在、他者に対して恋愛感情を抱かない状態」であり、その状態である自身を「アロマンティックだと思っている」なら、アロマンティックです。
こんな経緯の方には、あてはまる特徴なのかもしれません。
恋愛経験のないアロマンティック＝筆者
しかし、言いたいことは全くおさまりません。
- なぜなら、過去の恋愛で嫌な目にあってはいない筆者が、ここにいるからです
- なぜなら、恋愛する気があったのに恋愛できずにいた、恋愛感情を人生において一度も味わったことがない筆者が、ここにいるからです
筆者、お付き合いの経験はありますが、恋愛と呼べるものでは決してなかったと思っていますし、恋愛と呼んではならない経験だと、今でも感じています。
他者に対して恋愛感情を抱くことが恋愛の大前提とするなら、筆者は他者に対して、お付き合いした方に対して、恋愛感情を抱いていません。
従って、AroAceの特徴には「自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」がありますよ、と言われることに疑問と違和感があります。
AroAceの特徴として扱われるには、少し筆者はもやもやします。
筆者はAroAceではなかったのか？とこじらせそうです。
②恋愛ができなくなる or 恋愛感情を抱けない
細かい話になる+恋愛感情を抱ける方から、なかなか理解を得難いのは承知で書きます。
「恋愛ができなくなる」のと「恋愛感情を抱けない」は少し違う状態を指しているとも思います。
機能という言葉は、適当ではないと思うのですが、わかりやすさを取ります。
また、下記筆者個人の解釈です。
【恋愛ができなくなる】
- あくまで恋愛感情を抱ける機能は備わっている状態。ただ、恋愛を遠ざけている・恋愛から離れている状態を指す。
- 恋愛感情を抱ける方が何らかの理由により、恋愛から身を引いた状態にいる。
【恋愛感情を抱けない(抱かない)】
- 恋愛感情を抱く機能が備わっていない。もしくは、理由がありその機能が消失した状態を指す。
- 恋愛がそもそもできない状態にいる。
- (昔、恋愛感情を抱いた経験がある方は「恋愛ができなくなった」であっているのかもしれません)
なんと細かい話だと思いますし、全てのAroAceの方が、筆者と同じ意見や考えではありません。
しかし記事の書きぶりを見ていると、どうしても「アロマンティック・アセクシャル」は「恋愛ができなくなった人」として、
最初から恋愛していた人・恋愛できていた人のように読み取れてしまい、そもそも「恋愛感情を抱けない/抱かない」筆者は違和感がありますよと、言いたくなりました。
筆者は恋愛ができなくなっては「いない」
やはり「自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」をAroAceの特徴として挙げるには、やり切れなく、見過ごせない思いが残ります。
AroAceについて記事を書くにあたり、少しでも調べていただけたのかな?
アロマンティック・アセクシャル当事者が書いている記事や動画は、今となれば多くあります。
ブログなどでAroAceについて書いていて、検索したらに色々な記事を見ることができます。
動画も「アロマンティック」や「アセクシャル」と検索したら、すぐにでてきます。
また、LGBT関連の団体の皆さまがLGBTについて、網羅的なサイトも作っています。
このようなサイトでは、日本ではアセクシャルと言えば、アロマンティック・アセクシャルのこと指すことがある等、切り分けて書いている方が多い印象があります。
このネット記事には残念ながら、そのワンクッションがありませんでした。そして些か言葉も足りないとも当事者としては感じました。
なぜなら「自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」とは「恋愛感情を抱ける方が何らかの理由により、恋愛できなくなった」という意味にしかとれないからです。
言い換えれば、恋愛感情を抱ける前提でアロマンティックを捉えています。
恋愛感情を人生で一度も抱いたことがない/抱けないアロマンティックも、筆者のように存在します。
筆者は恋愛ができなくなってはいません。
できていたこと(＝恋愛)ができなくなった訳ではありません。そもそもできないのです。
アロマンティック・アセクシャルの特徴として扱われるには、少しどうなのでしょうか。。。勝手に少し悲しくなります。
まとめ
「アセクシャルの特徴！自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」
これについては、反論ばかりの内容になってしまいましたが、当事者が率直に感じた意見です。
しかし「自身の過去の恋愛で嫌な目にあった」をアロマンティック・アセクシャルの特徴として挙げることは、
アロマンティック・アセクシャルを自認している者として「言葉が足りないのでは？何か違うのでは?違和感があります」と言いたいのです。
少々悲しくもあります。だから、この記事を書きました。
アロマンティック・アセクシャルは、そもそも少数派の中の少数派であると思っています。
そもそも当事者自身が、アロマンティック・アセクシャルであると気づかずに過ごしている、このような方も一定数いると思います。
情報も浸透しにくく、取り上げられる件数も少ない。それは仕方ないことです。
そんな中、ネット記事として取り上げて頂けたのは、ありがたいことなのですが・・・
アロマンティック・アセクシャルには・・・
- 元々は恋愛していたが、過去の辛い経験で恋愛ができなくなった、恋愛感情を抱けなくなった、そんな方もいらっしゃるでしょう。
- そもそも恋愛感情を抱いたことがない、恋愛感情を抱けない、人生で一度も恋愛感情を味わったことのない、筆者のような人もいます。
アロマンティック・アセクシャルの特徴＝自身の過去の恋愛で嫌な目にあった、危険な書き方かと思います。
