カテゴリー「アセクシャルと婚活」の第一本目の記事です。
こちらのカテゴリーでは実際に筆者が婚活サイトを通じて出会った殿方とのお話しを書いて参ります。
ちなみにですが、こちらの婚活サイトはLGBTに特化した婚活サイトでもなく、友情結婚を求める方が登録するサイトでもありません。

回りくどい書き方になりますが、アセクシャルブログですので、せっかくですから面倒に書いてみましょう。

筆者が登録した婚活サイトはいわゆる・・・
- 男性の体で生まれて、男性であると自身を認識しており、女性を恋愛的/性的対象とする男性
- 女性の体で生まれて、女性であると自身を認識しており、男性を恋愛的/性的対象とする女性
このような方々が出会いを求めて登録する婚活サイトに、疑問を覚えながらも自身の指向について何も知らない筆者が登録しました。
こちらのカテゴリーでは、殿方と出会いながら感じた、自認前の筆者が考えたことや悩んだことを書いて参ります。
アロマンティック・アセクシャルとまだ気づけない筆者の「人を好きになりたい、でもなれない」の試行錯誤の歴史のようなものです。
彼氏が欲しくなった: 婚活サイトに登録した経緯と理由

ちなみに、彼氏を求めて婚活を始めたのは大学院生の頃からです。
大学の頃は、なかなか彼氏や異性との出会いには縁遠い日常を送っていました。気づいたら卒業の時期に。。。
若くして干物状態の筆者は大学卒業後、就職せずに、そのまま大学院へと進学。修士論文という難敵に七転八倒しておりました。
引き続き干からびた生活を送っておりましたが、友人とその彼氏の繋がりを見て初めて彼氏っていいな~羨ましいな~と感じた筆者。
その友人と彼氏は遠距離だったのですが、気恥ずかしい言い方をしたら「気持ちは常に寄り添っている状態」に見えまして、純粋にいいなーと感じたのです。
特に彼氏が彼女である友人を気遣うさまを目にしながら、彼氏に少し甘える友人を目にしながら、初めて彼氏が欲しいと思いました。


さぁ、婚活しよう!と思い立ち、婚活サイトに登録です。
彼氏が欲しいので、婚活サイトに登録した!は今でも突拍子のない発想かと思うのですが・・・
- 同世代よりは、年上(一回り以上は年上)が良いなと思っていた。
- どうせ出会いを求めるなら、結婚を見据えた出会いが良いと思った。
こんな希望が理由で、近しい人からの紹介ではなく婚活サイトへ足を踏み入れました。
婚活サイトでの出会いの流れ
安心感や心の衛生面、価格など一番折り合いのついた婚活サイトへ登録しました。
筆者が大学院生の頃でもまだ「ネットでの出会い」について「危険」「不純」などイメージを持たれる方も多くいましたが、昔よりは風当たりも弱くなった頃合い。
しかし、今度は婚活サイトを通じて出会った間柄で発生した問題も取り沙汰されていたので、登録ボタンをクリックするのは勇気が必要でした。


その当時は令和の現在と比べるのもはばかるくらい、SNSが出始めてきたころ。ネットでの交流が当たり前の時代ではありませんでした。
そんな世情を受け些か緊張しながら、ネットでの出会いを模索します。余談ですが、筆者が登録した婚活サイトの流れを簡単に説明します。
確か、男女関係なく下記のような流れだったと思います。
婚活サイトでの出会いの流れ
- ご挨拶
気になった異性へ「あなたが気になっています。やり取りしませんか?」の意 - 挨拶を返す
OKなら、婚活サイトへの登録内・期間限定でメッセージのやり取りができるの意 - やり取り期間終了
個人的にやり取り続けたいなら、このボタン押して後はお好きに。。。
だったような気がします。メール一通ごとに費用が発生するとか、ここで言う異性から異性へのご挨拶の件数に上限があり、上限以上するには追加費用が・・・
そんな仕組みではなく、ありがたい月額定額制でした。


挨拶し放題だし、受け放題でもありますが、真面目にやり取りをしようとしたら同時進行できる人数は結構絞られますね。
記事に書くこと・書くうえで気を付けること
このブログをお読みの方は、筆者がアロマンティック・アセクシャルであり、この数年間にわたる婚活は一切実らなかったのだろうとお察しいただけると思います。
人を好きになれない/ならない人であるという事実は、婚活も終盤に出会った男性とお付き合いしている時に気づきました。
しかし、自身がアロマンティック・アセクシャルを自認するまでの道のりには、婚活をして悩んだ実体験があり、
筆者がアロマンティック・アセクシャルだなんて知らずに筆者とやり取りしてくれた男性方が登場します。
筆者とやり取りをしていただいた男性について、点数をつけるようなことはいたしません。年収が・・・とか、容姿が・・・なんて言いません。自分がされても嫌ですからね。


なんだこの人は~!?と言いたくなる男性もいましたが…おほほ。
随分歳月も経っており、やりとりしてくれた男性も筆者の記憶は無になっているかと思いますが、勿論のこと、殿方の個人情報を書き記すことは一切いたしません。


これも当たり前のことですね。
では何を書いていこうかとしているのかと言うと・・・
婚活サイトでの出会った男性とのやり取りを通じで、筆者が自身について疑問に感じたことや戸惑ったことなど、自身の説明を書いていこうと思っております。
男性と実際お会いしてみて思ったこと


慣れない婚活サイトでの婚活の始まり、登録当初の感触をまず書いていきます。
さて、20才そこそこの「恋愛経験なし」の女が登録してみたら、どうなったのでございましょう。


若さってすごい。入れ食いとはこのことか。
婚活サイト登録間もない頃、登録されている男性からの食いつきがえげつない。次から次へとご挨拶が届きます。
今はもはやない若さはすごいです。こんなにご挨拶が来るとは予想外でした。
筆者は結婚を見据えた真剣なお付き合いを求めていますので、しっかりプロフィールを確認して、、、そうです。こんな仕組みもありました。
個人の証明以外にも確か任意で提出できる証明書があり、それが年収の証明であったり住所の証明であったり、結構皆さん提出されているのです。
この証明書の提出が多ければ多いほど、プロフィールへの信頼度が上がる仕組みにもなっていました。
ご挨拶をくださった数名とやり取りをしていったら、個人のメールアドレスでも引き続きお願いします、という男性ができました。
ある程度メールでのやり取りをした後に、当然ながら会ってみませんかという流れに。断る理由もないので、会ってみることになりました。
感想:良い人だけど恋愛感情は生まれない


こちらの男性は当時の筆者より、だいぶ年上の男性だったと記憶しています。
人を好きになったことがないと言っておきながら、やり取りするなら同世代・年下ではなく断然年上の男性を希望していた筆者。
なぜ年上の男性なのか?
小さい頃に父を亡くしているせいなのか。。。年上の男性に何を求めているのか、お付き合いくださる男性を父として見るつもりは一切ありませんが、不思議なものです。
さて、会ってみて当時の筆者が思ったことは・・・
筆者が単純に抱いた感想
- 悪い人ではなかった。(初日に手を出してくるような人ではなかったという意味合いでも)
- 良い人なんだろうと思った。(礼儀や気遣いという意味合いでも)
- 話は続いたので良かった。(沈黙はあまりなかったという意味合いでも)
- 2回目会うのも良いと思った。(お相手が嫌でなければ)
婚活を始めた当初は2回目に繋げることがどんなに大変なことか、知りませんでした(笑)
いずれにしても、初めてお会いした感想としては「無難に終わった」という感じです。


恐らく「良い人」なんだろうな、というのはわかりました。


でも、すぐに「好き」にはなりませんでした。
大学院生の筆者は説明の通り、まだ自身がアロマンティック・アセクシャルとは全くもって気づいておりませんが、
一目惚れはまずしないだろうなという自信が何故かありました。
これまで誰も好きになったことはないし、彼氏が欲しいと思ったのも初めてなので、
そんな自身が誰かを好きと思えるハードルは高いんだろうな、恋愛感情を抱くのは難しいんだろうな、と認識していたのが理由です。
そのため、自身は恋愛については恐ろしくテンポが鈍足で、人を好きになるには徐々に時間をかける必要があるのだろうな、とも自己分析していました。


1回会ったけど好きになれなかった、これが理由で会うのを止めるのは止めておこう。
感想:良い人は良い人で良い人のままだった


自身は時間をかけないと多分好きにならないだろうから、恋愛感情はないからと言って即決は避けよう。
こんなポリシーを胸に、その方とはもう少し会い続いた記憶があります。
一緒に昼間出かけたり、ご飯を一緒に食べたり、仲を深める時間をお互い取りました。


少し時間が経過して、筆者が考えたこと・感じていたこととは?
冷静な頭で一時の感情に踊らされることがないように、しっかり今後について考え、筆者が思ったことはこちら。


悪い人ではなかった。
- 婚活サイトには悪い評判もあるだろうけど、ほとんどは出会いを普通に求めている人だから悪い人ではない比率の方が高いんだろうな。
- 別にこちらの男性だけが特に良い人ってわけではないよな。まぁ、でも悪い人ではないか。。。


良い人なんだろうと思った。
- 良い人。振る舞いや気遣いはお互いがするものだけど、しっかりしてくれる人。故に、良い人。それ以上でも以下でもない感想。ただ、良い人なんだろうと思った。
- 筆者の感情はそれ以上には育たなかった。


話は問題なく続いたから、コミュニケーションには問題なさそう。
- お互い探り探りなので、興味ない話にもある程度は合わせるよな、と思った。
- 普通かな?変な人ではない限り、普通するか。筆者もするし・・・


引き続き会うのを止める理由もない、と思った。
- まだ好きとは感じていないけど、良い人そうだから連絡を続けるのもよいだろう、と思った。
- 今のところ、会うことを断る理由もない。また、自分のスタートは遅いので、複数回会う必要はあると思った。
良い人から好きかも?な人へ一切感情は変わらないし、変わる気配もありませんが、
「良い人」だと思うし、自身だって出会いを求めているので会い続けてはどうだろうか?と脳内判断です。
良い人と恋愛対象で湧く感情の違い


こんな感じでその男性について思っていたのですが、本当に好きにならなかった/なれなかったのです。


時間だ経っても筆者の感情は引き続きの「良い人」でした。
悪い人ではなく、どちらかと言わず良い人なんだろうな~と思えるのですが、なぜか自身の心に何も刺さらない。
良い人だし、自分も好きになるのが遅いと思っているし、だからこそ時間をかけて関係を築いていかないといけないはずなのに・・・
恋愛感情を抱ける方であっても、良い人と思った方、全てに対して恋愛感情が生れる訳ではないのは承知しています。
良い人で終わってしまう方が誰にでもいるのは、承知しているのです。


でも筆者の「良い人」は、恋愛できる方の「良い人」となんか違うような気がする。


恋愛する人は「良い人」から「好きな人」になる可能性がある。感情が変化する可能性があるように思える。


しかし、自身が思う「良い人」は時間が経っても、良い人は良い人のままとしか思えない。時間が解決すると思えない。
良い人と思う人へ向ける感情と、恋愛対象となる人へ向ける感情が違うのは分かる。
良い人だとへ向ける感情が「尊敬」や「共感」「信用」ならば、
恋愛対象となる人へ向かう感情は「共感」や「信用」等、重なる感情もあるだろうが、間違いなく「恋愛感情」が追加されるはず。
- 違いは分かるけど、恋愛感情は自身が抱く可能性のある感情としてリアリティーを一切感じられない。
- 良い人から自身の感情が一切発展する気配を感じない。100年待っても発展しない気すら/自信すら感じる。
良い人なのはわかっているけど、正直「心は何一つ動かない」。
しかし同時に、まだ希望や期待も捨てられないし、捨てるには早いと思っている状態でした。
アロマンティック・アセクシャルを自認している現在の筆者でも、
「まだ少ししか会っていないなら、好きになるもならないも、まだ分からないでしょ?もう少し会ってみたら?会いたくないわけではないんでしょ?」って相談されたら言うでしょう。
(アロマンティック・アセクシャルであると打ち明けられていない限りは。)


でもこんなに心って動かないものなんだろうか・・・?
その男性とのその後: フェードアウト
その殿方と、その後どうなったのかと言えば、数回お会いした後に筆者よりフェードアウト。
- 理由としては「良い人」は「良い人のままだった」から。自身の心の変化が全く生じなかったから。
- 良い人は良い人のまま、恋愛感情の発生には至らなかったから。
良い人で止まってしまう筆者の感情については、別記事で詳しく触れており、こちらのケースも漏れず同じことですので、よろしければご覧ください。
自身の特徴を受け入れた現在の筆者からしてみれば、知らないものは仕方ないけど、お相手の男性にも申し訳ないし、大変ね・・・と当時の筆者に言いたいところです。
今さらなんのフォローか分かりませんが、こちらの男性、婚活初心者が出会う相手として、十分良い男性だったと思います。
(登録する期間が長ければ長くなるほど、はい?という方もいらっしゃいますからね。そんな方が最初の方にいなくて良かったです)
良い人だと思い連絡を取り続けて会ったりもしたけど、時間が経ってもその感想は良い人。
良い人から何かしらの感情の変化は一切なし。良い人はずっと良い人。


今の筆者としては、永遠に良い人のままだよ、好きにはならないよ。と言えるのですが・・・
しかしながら、当時の筆者は彼氏を作ること、好きな人ができることを、まだまだ諦めるなんて思いませんでしたし、思えません。
十分すぎるほど、まだまだ若さの時間は残されており、まだまだ気力も残っています。
しかし、アロマンティック・アセクシャル自認までの辛いマラソンのスタートラインにやっと立てたくらいのレベルです。
人を好きになれない/ならない人間だと気づいて、それがアロマンティック・アセクシャルと知ることができるまで これから何年も戦うことになります。