大学生になっても高校生の頃とほぼ変わりのない生活をしていた筆者。
といえども、生活する環境が変われば、彼氏の一人や二人できるのではと見込んでおりました。
しかし無念・・・結局、自分の時間を自分だけで自由に使うことを優先し、彼氏のかの字どころの出会いもありませんでした。
大学院に進学しても当初は気持ちが変わらず、ただ修士論文と闘う日々。
そんな中、友人とその彼氏と、友人の友人としてお付き合いすることが複数回。


彼氏いいな、羨ましい!遠距離なのにお互い想い合っている感じ、絆を感じる。
突然「遠距離ながらも相手を思いやり、連絡をとり、会える回数少なくとも繋がっている」ことがとても素敵に見えた筆者。
急に彼氏が欲しくなるも、日常生活に出会いが一切ないため、恋愛未経験が唐突に婚活サイトに登録しました。


しかしどう頑張っても、自身の何か変えようと思っても、彼氏はできませんでした。
数年婚活を通して男性との出会いを繰り返してきた。人と会うのが好きではないのに、それでも会った人数なら数十人にはなる。
でも、誰も好きにはならない/なれない。
疲れに疲れ果て、一度婚活サイトから離れましたが、離れて少し経つころ、ある男性と知り合うことになりました。
おさらい 婚活で出会った方に対して生じる感情
恋人が欲しい・恋愛したいと思っているのに、結局のところ数年の婚活で自身がしてきたことは、出会った殿方を「2つ」に振り分けていく作業。
- [振り分け作業①]
良い人で筆者の感情がストップして恋人の関係になれないので、さようなら - [振り分け作業②]
お互い希望が異なるようなので、さようなら
メールのみでさようなら、一回会っただけでさようならも沢山ありましたが、いずれにしても全てさようなら、お時間頂いて申し訳ないです、の結果しかない。
ただただこのパターンに殿方が振り分けられていくだけの作業。同じことの繰り返し。
「良い人」から何も発展しない自身の感情と「恋愛感情を向けられることがなんか嫌/苦手、でもなぜ居心地が悪いかわからない」、自身の現状にひたすら疑問しかありませんでした。
恋愛感情が自分に向けられるのが嫌?
「恋愛感情を向けられることがなんか嫌/苦手、でもなぜ居心地が悪いかわからない」については、アロマンティック・アセクシャル自認後にやっと気づいたことです。
当時は「恋愛感情は誰にでも生まれる感情」で、誰しも持っている「恋愛感情が向けられるのが嫌・居心地が悪い」なんて、意味が分かりませんでした。


よっぽど嫌いとか、興味がないのなら別だけど、普通嬉しいんじゃないの?と。
恋愛感情が向けられると嫌な人がいる「かもしれない」という可能性すら、当時の筆者の頭には存在していませんし、
筆者自身も「好感を抱いている人」から恋愛感情を向けられたら「自分だって嬉しく思うはず」だ、と間違いなく思っていたからです。
それでも「なんか良くわかんないけど、嫌」であったり「なんか良くわからないけど居心地が悪い」と感じてしまうのは、
「まだ本当の好きではないから」「まだ出会えていないだけだから」、これら以外考えられなかった、考えようがなかったためです。


人生で言われたくない言葉を昔は自分に何度も言い聞かせていたなんて、皮肉なことです。
いずれにしても、自身に違和感を覚えながらも、アロマンティックもアセクシャルも知らない状態で、
自分を異性愛者として認識していたため、今はもう聞きたくない言葉を自身にぶつけることで、納得させていました。
今思えば、その「なんか嫌」は「まだ気づけていない/知識が少なくで言語化すらままならない、筆者の本当の心の声」だったのかもしれません。
「まだ出会っていないだけ」「好きがわからないだけ」「本当に好きになったことがないだけ」、筆者が聞き飽きた言葉で「もう誰からも言われたくない言葉」ですが・・・


こんな風に思うのも「昔、気が遠くなるほど自問自答していたから」という理由もあるかもしれません。
様々な疑問・違和感・辛さを抱えながら、しかし解決にいたることなく婚活サイトから離れることになりました。
新たな男性との出会いと告白と困惑


就職活動と転職活動については、なかなか濃い目の経験をしたと思っている筆者ですが、
とある会社で仲良くしてもらった方から、男性を紹介してもらいました。1まわりほど年上の方だったと思います。


あまり女性慣れしていなさそうと言ったら良いのか、全然チャラくないと言ったら良いのか、そんな雰囲気のある殿方です。
筆者自身とて、婚活を通じて色々な男性とお会いだけした経験はあるものの、しっかりお付き合いというものは経験しておらず、
他人様のことは何も言える立場ではありませんが、なんか遊びなれていない感じに安心するところがありました。
まして友人の紹介。信用・信頼十分な方でした。


印象は良い方で、本当に変なことはしないという雰囲気には良い印象を持ちました。
紹介から告白までの印象
友人など含めて何度か食事をしたり、カラオケに行ったりなど、紹介された殿方と複数回時間を共有することがその後もありました。
その後の筆者の印象としても・・・
- 優しい人だ。みんなに優しくできる人だ。
- 嘘はつかない/つけない人だ。嘘をついたなら、墓場までもっていくか、土下座の勢いで謝ってきそうな感じだ。
- 仕事もしっかりする人だ。(大事です)
性格的にも悪いところなんかありませんし、しっかり独立されています。


一緒にいて自身の性格の悪さが目立つくらいでした。
男性から誘われて、2人だけで遊ぶ機会も増えていきます。
2人でカラオケ、など筆者が「あまり心地の良い空間とは認識できない」こともありましたが、誘われたし、嫌いではないし、今度こそ好きになれるかもしれないし・・・
(当時は自認前でしたので、好きになれるかも?の可能性をまだ模索していました。興味ないのにわざわざ2人で会うな、はその通りです)
少し脱線しましたが、嫌なことはしない人だろうという一定の信頼が筆者の中には構築されていきました。
そんな関係が少し続いた後、遅くなったので家まで送ってくれた去り際に告白のお言葉を頂きました。
告白=困惑(私の好きは恋愛的な好きではない)


遊んだ後の別れ際、落ち着きのない感じに男性が見えました。筆者はというと、


・・・ん?もしかして告白しようとしている?しているんだな!?やばい、どうしよう!?
筆者一人心の中で大慌てしていると、男性から、お付き合いしてくれませんか、と丁寧な申し出。それを聞いた筆者の心の声です。


告白されたー!!あああー困ったー!!
続けて、筆者の頭での出来事はこんな感じです。




とこんな感じで大混戦。からの、苦し紛れの筆者の返事は・・・


・・・あなたの好きと私の好きは違うかもしれない。でも、ありがとう。また遊ぼうよ。もっと会ったら、また変わってくるものもあるかもしれないし・・・
断っていますね、間違いなくお付き合いを断っています。
上の台詞を吐いたときは、何とかこの優しい男性を傷つけないように、変わらぬ関係(=男性の気持ちを無視した関係)でいられるように、でも、好き♡とは絶対に勘違いされたくない。
という気持ちが大噴出しておりまして、こんな表現になってしまったのです。
時が流れて、友人からこの時の話を聞いたら、男性が「断られたと思った」と言っていたよ、と聞きました。(そうですよね、本当に申し訳ないです)
困惑を上回った「恋愛の可能性」へ賭ける気持ち


例にもれず、今回も良い人で筆者の感情は停止していたのですが、告白されて断ったような返答をした後も、ずるずると会うことを重ねておりました。


今度こそは人を好きになれるかもしれないと思ったからです。
今度こそは人を好きになれて、彼氏という存在を確かめることができるのではないかと、とても期待していたのです。
男性も告白後も会わないかと誘ってくれていたので、筆者に対して悪い感情は抱いていないのだろうと思っていました。
筆者のことを有り難くも、我慢強く誘ってくれたのです。
それに甘えて、いつか筆者も自身の感情の変化が見込めるのではないかと期待していました。
しかし、もし今告白されたとして、それに応じる返答を筆者はできないことも、この段階でもしっかり認識していたのも事実。
勝手にも、告白されたらどうしよう、等非常に失礼な考えも同時に持っていたのも事実です。
自分で「告白されたらどうしよう」と思っていながらも、どうしても「やっと人並みに恋愛ができるかもしれない可能性」をもう少し様子をみたくなっていました。
同時に、この可能性に賭けたい気持ちが、男性の筆者を思ってくれる気持ちを踏みにじっていることも知りながら、見ないふりをしていました。
まとめ
婚活での「良い人」「そうではない人」の振り分け作業に疲れた筆者へ友人が紹介してくれた、とても優しい男性。
会うにつれて、恐らく筆者に対して悪い感情は抱いておらず、もしかしたら告白される可能性があるかもしれない(受け入れ態勢は全くなし)と、複数回会うにつれて思うようになりました。
しかし、ここでも筆者は「良い人止まりの感情」と「恋愛感情を自身へ向けてほしくない」と「彼氏を求めていながら」感じていました。
礼儀として失礼な対応はしませんでしたが、自動的に(理由はわからないけど)これ以上好感を持たれないようにフラットな対応をしていた記憶もあります。
好きな人を作りたい/自分を彼女にしたいと思ってほしいのに「なぜか相反する行動をとってしまう」意味不明な行動。
当時の筆者はこの行動の理由がわからず「今回も本当の好きには出会えなかった」など、現在の筆者が言われなくない言葉を自身に向けることもありました。


こんな心持でしたので、告白してくれたのに発展しない感情と恋愛感情へのジレンマで、告白には結局心無い返事を男性にしてしまいました。
告白しようと考えていたとして、何度も2人で会って普通に楽しそうにしていたら大丈夫かな?と、実行に移させてしまいますよね。
とどのつまり、筆者は男性をとても傷つけてしまったことになります。
しかし、現在進行形で傷つけているにも関わらず、それでも筆者に優しくしてくれる男性の気持ちを材料に、
筆者は「自身が恋愛できる可能性を見出すこと」を優先し、まだ付き合わせることを選択しました。
こちらの記事では、筆者がどのように考え、悩み、人生を歩み、アロマンティック・アセクシャル自認に至ったか、時系列にまとめてあります。
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