アロマンティック・アセクシャルのカミングアウトへの考え方 ①

アロマンティック・アセクシャルのカミングアウトへの考え方-① 悩みや疑問

別の記事で筆者は「LGBTのQとかAとか必要なの!?」という発言に対し、

「筆者は名前が付けられていたことで人生救われた」だから「そんなこと言わないで」、「IもQもAも全部必要です」と書きました。

筆者
筆者

筆者の場合、名前が付けられる=存在が認められた、これまでの辛さや疑問が吹き飛んだからです。

筆者のような「他者に対して恋愛感情を抱かず、また性的にも惹かれない」という人間がいても良い、

少なくとも一定の数をもった集団として成り立っていることに喜びを覚えています。

そして、今回書こうと思っているのは「カミングアウト」について。

「存在が認められて嬉しい = だから、筆者の指向のことを周囲の人に知ってもらおう!」とは全くもって、ならないのです。

筆者
筆者

当たり前のことを言っていると言えば、当たり前のことかもしれません。

LGBTに対してあまり良い印象を持っていない方々、LGBTだったことをできれば知りたくなかったと感じる方々、

全てを肯定的に、また許容してくれる世の中ではありません。筆者だって、差別はしませんが許容できないことはあります。

考え方・感じ方は本当に色々なので、許容できないという考えを否定することはできません。

つまり、カミングアウトは易々できるものではありません。

カミングアウトとは?何をするのか?

カミングアウトするなら、何と言うのかな?

「カミングアウト」という言葉、その言葉だけなら皆さんどこかで聞かれたことがあると思います。

カミングアウトする内容は、LGBT関連に限られたものではありません。

ご自身の過去のカミングアウトなど、カミングアウトする内容の種類は限定的ではありません。

筆者
筆者

いずれにしても「公にしてこなかった事柄を誰かにに打ち明ける」ことには変わりはありません。

「カミングアウト」と一線を画す言葉として「アウティング」という言葉があります。

「当事者自身の意思をもって打ち明ける」カミングアウト、「当事者の同意を得ることなく他者が勝手に他者へ話す」アウティング。

アウティングが原因で起きた悲しい出来事が過去にニュースで取り上げられたこともあります。筆者も目にしました。

アウティングは、何も良いことは起きないこと、容易に察しがつきます。

筆者が目にしたニュースもつらい問題として取り上げられていましたが、アウティングについてはこの記事では取り上げません。

「してはいけないこと」として当然であること、アウティングについて語れるほど自分にとって身近な存在ではあまりないことが理由です。

カミングアウトするなら、筆者は何を伝える?

もし筆者が近しい人へ、例えば家族・親友に対し「自身の指向」についてカミングアウトをするのあれば、こんなことを伝えるのかなと思います。

筆者
筆者

筆者はアロマンティック・アセクシャル(AroAce)です。LGBTのなかの1つです。

筆者
筆者

筆者は誰にも恋愛感情を抱かない/抱けないし、誰にも性的な関心を抱きません/抱けません。

筆者
筆者

そんな人がいるのかと信じられないでしょうが、本当です。

こんな感じになるような気がします。

まずLGBTには色々種類があるが、その中の1つである「アロマンティック・アセクシャル(AroAce)」であると、LGBTの中での立場を伝えないことには始まりませんね。

少数派に属さない方々がLGBTと聞いてイメージしやすいのは、こんな立場の皆さんでしょうか。

  • 同性に対して恋愛感情を抱き、同性に対して性的に惹かれる人
  • 男性/女性、両方に対して恋愛感情を抱き、さらに性的にも惹かれる人

これらは現在、世の中での認知度も上がってきていて、カミングアウトを聞いた側も「なるほど、そういう感じね」と、

大多数の方(=LGBTには属さない方々)も、存在を認知しやすいイメージがあるかと思います

(もちろん、認知のしやすさと「理解」「許容」は別物とは思います)

筆者
筆者

しかし、アロマンティック?アセクシャル?なんじゃそりゃ?初めて聞いた、と感じる方もいらっしゃる・・・いえ、多くいらっしゃるでしょう。

有名俳優さんがAroAceの役を演じたドラマがあったことで、一時名前が広がったような気がします。

また、そのドラマが原因で自認に至った方もいらっしゃいます。

しかし、時が経てばたつほど「アロマンティック・アセクシャル」とするっと言えるのは、

当事者と悩んでいる方と当事者のお知り合いの方、くらいで世の中では既に薄らいでいる存在です。


これはAroAceに限らず、言い方は良くないですが「流行り」というものの流れですね。誰が悪いわけでもありません。

いずれにしても、カミングアウトをするならアロマンティック・アセクシャルとは?について、

まず先に「こういう人もいるんだよ。そしてどんな人かと言うとね・・・」と、説明事項が多くなりそうです。

AroAceである筆者のカミングアウトへの考え

実はそこまで深刻な悩みはない

もしカミングアウトするなら「何を言うのか」について書きました。

「カミングアウトを実行に移すのか否か」についてですが、こちらの記事でもさらっと触れています。

こちらの記事で書いた通り、筆者としては・・・

筆者
筆者

今のところ、自身がAroAceだとは誰にも「言うつもりはありません」。

筆者=アロマンティック・アセクシャルと知っているのは、今のところ筆者ただ1人です。

実生活で関わりのある人、親も近しい友人も誰も知りませんし、言うつもりも一切ありません。

(このブログで「私はAroAceですー」と連呼しているので、ブログをご覧いただいている方にとっては周知の事実ですね)

恋愛感情も抱かず、性的にも惹かれないこの指向は、あまり世の中に浸透していないので「もしかしたら・・・?」と勘づかれることもなさそうです。

このままですと、墓まで持っていくことになると思っています。

では、なぜ筆者がカミングアウトしないのか、理由をお話します。早速結論からです。

筆者
筆者

筆者がカミングアウトしない理由は、この通りです。

  • カミングアウトしたいと思うほど、悩んでいないから
  • カミングアウトして楽になるとは思わないから
  • カミングアウトした方が、面倒になりそうな未来が見えるから

大きな理由はこの3つになるかなと思います。では、少し深堀して参りましょう。

カミングアウトしたいと思うほど、悩んでいないから

筆者
筆者

カミングアウトできたら良いなと思わないわけではありません

・・・が、今のところ日常生活で困ったことは少ないです。

比較するものでもありませんが「個人的には」他のLGBTの方よりも少ない・目立たない、のではないかとも感じています。

AroAceという指向が世の中に浸透していないおかげか、筆者は単に・・・

  • 「恋愛に興味のない女」
  • 「結婚を諦めた女」
  • 「仕事を取った女」

など、言葉はよろしくないですが、恋愛・結婚に興味がないだけ」と親・親戚・友人・知人・同僚を含めた、世の中の皆さんは勘違いしてくれるのです。

過去お付き合いしたお相手も男性のみで、異性である男性のみを恋愛するであろう対象としてきたこと、

(恋愛感情を実際に抱けなくても)異性に恋愛感情を抱くことに、疑問を呈してこなかったこと、

こんな経緯から、よけいに誰からも勘違いしてもらえます。

筆者が思う限りは、LGBTの一角とは思われたことはありません。

筆者
筆者

困ったこと・煩わしいと思ったこと、がなかった訳ではありません。どのような事があったのかと言うと・・・

①婚期を逃した売れ残りの女になっている

幸いなことに、筆者の周囲の方は詮索したり、嫌な言葉を浴びせたりするような方はおらず、それは大変救いです。

しかしながら、世間一般の目線からすると「筆者の状態」は「婚期を逃した売れ残り」です。

どうしても婚期を逃した売れ残りになってしまうのは仕方ないので、これについては甘んじて受け入れています。

筆者
筆者

「あなたはどおなの?」と言われたら、今日も元気に飯が美味い!それだけで十分です!と言っています。

結婚式に出席した時の誰ともなく、悪気なく投げかけられる言葉「次は筆者だね!」にも、

今日も元気で飯が・・・で、今のところ皆さん静かになってくださいます。

「お黙り」と言っているようなものですから、悪意がなければ、皆さん基本的に察してくれます。

うっとおしいのは変わりありませんが、結婚式は頻発するイベントでもありません。

ストレスとしては強いものではなく、記憶も薄れていくものなので、個人的には困り果てるようなことではなく、耐えうるストレスに分類されます。

(・・・「次は筆者だね!」ホンマによぉ言えたもんやわ。それ言って、どんな言葉が返ってくること期待してんねん)

(聞いたところでアンタの人生に何の関係があんねん、関係性があるならそれは無関係という関係性やわ)

(そんなん京都で言うたら10代先まで笑われるわ・・・素直な方ねって)

筆者
筆者

・・・あれ?筆者、結構言いたいこと溜まっていますね(笑)

②売れ残りの女を演じる必要がある

売れ残りになっているのは、他所さんから見たらそう見えるのは仕方ないことです。

しかし「周囲の方が考える売れ残りの理由」と「筆者だけが知っている売れ残りの理由」が異なるのは筆者だけが知っています

周囲の方が恐らく考えている「筆者が売れ残っている理由」は・・・

結婚より仕事が楽しいから、仕事を選んだんでしょ。

筆者
筆者

そうなんですよー来期昇進しますー

  • 多分これが1番多いような気がしますし、引き続き、そのように思って頂きたいと思います。
  • 仕事は嫌いではありませんが、辞めて生活できるなら辞めたいです(笑)

理想が高いんじゃない?

筆者
筆者

そうなんですよー私より年収が多くてー頭が良くてー気遣いができてー・・・

  • 筆者のことを知っている方なら、あまり思っていないと期待しているのですが、思われている可能性はあるでしょう。
  • 筆者の理想・・・困った時だけ連絡したら解決してくれて、それ以外は無関係。
  • 月々生活費をくれる。家族(=配偶者・パートナー)として出席が望ましい場では、家族の演技を筆者と一緒に白々しくしてくれる方。
筆者
筆者

ふざけて言えばこの通りですが、真面目に言えば理想はありません。自分の人生には「ない要素・ありえない要素」すぎて本当に何も思いつきません。

異性に興味がないのだろう。

筆者
筆者

そうなんですよー仕事の方が興味ありますー

  • 思われている可能性はあるでしょうが、アロマンティック・アセクシャルとは思っていないと見込んでいます。
  • 異性どころか、どの性に対しても恋愛的にも性的にも興味がないとは、考えにも至らないと思います。

他にやりたいことがあるんでしょ。

筆者
筆者

そうなんですよー仕事がしたいですー

  • このように思われている可能性はあるでしょう。
  • 当の本人としては、他にやりたいことってなんだろう、という感覚ではあります。

お母さんと同居しているから(父は他界)・・・

筆者
筆者

あなたお子さんが同じ境遇にならないよう、ご健康にはくれぐれもお気を付けください

  • 親御さんと同居している方が結婚できないことは決してありませんが、大歓迎のイメージはありませんね。
  • 筆者でさえ、友人の結婚相手が親と同居していると聞いたら、友人に1度確認すると思います。
筆者
筆者

筆者が考える筆者が売れ残る理由、アロマンティック・アセクシャルだから。

筆者
筆者

もう一段階踏み込んで言えば、配偶者もパートナーも一切求めていないから。

想像と現実はかけ離れているのです。

ただ、アロマンティック・アセクシャルとカミングアウトしていない・する気もない筆者としては、
なるべく世の中の方が考えるであろう売れ残りの理由に、口先だけは合わせる必要があります。

親戚と会ったときなどに良く聞かれる・・・

親戚
親戚

誰か良い人いないの?今は仕事が軌道に乗っているの?

筆者
筆者

その通りです。昇進ひゃっほー

知りたがりな親戚がいない。有り難いことですが、回答だけはしつつ「当分は仕事が大好きです~」など、

これ以上この話は続けられないように、情報の提供も行いません。見合いをすすめられても地獄です。

  • 勘違いされている売れ残りの理由に対して、不服申し立てをしたい気持ちをやり過ごしながら、仕事が大事の売れ残り女を演じることが、自身・親・友人・周囲の人の1番の安寧
  • 売れ残りを演じ続けることに、さほどストレスを感じていない

これからもカミングアウトはしないものとして生きていきます。

※仕事大事の売れ残り女という表現を多用していますが、この表現はとてもよろしくない表現です。

筆者個人の説明をするためだけに使用しているもので、仕事を頑張っている未婚の女性を陥れようとする言葉では一切ありません。

まとめ

許容する誤解や勘違い

筆者がカミングアウトしない理由

  • 「カミングアウトして楽になるとは思わないから」
  • 「カミングアウトした方が、面倒事になりそうな未来が見えるから」

これらについては、次の記事で説明します。

筆者が自身をアロマンティック・アセクシャルであるとカミングアウトしない理由が

「カミングアウトしたいと思うほど、悩んでいないから」、については、贅沢な理由だと思っています。

  • カミングアウトしたいけど言えない
  • カミングアウトした後、何を思われるかわからない
  • カミングアウトが原因で対応を変えられるのではと心配
  • でもこれ以上自身の気持ちを偽るのも限界

と、心からお悩みの方が多くいらっしゃると思います。

そんな方々の悩みの度合に比べたら、筆者のカミングアウトへの悩みなんて軽いものです。

筆者
筆者

良くも悪くも、世の中の方々が筆者を「売れ残った女(=現状を聞くのも失礼か?と逆に気遣ってくれる)」と勘違いしてくれることが大きくあります。

世間が思う「売れ残りの理由」にある程度沿って「売れ残りを演じる」必要や煩わしさはありますが、

筆者の精神や日常生活に悪影響を及ぼすものではありません

筆者
筆者

また、我が母が結婚はしたければしたら良い、くらいにしか思っていないのも幸いなことです。

タイトルとURLをコピーしました