LGBT「Lesbian (レズビアン)」「Gay (ゲイ)」「Bisexual (バイセクシャル)」「Transgender (トランスジェンダー)」これら4単語の頭文字をとって、「LGBT」。

L・G・B・T、それぞれへの理解度は人により大きく異なるとは思いますが、少数派のことを指している、というくらいは世の中に浸透してきたと思います。
このLとGとBとTに属していらっしゃる方は、当事者の方々の努力で世の中に「このような人も存在していて、同じように生活している」と浸透させたと思っています。

どうしようもなかった事なので、今さら何をとは思うのですが・・・
筆者と同じ少数派であるはずの「LGBT」という単語が一時期、筆者を苦しめていました。
もちろん、LやGやBやTの方に何かされたという意味合いでは一切ありません。
性的少数派=LとGとBとT「だけ」という認識に、悩まされる時期があったというだけです。
LGBT、少数派は「この4つしか存在しない」


多様性なるものがどんどん世の中へ発信され、多数派の方へ認知されていくことは、大変結構なことです。
- 今まで悩んでいた方が疑問を解決して、何かしらの立ち位置を見つけることができた。
- まさに悩んでいる方が情報を得ることができ、自身の立場の理解をより深めることができた。
- 自認こそしていたが、認知度が広まったことで、自分だけではないと思えるようになった。
逆に知りたくなかった、という悩みも存在しますが、世の中に存在が広がったことで、
悩みが解決できたり、少しでも悩みの程度が軽くなることは、本当に良いことです。


本当に良いことなのですが、筆者の場合は少し異なりました。
LGBTという言葉の広がりは、筆者にとって、むしろ自分の疑問をより深めることに直結し、余計に自分だけがおかしいのではないかと思う原因になりました。
- なぜ筆者は、恋愛感情を抱いたことがないのか?そして抱けないのか?
- なぜ筆者は、性的な関心を誰かに寄せることができないのか?関心を抱けないのか?
- なぜ初恋が来ないのか?なぜ誰も好きになったことが、大人になった今でもないのか?
世の中にLGBTという単語が広まれば広まるほど、LとGとBとTをより認識すればするほど、こんな疑問や不安やストレスで、頭や心が一杯になりました。
- 自身は性的マイノリティーであるLGBTにも属せない人間だ
- 属せないと言うことは、どこか頭の調子が良くない可能性がある人間だ
- それとも、本当にまだ好きになったことがないだけなのか、待てば解決するのか分からない
少数派はLとGとBとT、4つのみ
筆者がアセクシャルという言葉を見つける前のイメージなのですが・・・


少数派と言えば、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー、この4つ。以上!!
LGBTという言葉が使われ始めてから当面の間、この4つ以外は、あまり取り上げられていなかったと思います。
世間に4つ認識されたのはすごいことなのですが、それ以外の可能性(=アセクシャルやアロマンティック等)がマイナー過ぎて、
表面に出ることは甚だしく稀、少なくとも筆者はいくら調べたところで、見つけることができませんでした。
少数派の中の少数派となると、当事者本人が気づいていない・気づけていない状態も多く、世の中に認識してもらうだけの集団としての質量/人数がなかった、仕方ないとは思っています。
いずれにしても、性的マイノリティーをLGBTと呼び、その種類は4つである、それ以外はないと、若い筆者は認識していたのです。
そして、そこにも自身の居場所はないと思っていました。
少数派の方も恋愛できる方ばかり
多様性のあり方は、グラデーションと言われる令和のご時世で、雑にカテゴリー分けするまねをするのも滑稽ですが、当時の筆者の悩みを書くために少しだけ。
LGBT、特に筆者が頭を抱えていた平成で「どういう人がLなのか」、「こんな立ち位置ならGなのか」と、
カテゴリー分けに使用される基準は、例えば「同性に恋愛感情を抱いたり、性的に惹かれる」、「同性ではなく、男性・女性の両方に恋愛的にも性的にも惹かれる」といった感じだったと思います。
(トランスジェンダーの方を無視するような説明になり申し訳ありません)


なぜこんな雑な分け方をしたかと言うと、悩んでいたころの筆者は、こんな風に思っていたからです。
当時の筆者の目には、このようにしか映りませんでした。
- 性的少数派と言うけれども「恋愛感情を抱く」・「性的に惹かれる」のが「普通」で「当たり前」
- つまり「恋愛できる」「性的な関心を抱ける」前提でしか話がでない


少数派と呼ばれている方の中でも「恋愛感情ありき」の様子。


少数派って、LとGとBとTで全部なんですよね?


そうなら、やはり私はLGBTには含まれない。少数派にも入れてもらえない。
LGBTという言葉が認識されたらされるほど、筆者にとっては「少数派にも自身の立ち位置はない」という悩みに繋がり、
「好きな人ができるのをいつまで待てばよいのか」というストレス・つらさを育てる原因になっていました。
LGBTに属する人が「全て恋愛感情を持てる」ような書き方をしていますが、AroAceという言葉と出会う前の筆者の考え方です。
恋愛感情を抱かない、アロマンティックのトランスジェンダーの方もいると、今では思っています。
トランスジェンダーの方を性的マイノリティと同列に並べるか、という議題もあるかもしれませんが・・・
恋愛感情まで成長しない感情


そもそも、恋愛感情を抱こうと思って、恋愛感情は生まれるものなのか。
普通は、なんか良いなと思っていたら好きになった、とか自然に湧いてくる感情ではないのか。
好きになろうとして誰かを好きになる、そんな人もいるかもしれませんが、筆者にそれができるなら、もう好きな人はできているはず。
結婚だってしているかもしれない。子供もいるかもしれない。しかし・・・
- どんなに良い所があったとしても、どんなに好感を持てる所があったとしても。
- どんなに優しい・かっこいい・頭が良い・人格者だ、人間として好きになる要因を見つけたとしても。
筆者には「(恋愛的な)好き」という感情が生まれない。興味を持てない、恋愛感情を抱けない、人を「恋愛的に」好きになれない。全ての感情が全て良い人、で終了する。


世の中の人がが疑問にすら感じない・当たり前にできることが、筆者にはなぜできないのか。
少数派と認識されている、同性愛の方、バイセクシャルの方々にも、当たり前のように恋愛感情は存在していて、人を好きになれる。
筆者は、その少数派にも入れてもらえないようだ。
分類されたい、でも分類される先がない


沼にはまって、宇宙について考えだす若き日の筆者。
この宇宙に果てはあるのか、人間のような生命体はいるのか、地球の人類なんて宇宙にくらべたら、なんて小さいものなんだろう。。。
とぼけるのはこれくらいにしますが「宇宙に比べたら、自分の悩みなんて小さいものだ」と疑問を疑問のまま抱えようとしていました。


世の中にはいろいろな立場や考えの人がいるのは当たり前のことで、私の悩みなんかも、その中の1つなのだろうけど・・・
世の中には他にもっと深刻な悩みを抱えている人はいるわけで、自分程度の悩みで考えすぎて心の健康をこれ以上崩すのは良くないな・・・でも!
でも、分類されたい。私の立ち位置はどこなんだろう?立ち位置がないのなら、ないと言ってほしい。
同性愛なら同性愛、異性愛なら異性愛、などカテゴリーが色々ある。
グラデーションがあるんだから、私はこうだから私、カテゴリーなんて気にしない、という考えの方も多いと思う。
そのような考え方は認識しているし、否定なんてするものでもない。


でも、一言だけ言えるのならば、そんな事が言えて羨ましい。


カテゴリーを気にしなくても良い方は、少なくとも自身の立ち位置を見つけられているのだろう。
でも私は自身の土台となるカテゴリーを見つけられていない。探しても探しても見つからない。
異性愛者でも同性愛者でもないのは、ほぼ間違いないと思う。
筆者は女性の体と女性の心をもって生まれてきた、それに疑問はない。
恋愛ができない・したことがない・これからするのかどうかも分からない、なんでこんなことで悩まなければならないのか。


私は一体どんな人なんだろう。やはり、頭を診てもらった方が良いのだろうか。。。
アロマンティック・アセクシャルとの出会い


昔の自分語りが多くなりましたが、心のモヤは一切晴れることなく気づけは時間だけが経ち、いい年した大人になっていました。
周囲の人みたいに恋愛できない理由は分からないけど、恋愛をしようと、あがいて失敗してみたり。
恋愛感情を次こそは抱けるのではないかと、告白してもらえてお付き合いしてみたり、でもダメだったり、色々ありました。
理由は分からないままで一生モヤモヤするけど、筆者の人生に、恋愛という要素はなかったのだと諦めるようとしていた時。
タイミングとしては、この方でダメだったら、もうダメだと決めて、お付き合いしていた時。
例にもれず、人間として非常に信頼しているし、これまでのお付き合いで筆者には勿体ないくらい良い人だと思っているのに、恋愛的に好きという気持ちが一切湧いていなかった時。
とあることがきっかけで、人を好きになったことがない等、こりずにネット検索していました。


こりずに検索した理由は、こちらの記事に書いてある出来事があったからです。
「人を好きになったことがない」など言葉を色々変えながらネット検索。
「人を好きになったことがない」「人 好きになれない」「恋愛感情 ない」等々、今まで幾度となく検索してきたワードでしたが、何となく検索してみました。
どうせ見たことあるホームページばかり、、、んん!?


アセクシャルって何!?
最近認知されてきたセクシャリティーって何!?LGBTは知ってるけど、この4つ以外他にあるの!?


恋愛感情を抱かない人!?何それ、私!?詳細を教えて、今すぐに!


恋愛感情を抱かない人・性的に惹かれない人がアセクシャル。。。これだーーー!!!
歓喜の雄叫びを心の中で叫びつつ、指はさらなる情報を求めて、スマホを操作します。
読めば読むほど、自身にあてはまることしかありません。
どうやら「恋愛感情を抱かない人」がこの世には存在していて、同時に「性的な関心を抱かない人」もいる、その人たちをアセクシャルと呼ぶらしい。
幸い極まりないことに、性的少数派はLとGとBとT、この4つだけでは、なくなっている様子。
やっと情報をアップデートすることができ、自身の立ち位置「アセクシャル」を見つけることができたのです。
当時の筆者は、アセクシャル=恋愛感情を抱かず・性的な関心を抱かないセクシャリティー、日本ならではの意味合いの方で認識してました。
細かい話をしたら、その当時はまだ「アロマンティック」という単語は知らず、
アロマンティックとい存在と言葉を正しく認識して「アロマンティック・アセクシャル」であると完全に自認するのは、少し先の未来です。
「アセクシャル」と「アロマンティック」については、こちらの記事で各々詳しく記載しています。
しかし、我に返ればお付き合いしている男性が筆者にはいました・・・
当時お付き合いしていた彼氏がいたにも関わらず、他者に対して恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれない「アロマンティック・アセクシャル」だと自認した筆者。
筆者のその後はこちらのカテゴリーにまとめて書いております。
まとめ
筆者が悩んでいた当時は「LGBT」、そして時は経ち「LGBTQIA+」。
少数派にも色々あり「+」で多様性の可能性を持たせているところは、好感を抱きます。
(アセクシャルのAが追加されたことは、少しは数をもった集団として認知されてきたのかなと思えたりします)
さらに長くなったようで「LGBTQIAPK」と言うことがあるらしい。検索したら「LGBTQQIAAPPO2S」という言葉もでてきました。
当事者であるにも関わらず、さすがに追いつけない。


セクシャリティーにはLGBTという4つの世界しかない、だからそこに自分の立場はない。
こんな風に悩んでいた筆者が、自分の立ち位置「A」を見つけられたからと言って、自分だけ満足するつもりは一切ありません。
また、LGBTQIAのように「A」を少数派の呼称の一部として使ってくれているからと言って、
まだ自身の立ち位置を見つけられずに悩んでいる方を傷つけるような発言は、一切するつもりはありませんが・・・


実際口に出している人を見たことはありませんし、この長い呼称には少数派の筆者でも「???」となりました。
当事者を含めて、何が何だか状態になっても責められませんね。。。
奇しくも情報量が少なかった時代のせいか、若き日の筆者は少数派の中からもはじき出されてしまっていました。
性的少数派を指し示す言葉として「LGBT」。今は少数派「全体」を示す言葉と認識できていますが、当時は・・・
- 「4つしか少数派は存在しない」と筆者の勉強不足か、世の中の認知度の低さのためか、そう思っていた
- その4つの立場にいる方で「恋愛感情を抱けない」ことで悩んでいる方を見つけられなかった
このような理由で「数派にも入れてもらえない=私だけがおかしいのか」と、苦しみを感じていました。
少数派の方でも当たり前に抱ける恋愛感情を抱けず、もうこれはどうしたものかと思っていましたが、ついに出会えた「LGBTQIA+」の「A(アセクシャル)」の部分。
時代の流れと共に、筆者が気付かない/知らない間にLGBTは更なる多様化を遂げ「LとGとBとTだけではない集団」になっていました。
何のご縁か、気付かせてもらえるタイミングだったのか。
筆者はめでたく納得できる自身のカテゴリーを発見することができました。分類されることができました。


筆者がカテゴライズされる指向はこの通りです。
- アセクシャル:他者に対して、性的な関心を抱かない性的指向を持つ人
- アロマンティック:他者に対して、恋愛感情を抱かない恋愛的指向を持つ人
アセクシャルという言葉を認識した当初は「アロマンティック」という言葉は知りませんでしたが、


その当時から筆者は「他者に対して恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれない、アロマンティック・アセクシャル」でした。