初めてアロマンティック・アセクシャルという言葉と出会った時のことなので、他の記事をご覧になっていなくても、
「アロマンティック・アセクシャルという存在がいること」=「他者に対して恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれない人の存在」が分かるよう、独立して記事を作ります。
- アロマンティック・アセクシャルと出会う(=自認する)きっかけ
- アロマンティックとは?
- アセクシャルとは?
どのような疑問や悩みを抱え、どのような経緯を経て、アロマンティック・アセクシャルへ筆者がたどり着いたか、その大枠を書いて参ります。
誰も好きになった事がない悩み、一緒に考えます 本当に好きな人に出会っていないだけ、とは思えない方へアロマンティック・アセクシャル自認直前の出来事
アロマンティック・アセクシャル自認間際の筆者の状態としては、婚活サイトで知り合った男性と意気投合し、お付き合いしている状態でした。

こんなに馬が合うなら、今度こそ好きになれるのかも?恋愛感情が生れるのかもしれない!
やっと筆者も「誰かを好きになることができる!できるかもしれない!」「やっと人並みに恋愛かできる!」なんて期待に期待していたのですが、
彼氏・彼女として何度か会っても、どんなに気を使って優しくしてもらえても、どれだけ時が経っても、人としての信頼感は増せど、なぜか恋愛感情と言う意味で好きになれずに悩んでいました。
やっと皆と同じように恋愛できると思っていたのに、どんなに良い人だと思っていても、信頼していても、結果は「過去お付き合いした男性」と同じで「恋愛感情が一切生まれない」。
これまで幾度となく「人を好きになったこよがない」、「恋愛感情 ない」等、言葉を変えて検索してきては虚しい思いだけをして参りました。
同時に、同じ状態の方と知り合えることもなく、ただただ自分がおかしいのか、本当にまだ出会っていないだけなのか、はたまた理想が高いだけなのか、疑問が解決されることのない日が続くのみ。
- 「人を好きになったことがない」「恋愛感情がない」「初恋がまだ」と悩み
- 「まだ出会えていないだけだよ」や「ご冗談を」と励まされ
- それでも納得がいかずに調べるが「LGBTの少数派にも自身は含まれていない」と打ち砕かれてきました
この男性と駄目だったら、筆者の人生に恋愛はなかったものとして生きて行こうと決めて、望んだお付き合い。
この誰も好きになれないというモヤモヤと一生付き合って生きてくのかと覚悟を決めかけた時。
お付き合い自体どうしたら良いのか迷っていた時。
こんな状態の筆者に男性からお泊り旅行のお誘いがあって、あろうことに了承してしまい頭を抱えていた時。


筆者はとうとう出会あうことになります。「アセクシャル」という言葉と。
お付き合いの流れや、お泊り旅行が決まった筆者がどのように頭を抱えていたか、もう少し詳しく書いた記事はこちらです。
アセクシャル(=アロマンティック・アセクシャル)との出会い


当時お付き合いしていた男性とのお泊り旅行が決定し、キャンセルを望みながらも、着々に準備が進んでいる中でした。
筆者はその日もモヤモヤを振り払うように、でも「どうせ調べたところでモヤモヤは消えない」と諦めを抱えながら、インターネットを見ていました。
何度検索したことか、でもまた検索してしまう「人を好きになった事がない」「恋愛感情 ない」。
なんとなく検索したら筆者の知らない単語が出てきました。
その単語とは「アセクシャル」。
初めて見た検索結果に、スマホを操る指は高速で情報を求めて動き出します。


アセクシャルって何?私に関係あるの?意味を教えて、どんな人のことなの?


これだーーー!!!
とうとう「アセクシャル」という言葉と運命の出会いを迎えることができました。
人間との運命の出会いではありませんでしたが、間違いなく筆者にとっては「運命の出会い」。
もう一つ言えば「異性である男性と運命的な出会いをしなくても良い確信と安心」との待ちに待ちわびた運命的な出会いです。
アセクシャルを知ったその瞬間は、こんなに喜ばしい事はないのではないか、本当に有り難いと喜びと安堵に浸っていました。


「性的関心を抱かず、恋愛感情も抱かないセクシャリティーが存在し、アセクシャルと呼ばれる」。
という文章一つで、今まで30年悩んできた自身の疑問は全て解決、もう何も悩まなくても良い。
アロマンティック・アセクシャルを自認したからこそ、悩む方もいらっしゃいます。
自認しない方が良かったと思う方も勿論いらっしゃいます。
しかし、筆者の場合は「30年近く自身を悩ませた原因が判明して、もう対処しなくても良い安心を得た喜び」の方が大きくありました。
筆者にとっては、まさしく運命の出会いでした。


それでは、アロマンティックとアセクシャルについて、その概要を説明いたします。
令和にこの記事を書いている時分としては、悩んでいた時代より確実に・潤沢に情報を得ることができます。
と言いますか今となっては、セクシャリティーは細分化され、より複雑なグラデーションを描いていますね。昔の筆者が見たら、驚くと思います。
勿論、細分化に苦言を呈している訳では一切ありません。細分化や繊細なグラデーションに救われた方もいらっしゃると思います。
性的少数派はLとGとBとTしか含まれない、と思っていた筆者が細分化やグラデーションに対して文句なんて言えません。。。
さてアセクシャルとは何か?について、ホームページや他の当事者の皆さんの考えを見たり、自身の経験と比較し、まとめました。


ご注意: この記事に書かれている情報が全てではありません。
アセクシャルとは、どんな意味なのか?
アセクシャルとは、どのような立ち位置にいる人たちなのか=どのような指向を持った人たちなのかと、その指向の大枠を言葉にすると、下記のように認識できそうです。
- 他者に対して、性的に惹かれない方のことをアセクシャルと言う、そう自認している方が自身を表現する際、アセクシャルと言う。
- アセクシャルは無性愛者やA(エイ)セクシュアル、Aceとも呼ばれる。
アセクシャルなのかアセクシュアルなのか、どちらが正しい言い方なのかは気にしないようにしています。


筆者に関していえば、あまり気になりません。それより指向の内容の方が気になります。
アセクシャルと同じ意味を指す表現として、色々な表現方法がありますが、どの単語を使って自身を指し示すのかは人それぞれの好みです。
筆者は最初に出会った単語が「アセクシャル」だったので、自身を表現する単語として使用するのは「アセクシャル」です。


アセクシャルについて、より詳しく説明している記事もありますので、ぜひご覧ください!
「性的指向」「性自認」を説明しながら、アセクシャルという性的指向についてまとめてあります。
筆者個人で言えば、アセクシャル=他者に対して性的に惹かれない指向、とまず分かったのは大変良いです。
確かに、身に覚えはありました。確かに、他者に対して性的に惹かれたことは今まで一度もなかったと。
嫌悪感はないと自身としては思っていますが、可能な限りどのような接触も避けたかった筆者であったと。
興味のある年頃もありましたが、その気持ちがお付き合いしていた男性を含め、他者に対して向くことはありませんでした。


筆者は「他者に対して性的な関心を抱かない、アセクシャル」と自認しています。
アセクシャルという言葉で自身の疑問が全て解決したと前述しました。しかし・・・
アセクシャルが指すものは「他者に対して、性的に惹かれない」であり「恋愛感情がない」とは、また別のものです。
悩みぬいた分、疑問は残したくありません。「恋愛感情がないこと」についてもう少し調べてみましょう。


そこで登場するのが「アロマンティック」という指向。
ちょこちょこアロマンティックという単語を既に書いていたので、気になった方もいらっしゃたかもしれません。
アロマンティックとは、どんな意味なのか?
前述した通り、アセクシャル=他者へ性的に惹かれない、ということは十分にわかりました。
アセクシャルという指向は筆者にあてはまる事柄で、確かに気にかかっていることでしたが、
自身に恋愛感情が存在しないこと・誰かに対して恋愛感情を抱けないことについては、性的な関心を抱かない以上に気になっていました。


調べた結果、出会えた言葉がありました。その言葉は「アロマンティック」。
他者に対して性的に惹かれる/惹かれないと同じように、他者に対して恋愛感情を抱く/抱かない、これを基準に指向は大きく2つにまず分けられます。
- 他者に対して、恋愛感情を抱く人は ⇒ ロマンティック
- 他者に対して、恋愛感情を抱かない人は ⇒ アロマンティック
他者に対して恋愛感情を抱かない人は「アロマンティック」と呼ばれる。


恋愛感情がない人が存在していて、それに名前が付けられている。
このままでも良いのだと、この世で筆者1人だけではないのだと、名前が付けられるくらいの人数がいるのだと、心から安堵しました。
世の中のほとんどの方は「ロマンティック」で、筆者は「アロマンティック」のようです。
そりゃ世の中の大半の方は恋愛感情を抱く人の方が多いですよね。
恋愛以外からの結婚もあると思いますが、恋愛を経てから結婚する、これが大体の方が通られるであろう、人生の通常ルートです。


アロマンティックと出会えるまでは、人生の通常ルートを辿れない自分がおかしいのかと、悩むのも当たり前だったのかもしれません。
筆者のような「アロマンティック」の指向を持つ人は、世の中の大多数の方と立場が異なり、間違いなく少数派なのでしょうが、名前がつくほどには認識されていること、本当にありがたいです。
自分の立ち位置が把握できることは、こんなにも心を晴らしてくれるのかと、当時の筆者は驚いていました。
アロマンティックとはどんな人なのか?について、「性的指向」「性自認」を説明しながら、アロマンティックという恋愛的指向についても、別記事で詳しくまとめてあります。
アロマンティック・アセクシャルとは?




では、他者に対して恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれない人はなんと言うのか?
他者に対して恋愛感情を抱くか抱かないか、性的に惹かれるか惹かれないか、それぞれの立ち位置の組み合わせで、より自身の立ち位置を明確にすることができます。
それでは、筆者のより詳しい立場を明示するのであれば、こんな感じになります。


アロマンティック・アセクシャル=筆者です。
アロマンティックであった筆者が、なんとか世間一般の流れにあわせようと、一生懸命「恋愛しなければ」「恋愛感情を持たなければ」「彼氏を作らなければ」と必死になっていました。
それでも彼氏はできても、恋愛感情を抱くにも至らず、勿論性的に惹かれることも一切なし。これに悩むこと四半世紀以上。
しかし、世の中には少数であっても「他者に対して恋愛感情を抱かず」かつ「他者に対して性的にも惹かれない」人がいて「アロマンティック・アセクシャル」と呼ばれる。


筆者はアロマンティック・アセクシャルである。やっと、長年の疑問が解決しました。ただただ嬉しいです。
勿論、筆者自身への感想であり、アロマンティック・アセクシャルだと自認したからこそ言えることですが、思い返すと「無理なことを随分していたな」と。
自認前でしたが自分にはできないことをして、自身も辛いと感じていましたし、恋愛できないとい変わらない事実は余計に自身の悩みを深いものにしていました。
筆者とお付き合い頂いた殿方へも、申し訳ないことをしてしまったと感じています。
日本でのアセクシャルの意味合い
前述した通り、本来の「アセクシャル」の意味合いは「他者に対して、性的に惹かれない」のみです。
いくつかLGBTに関する団体や当事者の皆さんのホームページ・SNSなど拝見しましたが、アセクシャルの本来の意味を語るものとして「他者に対して、恋愛感情を抱く/抱かない」はその意味に含まれていません。


でも、筆者が初めて見たアセクシャルとはこんな人だよ~のホームページ?記事?では・・・


「性的関心を抱かず、恋愛感情も抱かないセクシャリティーが存在し、アセクシャルと呼ばれる」と書いてあったと記憶しています。
こんな記載だったから、筆者は「恋愛感情を抱けない」という一番の悩みが解決したはずです。
実をいうと、別のいくつかのホームページでは「恋愛感情を抱かず、性的に惹かれない人」のことを「アロマンティック・アセクシャル」とではなく、「アセクシャル」という一つの単語のみで説明しているものがありました。


これまたどういう事か?ここまで来たら、間違えたくありませんね。
早速ですがこちらの疑問は、割合早く解決することができました。説明してくださっているサイトが結構多くあるのです。
英英辞典も見たのですが、アセクシャルの定義は性的な側面についてのみ言及されており、恋愛面については触られていませんでした。(英英辞典にも掲載されているのかと、少し驚きました)
アロマンティック・アセクシャルをアセクシャルという一つの単語で表現するのは、日本ならでは捉え方のようです。
このブログでは、どのように表現しようか迷うところです。
- 自分の悩みをまず解決してくれた単語が「日本ならではの意味合い」の「アセクシャル」でしたので、アロマンティック・アセクシャルを表現したい時もアセクシャルを使用するか・・・
- アセクシャルとアロマンティックは全く別物であるので、情報を発信する側として正確に情報が伝わるよう、アロマンティックとアセクシャルをしっかり分けて記載するか・・・
恋愛感情を抱く人抱かない人、性的に惹かれる人と惹かれない人の組み合わせで立場を表現するのなら、
「ロマンティック・アセクシャル (=恋愛感情は抱くが、他者へ性的に惹かれない)」の方もいらっしゃるはずです。


こちらの立場の方は日本では「ノンセクシャル」と表現されることが多いですかね。
しかし、いくら「ノンセクシャル」という言葉の方が伝わりやすいとしても、アロマンティック・アセクシャルを表現する時に使う言葉がアセクシャルだと、誤解も生むし、ノンセクシャルの方への配慮にも欠けているかもしれません。。。
アセクシャルブログでは、アロマンティック・アセクシャルと言いたい時はアロマンティック・アセクシャルと記載し、アセクシャルとは記載しないよう気を付けます。(2022.12.29)
※2022.12.28以前はアロマンティック・アセクシャル=アセクシャルとして表現する機会が多くありました。これから修正を行って参ります。
誰も好きにならない30年 – 自身の疑問への回答


紆余曲折、時間もかかりましたし、筆者に時間を使わせてしまった男性もいらっしゃいますが、なんとかアロマンティック・アセクシャルと自認できたわけでございます。
自認できたことで、今までの疑問や悩みがつるっと解決。筆者が悩んできた事とその回答をまとめました。
少し言い切り過ぎな言いぶりは、あくまでアロマンティック・アセクシャル自認後の筆者から自認前の筆者に送る言葉です。


「人を好きになったことがない」「恋愛感情がない」「初恋がまだ」私だけが変なのか?
- 筆者は「アロマンティック」だったので、そもそもできないことをしていた。
- 恋愛感情を抱く仕様が筆者にはありませんでした。
- もう、無理して恋愛しようとしなくても大丈夫です。


誰かに相談しても「まだ出会えていないだけだよ」「ご冗談を」しか言われない。
- 世の中「ロマンティック」の方が大多数なので、そう言われても仕方なかったのね。
- 恋愛感情を抱かない人がいるなんて、なかなか想像に至りません。
- 出会いを探さなくても、良くなりました。筆者について言えば、出会わないからです。


「LGBTの少数派にも自身は含まれていない」という事は自分の頭部に問題があるのか???
- アロマンティック・アセクシャルは少数派の少数派のようですので、調べようとしても時代により情報量に圧倒的な差があり、速やかな認知が難しかった。
- アロマンティック・アセクシャルと出会えて、しっかり少数派の一員となれました。
ちょっとした疑問ですが、どうなんでしょう?
アロマンティック・アセクシャルでも良いからお付き合いしたいという方がいたら、それが「やっと出会えた」「運命の人が見つかった」となるのでしょうか。
動画でお付き合いされている方々を見たことはあるのですが・・・筆者自身が思うパートナーについては、こちらの記事で書いています。
まとめ
長年悩んでまいりました、「誰も好きになったことがない」と「誰に対しても性的な関心を抱けない」という自身の疑問。
「アロマンティック・アセクシャル」という言葉と出会い、自身がそうであると自認することで、やっと疑問を解決することができました。


筆者の独断ですが、自身は先天的なアロマンティック・アセクシャルのような気がしています。
いずれにしても「他者に対して恋愛感情を抱かず」かつ「他者へ性的に惹かれない」人も存在していて、
「アロマンティック」、「アセクシャル」とそれぞれ名前がつけられるくらいの集団であると確認できたことは、
疑問を解決してくれただけではなく、このままでも良いのだと、このままの自身を受け入れて良いのだと思えたことに繋がります。


今のところ、誰にもカミングアウトするつもりはありませんので、あまり聞きたくない言葉を聞くこともあるでしょうが、もう筆者が揺れ動くことはありません。
アロマンティック・アセクシャルだとカミングアウトする事について、自身の考えを書いた記事もありますので、ご覧ください。
誰も好きになった事がない悩み、一緒に考えます 本当に好きな人に出会っていないだけ、とは思えない方へ