恋愛ありきの世の中? – アロマンティック・アセクシャルは人生つまらない!? ①

恋愛ありきの世の中 - アロマンティック・アセクシャルは人生つまらない 悩みや疑問
筆者
筆者

アロマンティック・アセクシャル当事者としては、タイトルに「ぐふぅ」となります。

筆者がこの出来事を誰かから聞いた身だとしたら、タイトルを見ただけで

  • 「なんてことを言ってくれるの?」
  • 「いや、人生楽しいですけど?」
  • 「まぁ、皆さんが味わっている感情や経験をできない身ではありますけどね。。。」

と悲しいやら、怒りやら、でも恋愛できない自分と恋愛できる友人たちとの違いを顧みたり、色々感情が出てきます。

筆者
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アロマンティック・アセクシャルは人生つまらない!?え?どういうこと!?

筆者
筆者

なんかタイトルの文面を見ただけで、ざわざわするわ・・・

ちなみに、このお話はアセクシャルという言葉と出会い、自身がアロマンティック・アセクシャルだと自認した後のお話。

年中頭の上にお花が咲いている筆者ですが、一応社会人として日々働いております。

「アロマンティック・アセクシャルは人生つまらない!?」という発言は、お昼休みに職場の仲間とご飯を食べながらの雑談中に聞いてしまった言葉。

  • なぜこんな発言を聞くことになったのか。
  • 発言された方はどのようなことを思っていったのか。
  • 発言を聞いた筆者がその発言の意図をどのように考えたのか。

経緯を交えながら、お話していきたいと思います。

人生の通常ルートを進む方々と進んでいない筆者

「アロマンティック・アセクシャルは人生つまらない」の発言が飛び出たその場にいた方々がどのような立ち位置なのか、簡単に説明します。

その場にいた同僚は全員女性で、筆者以外既婚者。お子さんの年齢もバラバラですが、も皆さんいらっしゃいます。

当人たちの年齢層もバラバラで当時20代~50代、筆者だけが独身です。

筆者
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年齢はまちまちなのですが、皆さんとは仲良くしてもらえて、人間関係も非常に良好な職場です。

お昼時間、一緒にご飯を食べながら話すときは、子供の話やパートナーの話も勿論でますが、未婚・子供がいない人への配慮も忘れない良き方々。

お昼ご飯を一緒に食べる人の環境への配慮も忘れない、良い同僚の皆さんです。

「人生の通常ルート」とは?

良い職場環境をアピールしたい訳ではありません、話がそれましたが、何が言いたいのかと言うと・・・

筆者
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筆者以外、皆さん「人類の人生の通常ルート」を進まれている方ということです。

人生の通常ルートって何?些か差別的な発言では?と思われるでしょうが、こんなことを筆者は言いたいのです。

先ほども書きました通り、その時一緒にご飯を食べていたのは、筆者以外「みんな既婚者でお子さんがいらっしゃる方」ばかり

筆者
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なぜ、既婚・お子さんありだと「人生の通常ルート」を進んでいると筆者が言う理由は・・・

誰かと番になって、子孫を残していくのが人類発展の歴史=人生の通常ルートと認識しているからです。
従って、既婚でお子さんがいらっしゃる方は「人生の通常ルート」を進んでいるものと筆者個人は思っています。

筆者
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ちなみに、どのような方が人生の通常ルートを主に進むのかと言うと・・・

異性に対して恋愛感情を抱き、性的に惹かれることができる方々だと思っています。

  • 人生の通常ルートを進む=結婚をして子供をもうけるためには「付き合う⇒結婚⇒子供をもうける経験をする必要がある」
  • 付き合って結婚するには、基本的に「異性に対して恋愛感情を抱く必要がある」
  • 子供をもうけるためには基本的に「異性に対して性的に惹かれる必要がある」
  • 従って、人生の通常ルートを主に進まれる方は異性に対して恋愛感情を抱き、性的に惹かれることができる方々である

人類の人生の通常ルートと言うと、なんか言い過ぎな感じも事実でしす。

アロマンティック・アセクシャルである自身をなんか卑下しているような感じもするのですが、見当違いのことは言っていないと思います。

少しばかりの羨望と嫉妬を含めて、「恋愛・結婚・子供=人生の通常ルート」この全てを現実の出来事にできる皆さん=「異性に対して恋愛感情を抱き、性的に惹かれることができる方々」と筆者は定義しています。

冒頭に戻り、お昼を一緒にした「既婚・お子さんあり」の皆さんは「人生の通常ルート」を進んでいるとしています。

  • 一般的に世の中の多くの方は、異性と恋愛して、楽しみやら苦しさやら色々な経験をしながら、結婚に至る。
  • 結婚したら子供も生まれたりする。喜怒哀楽、多種多様な場面がありながらも、家族として生きていく。

勿論、家族やご自身にしか言っていない・知らない辛い事、悲しい事、言いたくない事、隠している事、色々あるとは思います。

(通常ルートを進める皆さんが少し羨ましくて、なんか棘のある書き方になっていますが、全てが全て順風満帆で、何も問題なく人生過ごされてきた人の方が少ないのは承知しています)

筆者
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つらつら書きましたが、ざっくりいうと同僚の皆さんの指向はストレートだという事です。

※ストレート:異性に対して恋愛感情を抱き、異性に対して性的に惹かれる方々=世の中の大多数の方々

恐らく、ご自身については「性自認(=こころの性)」や「誰を好きになるのか」、「誰に性的に惹かれるのか」等、悩んだことがない/悩みもしない方々だろうと思います。(あくまで想像です)

さて、本題に移って参りましょう。

「人生つまらない」発言のきっかけになったテレビ番組

ご注意

  • 事実を捻じ曲げない程度の脚色を加えております。ご了承くださいませ。
  • 発言をされた方を責める意図は一切ございません。
  • 筆者がアロマンティック・アセクシャルだと知っているのは、筆者のみです。今のところ、誰に対しても知らせる予定はありません。

さて、とある職場の、とある休憩スペース。お昼休み中に、とある同僚が前日見たテレビ番組について、お話してくれました。

番組の内容については、記憶が曖昧なのですが、番組概要は下記の通りです。

(筆者は実際に見ていないので本当の詳細はわかりません。)

番組のメイントピック: 恋愛しない若者

  • セクシャルマイノリティーとからめて話が進められていた。
  • 面倒/他にやりたいことがあるという理由から、恋愛を避ける若者についてのお話。
  • 最近認知されてきた、アセクシャルというセクシャリティーがあるようだ。
  • アセクシャルは人を好きにならない人のことを言うらしい。

確か、こんな感じテレビの内容だったとおっしゃっていたと思います。

筆者
筆者

番組の内容について少し言いたいことが少々あるのですが、我慢でございます。

「人生つまらない」という発言がでるまでの会話

人を好きにならないって、人生つまらない!?

こんな番組があったんだよ~から、その番組の内容について会話がどんどん膨らんでいきました。

筆者はアセクシャルに関係ある番組?めずらしいな~位に思いながら、お話をまずは聞いているだけの状態です。

同時に、何も会話に参加せずにLGBTの話が嫌い?=理解がない・偏見がある、と認識されても嫌ですし、

逆に知識が周囲よりありすぎて「もしかして?」と思われるのも、自身のスタンスではないので、どんな反応でいこうかな~とも考えていました。

では、早速会話をご紹介します。

同僚①
同僚①

昨日、恋愛しない若者みたいな番組やってたの

同僚②
同僚②

恋愛しないって、どういうこと?

筆者
筆者

ふ~ん

同僚①
同僚①

恋愛するのが面倒とからしいよ

同僚③
同僚③

へぇ~私が若いころは、その興味しかなかったけど。

筆者
筆者

最近の子は恋愛よりやりたいことある~みたいなこと聞いたことありますわ。

同僚①
同僚①

そ~なのよ、面倒くさいとか言ってた。

同僚②
同僚②

楽しくないの?恋愛って?

筆者
筆者

恋愛が楽しいものって言ってみたいな~

同僚①
同僚①

うん、なんかあと、人を好きにならない人っているらしいよ~

筆者
筆者

むむ?アロマンティックかな?そんなことテレビでやるのかしら?

一同
一同

なにそれ、聞いたことない

同僚①
同僚①

なんだっけ、アセ・・アセなんとかって言ってた。とにかく人を好きにならないんだって

同僚②
同僚②

恋愛しないって、人生つまんなくないですか?信じられない

同僚③
同僚③

全てじゃないけど、つまらないよね~

筆者
筆者

そおっすね~はっはっは・・・(oh…目の前におりますよ、当事者が・・・)

全身全霊の苦笑いが顔面に出ていないか、些か不安でございました・・・

でも、まさか当事者が目の前にいて一緒にメシ食ってるとは思いませんね。

「人生つまらない」と聞いた瞬間に筆者が感じたこと

悪意ゼロ、攻撃力限界突破

「恋愛しないって、人生つまんなくないですか?信じられない」のご発言を聞いた瞬間、一気に色々な思いや経験や辛さが筆者の頭の中を駆け巡りました。

筆者
筆者

流石にドキッともしましたし「なんじゃそりゃ」とも思いました。色々なツッコミも浮かびました。

人を好きにならないって、人生つまらない!?どういうこと!?意味が筆者にはわかりませんよ、同僚さん。

でも多数派の人からしてみれば、そう言うんだろうなー言われてしまうんだろうなー、なんても思っていました。

  • 「恋愛しないって、つまらない」と言う方は多くいるだろうし、その方の考え方を否定は一切しません。
  • 傷つける意図なく「恋愛しないなんて、つまらなくない?」という言葉を投げかけられる可能性も勿論あるとは認識していました。

しかし、筆者めがけてではないにしても、実際投げかけられると、ぐふぅ。。。とダメージが存外ありました。

でも誰にも言う予定はない「私はアロマンティック・アセクシャルです」という言葉。

何とも言えない感情を抑えながら、平静を保つようにしました。

平静を保てたのも、同僚②さんが良い人で印象も良く人間としてとても好きだからです。

筆者
筆者

・・・いや、本当にこのカテゴリーの「好き」は結構発生するのです。結構ホイホイ簡単に生まれるんですよね。。。

なぜ「人生つまらない」と言ってしまったのか?

傷つく人がいると思い至らない

あまりこんな表現は好きではないし、かつ適当でもないと思います。でも・・・

筆者
筆者

普通の人はやっぱりこう思うんだな~思ってしまうんだな~そして、口にするんだな~と思いました。

恋愛感情を抱けるAさん「最近、どお?」
恋愛感情を抱けるBさん「今は恋愛はいいわ~」
恋愛感情を抱けるAさん「恋愛しないって、人生つまんなくない?」

これは、恋愛感情がある者同士の些細な会話で交わされた言葉であり、Aさん個人からBさん個人へ投げかけられた言葉です。

筆者も「恋愛する人ならそうかもね」と思い流すことでしょう。

一方、同僚との会話で発せられた「恋愛しないって、人生つまんなくない?信じられない」という言葉。

こちらは個人から出た言葉には変わりありませんが、その言葉が向けられた先は個人ではなく、

  • アロマンティックという性的少数派に対して「恋愛しない人生はつまらなくないのですか?」と発した言葉であること。
  • 少数派といえども、名称がつく程度の人数はいる集団へ発した言葉であること。

発言をされた方、決して差別的な方ではありません。それでも口から出てしまった言葉。

筆者
筆者

なぜこのような発言に至ったのか、もう一つ考えてみました。

  • 発言がどれほど当事者を苦しめるか、傷つけるか、失望させるか、理解への諦めを助長するか、アロマンティック(アセクシャル含む)の認知度も理解度も低く、わからないから。
  • 本当に悪気なく鋭い言葉を発してしまうくらい、自身の世界とは違う世界だから。
  • 発言の当事者への影響を察することもできないくらい、難しいから。

人生の通常ルートを歩んでいる方からしてみれば、あまりにも自身の人生・感覚とかけ離れていて、あり得ないとしか思えないのでしょう。

あり得ないと思う事柄への配慮や関心は、当たり前ですが低いものかとも思います。

この記事は2本立て、後半部分があります

筆者
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恋愛ありきの世の中? – アロマンティック・アセクシャルは人生つまらない!? は二本立てでお送りします。

二本目では、時間をおいて筆者が感じたこと(アロマンティックとは理解されない人生だな・・等)や、なぜ「人生つまらない」の発言に至ったか、もう少し詳しく記載しております。

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