こちらの記事には要点をまとめた記事が別にあります。まず要点のみをご覧になりたい方は、こちらからご覧ください。
さて、この記事は筆者がネットで見かけた、とある記事に「アセクシャルの特徴」として挙げられていたいくつかの「特徴」について、筆者が思ったことを引き続き書いています。


この記事は筆者の思いのたけの4番目で最後の記事、前に記事は3つあります。
※そのネット記事では「アセクシャル=アロマンティック・アセクシャル」として、取り扱っているようです。
1つ目の記事「アセクシャルの特徴=過去の恋愛で嫌な目にあった」。
2つ目の記事「アセクシャルの特徴=趣味に夢中になっている」。
3つ目の記事「アセクシャルの特徴=恋愛ものを見ても何も感じない」。


最初の2記事については、否定的な意見を多く話しています。
ではアセクシャルの特徴として、続いて何が挙げられていたのか?
何かと言いますと「他者からの恋愛感情を受け入れられない/受け入れてあげられない」です。
アロマンティック・アセクシャルを自認している筆者が思う「他者からの恋愛感情を受け入れられない/受け入れてあげられない」について、書いて参ります。
大事な人がアセクシャルかも?お悩み一緒に考えます 彼氏/彼女/パートナーに不安や疑問を感じている方へアロマンティック・アセクシャルの特徴「恋愛感情を受け入れられない」


とあるネット記事に、アロマンティック・アセクシャルの特徴の一つとして挙げられていた「他者からの恋愛感情を受け入れてあげられない」。
今回は「他者からの恋愛感情を受け入れられない/受け入れてあげられない」に焦点を当てて行きますが、
まず、誤解を生まないためにアロマンティック・アセクシャルの概要をお伝えします。
アロマンティック・アセクシャルとは「他者に対して恋愛感情を抱かない、恋愛的指向(=アロマンティック)」+「他者に対して性的に惹かれない、性的指向(=アセクシャル)」をもった人を指します。
アロマンティック・アセクシャルとはどんな人のこと?については、こちらの記事でまとめておりますので、ご覧ください。
「他者からの恋愛感情を受け入れてあげられない」と、アロマンティック・アセクシャルの特徴としてパッと見た筆者が抱いた感想は・・・


その通りー!!「受け入れられない」「受け入れてあげられない」「受け入れてはいけない」と思っています。
アロマンティック・アセクシャル当事者として、筆者は「他者からの恋愛感情を受け入れられない/受け入れてあげられない」という事柄について、深く共感できます。


共感と賛同しかありません。
筆者の経験を主軸とした意見・考え・感覚が大半を占めるところですが、少しずつ考察します。
筆者の男性とのお付き合い経験について


アロマンティックって、恋愛感情ないんでしょ。それなのにお付き合いしたことあるの?


自身がアロマンティック・アセクシャルだと気付く前は、告白されたことをきっかけに、男性とお付き合いした経験があります。


しかし恋愛感情があったてお付き合いした訳ではありません。恋愛感情は「一切ない・一切生まれなかった」と言うべきです。


そして、現在進行形でお付き合いしている男性に対して恋愛感情を抱いていない状態は、お別れするまで(今現在も含めて)続きます。
アロマンティック・アセクシャル自認前であっても、そもそもアロマンティック・アセクシャルの気質を伴っているのだろうから、
筆者は誰かとお付き合いしたことないのでは?恋愛的に誰かを好きになって、良いなと思って普通はお付き合いするのでは?と疑問に感じる方もいらっしゃると思います。
一度もお付き合いした経験がないアロマンティック・アセクシャルの方もいるでしょう。


しかし筆者の場合、次こそは人を恋愛的に好きになれるのではないかと希望を持ち、男性とお付き合いした経験や、告白いただいてお付き合いした経験があります。
アロマンティック・アセクシャル自認前のお付き合いの経験もあれば、お付き合いしている最中に自認してしまい、その時の彼氏が人生最後の彼氏でした、という経験があります。


いやだからって、アロマンティック・アセクシャルなのに彼氏いたってどういうこと?それは本当に付き合っていたの?


最初は好きではなくても、徐々に恋愛感情が生れてきて、結果好き同士になったの?
こんな風に疑問に思われるのも当然だと思います。お付き合いとは通常このようなものなのでしょう。


筆者とお付き合いしてくれた男性は知る由もなかったと思いますが、筆者の場合、世間一般的なお付き合いと違ったと思っています。
- 告白されてお付き合いを開始し、かつ彼氏/彼女として友人達は認識していたので、はたから見てお付き合いしている状態には見えていたと思います。
- しかし、筆者の恋愛感情が伴ったことは一切ありませんでした。恋愛関係にあるとは決して誰にも言えません。
- 自認前は「今度こそ人を好きになれるのではないか」と、恋愛感情も何もないのにお付き合いをしていました。
- 「良い人」という感情がいつか「好き」という感情に発展してくれるのでは?と期待していました。(期待は全て実りませんでした)
- お付き合いしてくださった方を信頼していて、大事にすべき存在とは認識していたつもりです。
恋愛感情が筆者から生まれたことはありませんし、一般的な彼氏・彼女のお付き合いと言ってはいけないのですが、筆者もお付き合いという形態をとったことはあるのです。
(筆者に付き合わせてしまった男性には、貴重な時間を奪ってしまったと思っています)
恋愛感情を受け入れられない/受け入れてあげられない理由
筆者とお付き合いくださった男性は「好きという恋愛感情」を「筆者に向けてくれていた」と思います。
それに対し、筆者は「男性からの恋愛感情を受け入れられませんでした」「受け入れてあげられませんでした」「受け入れてはいけない」とすら思っていました。
なぜ筆者がそのように思ったのか、思っていたのか、アロマンティック・アセクシャル自認後の筆者が考え、こんな結論に達しました。
そんな行動をなぜとっていたのか、納得するために・納得させるために、過去の自分を説明してみました。


なぜ筆者は「他者からの恋愛感情を受け入れられないのか?」「受け入れてあげられないのか?」「受け入れてはいけないと思ったのか?」
- 同じ質(=恋愛感情)・同じ分量の気持ちを、筆者にしてくれたように男性にお返しできないから
- 嘘をついて恋愛感情を受け入れたら、筆者は男性の行為/発言を許容しなければならないから
- 嘘をついて受け入れるくらいなら、さよならでOKと思うくらい自己を防衛することを優先していたから
こんなことが「恋愛感情を受け入れられない理由」なのかと思うようにしていますが、なんとも自分勝手な理由を並べています。


皆、きっかけは人それぞれだが、好きな人ができて、お付き合いしている。


それがおおよその流れだと知っているけど、なぜか自分はその流れに乗ることができない。


ならば、お付き合いしていくうちに好きになれたら・・・
好きでもないのに付き合うな、これが正論ですが、今度こそ人を恋愛的に好きになれるかもと、もがいていた時期も長くありました。


さて、まずは「恋愛感情を受け入れられない理由」を「3つ」挙げました。
3つ目の「さよならでOKと思うくらい自己防衛を優先していたから」は、
自分が恋愛感情を受け入れて、様々なスキンシップを我慢し、恋愛感情が含まれた気持ちのやり取り、
一片も自身の心が伴っていない嘘の発言(好きです等)をするくらいなら、別れないと自身のストレスが膨大だから、別れる。
文章そのままですので割愛いたしますが、1つ目と2つ目について少し話してみます。
「同じ質」と「同じ分量」の気持ちを返せないから


他者からの恋愛感情を受け入れられない・受け入れてあげられない・受け入れてはいけない。
なぜなら、そっくりそのまま「同じ質」で「同じ分量」の気持ちをお返しできないから。
どんなにお相手が筆者に対して好意(=恋愛感情)を抱きながら大事にしてくれたとしても、筆者は同じだけの気持ちを返すことができません。
こんなに大事にしてくれると分かっているのに、筆者は何一つ気持ちが伴わない。
上辺だけの何の意味を持たない言葉を返すだけ。


大事にしてくれていると認識しているだけに、何も返せないのが辛い。罪悪感でしかない。
大事にしてくれるほど、筆者でも男性を大事にしたいと思います。
しかし、大事にしてくれる・したいと思うほど「同じ質の気持ち(=恋愛感情・恋愛的な好き)」を「同じ分量」返してあげられない申し訳さと罪悪感が、勝手に自身の中で育っていきます。
そして、最終的には申し訳なさから「いい加減お返ししなければ、でもできない。どうしたら・・・」と頭の中で、
「答えてあげたい気持ち」と「答えてあげるべきと思う気持ち」と「気持ちに答えるなんて絶対無理(心のバランスを絶対崩すから)」という気持ちが大喧嘩。
大事にしたい気持ち・義理・義務がどんなに強く主張しても、本能がどうしても恋愛を伴う感情を受け入れられない、受け入れるわけにもいかない、と止めに入ります。
嘘ついて受け入れる=別れるまで受け入れる必要があるから


文章にすると意味不明になりそうですが、言いたい内容としてはこんな事です。


好きだよ。


え、何でそんなこと言うの?私も好きって言わないといけなくなる・・・でも、私の好きはあなたの好きとは違う。


あなたは知らないでしょうけど、私はわかっている。えー好きって言いたくない、言ったらこの後ハグとかするの?それは嫌。


ありがとう。
結果「ありがとう」とだけ返事。(※お付き合い最中の話)「何言ってんだコイツ」と言われてしまいそうです。
でもお相手からの「好きだよ」に対して「私も好き」とたったこの一言、たったこの短い言葉さえまともに返すことができません。
なぜなら「好きだよ」たったこの一言に、筆者は戦慄して考えを巡らせてしまうからです。


どこまで想像してるの?(笑)想像力が豊か(笑)と言われたら、恥ずかしながら、おっしゃる通りとしか言えません。
私も好きですと返した後に発生しうる、是が非でも避けなければならない未来、自分の不用意な一言が巻き起こすかもしれない後悔に繋がる芽は、最初から摘んでおかないといけません。
だから、ありがとうとしか返せない。「好き」について否定もしていないけど、肯定もしていない。
期待された返事ではないことは十二分に分かっているけど、これくらいがちょうどよい。


自分が恋愛感情を抱いている訳ではないのに、お付き合いしている申し訳なさ、罪悪感が常に存在しているが・・・
- 自分もあたなが好きだと嘘をつくと、相手と同じ好きのレベルに立つことになる。
=同じの質の感情(=恋愛感情)・分量を私もあなたに対して持っていますよ、と言うのと同じ - 嘘でも好きと言ったのだから、相手が何かしようと手を伸ばして来ても、受け入れるのが自然の流れ。
だから相手があまり傷つかないように、最初からうまく避けなければならない。だから、ありがとうとだけ言う。
筆者を好いてお付き合いくださっている方へ、失礼極まりない発言群ですが、
本当に失礼だと自覚しているし、こんな気持ちのままお付き合いすることに疑問を抱いてはいるため、
筆者の辛抱と限界が早々に訪れ、お別れを切り出す。別れるより、恋人関係でいる方が比較にならない程つらい。


更に嫌なことを言うなら、男性と別れることは筆者自身に何らダメージを与えません。
逆にストレスが解消されるので、別れは良いことに分類される可能性すらあります。
筆者自身では「恋愛への嫌悪」「性的な事柄への嫌悪」はないと思っています。
しかし、その気持ちや感情が筆者に向けられたとき、筆者は自身にはない感情・分からない感情を許可なく向けられたとして、
逃げ出したい気持ち・心地よくないと思う気持ちが生れるような気がします。
まとめ
今回はネット記事に対する否定的な意見はありませんでしたが、自身の過去の行いへのツッコミは多数です。


本当に失礼だと理解しているのですが、それでも、誰かを好きになりたい/なれるのではという可能性に当時はしがみついていました。
まさか自身が恋愛感情を抱けない人・性的に誰にも惹かれない人とは、心から思わなかったからです。
アロマンティックかもしれない、アセクシャルかもしれないと、気づけるだけの情報もその当時はありませんでした。


筆者について言えば、他者らの恋愛感情を受け入れることはできません。
アロマンティック・アセクシャルは恋愛感情を受け入れられないの?と聞かれたら「筆者については、はい」と言います。


また、特徴と言われたとして違和感はありません。
- 他のアロマンティック・アセクシャル当事者については、恋愛感情を伴った好きを返せないことに負い目を感じるが、どうしても本能として/感覚として、受け入れがたいと感じる方もいるでしょう。
- 自身にはない感情を受け入れるのは、そもそも難しい。好きの認識の齟齬があった場合、お互いを傷つけかねないから、と感じる方もいるでしょう。
恋愛感情を受け入れられるとおっしゃる方もいるとは思います。
また、恋愛感情を返さなくても良いと言ってくれるパートナーがいる方、人それぞれです。
それぞれとは思いますが、どうしても恋愛感情を受け入れがたい筆者は負い目と罪悪感を強く感じてしまいます。
恋愛感情を返してくれなくても良い・性的な関心を寄せてくれなくても良い・苦手なら恋愛感情や性的な関心が込められた言動を一切しない、
そんな方が現れたとしても、そこまで想ってくれるのは有り難いけど、恋愛感情も性的な関心も寄せてくれる人はたくさんいるから、私以外の可能性を探してほしい。
通常味わえるような経験を私と付き合うことでできなくなる、不幸にさせている気しかしない。
話が逸れてしまいました。。。さて、なぜアロマンティック・アセクシャルは他者からの恋愛感情を受け入れられないかと言うと・・・
- 好きと言われても、同じ質の感情や気持ちを伴わせて、相手と同じ量で好きと返してあげられないから。
- もし好きと嘘を言った場合「好き」という言葉が生む相手の行動、例えばスキンシップや恋愛感情の伴った気持ちのやり取りなど、継続的に受け入れなければならないから。
- 受け入れるにしても膨大なストレスと闘いながらの我慢、もしくは最初から上手にかわし続けなければならない。
- 嘘をついて自身の辛さが増すのなら、別れた方が楽と思うくらいの気持ちが大きい。自己防衛の方が当たり前のように優先される。
アロマンティック・アセクシャルの特徴としての「他者からの恋愛感情をあげられない」が挙げられること、筆者の共感は120%です。
念のため、アロマンティック・アセクシャルが付き合ってはいけないと、発言している記事ではありません。
アロマンティック・アセクシャルのお付き合いは、お相手の理解と許容・当事者の歩み寄りと許容、それぞれが非常に必要になると察しますが、否定しているものではありません。