泊りがけの旅行がきっかけで、筆者は自身のセクシャリティを認識することができました。

今までのモヤモヤが全て解決!私はアロマンティック・アセクシャルだー!
泊り旅行がきっかけで、自身がアロマンティック・アセクシャルと気づいた出来事はこちらに書いてあります。
筆者は「恋愛感情を抱かない」かつ「性的に惹かれない」指向の持ち主でした。
さて、自身の認知ができて嬉しいのは確かですが、事態はそれだけでは終わりません。
逆に自認できただけに、泊り旅行についての対処をどんなに考えても、どう対処したら良いかわかりません。


困った、非常に困っています。


彼氏と泊りの旅行ってこんなに気が重くて、どうしたらキャンセルできるか考える事だったのか。。。
いよいよ八方塞がりの今より少し若めの筆者。
また、本当にアロマンティック・アセクシャルか自信もない筆者。
ここでしっかり自認できるか、できないのか。自身の人生大いに変わって参ります。人生のターニングポイントです。
そんな折、心にわいてきた「診断してほしい」「誰かにあなたはアロマンティック・アセクシャルだ」と言ってほしいという気持ち。
筆者は匿名で相談できるサイトに悩みを相談、その結果を得て、初めて心のお医者さんへ行くことに決めました。
相談サイトへ「アセクシャル」について相談
確か「私の考え方や感じ方はアセクシャルなのでしょうか」こんな感じでお尋ねした記憶があるような・・・大分記憶が薄れていますので、ふんわりした書き方になります。
また、アロマンティックという言葉はまだ知らない状態です。
アセクシャル=本当は「他者に対して性的に惹かれない意味のみを指す」とは情報不足で気づいていません。


大分記憶が薄れているといいながら、相談サイトでの自分の気に入らない回答はある程度覚えております(笑)。
「私の考え方や感じ方はアセクシャルなのでしょうか」に対しての回答としては、励まし系の回答がほとんどでした。
せっかく助言をしてくれている方に対して大変失礼ですが、その当時の筆者としては(現在もですが)あまり響かない回答だったかと思います。
相談サイトに投稿した時期は少々前になりますので、アセクシャルという指向そのものが日本で発信され始めた頃なのか。。。
回答内容を思い返すと、回答者の皆さんの知識もバラバラ、アセクシャルを初めて知るくらいの方もいるのでは?むしろ知らないのでは?と思うくらい、ばらつきがあったように伺えます。
また、当たり前かもしれませんが、ご自身の得意/専門分野を筆者の質問への回答の切り口にしているようでした。
「私はアセクシャル?」という相談への回答たち


筆者の質問への回答はこを具体的にお話いたします。こんな感じの回答だったはずです。
- トラウマあるんじゃない?その症状を改善したければ、カウンセリングとか良いかもよ。
- そんなに気にしないでいいじゃない。あなたはあなたでいいじゃない。自身をもって!
- ご家族はあなたが幸せになることを望んでいます。恋愛できない自分に固執しないで心を解放してください。
- 彼氏が欲しいと思わないの?結婚したくないの?同性だったら好きになったりするの?
- 自分の指向を知ることが、あなたの一体何の役に立つの?人生は自分で切り開いていかないと。
- 焦らなくても大丈夫だよ。


ち、ち・・・ちがーーーう!!(憤怒)
聞いておきながら申し訳ありませんが、ちがーーーう!!


失礼な話ですが、正直、書き込んだことは時間の無駄だったと思いました。
そもそも、お医者さんではない人は診断ができない・してはいけない、だから誰も筆者のことを「あなたはアセクシャルです」と診断できないことは知っていましたが、
驚くくらいどのご回答も心には響きませんでした。
自分が求めている答え以外は耳に届かない、なんて狭量なことはしないと思っていたのですが、
ここまで方向性が違う回答が届き、わからない人にはわからないと、知識不足・心の整理不足の筆者でも実感しました。


少しでもの支えになるどころか、言い返したくなる回答の方が多く・・・
ネットのでの相談は見事に砕け散りましたが、今度は「診断ができる」お医者さんへ相談してみます。
心のお医者さんへ「私はアセクシャル?」と相談
お医者さん選びはなかなか慎重になってしまいます。
お医者さんのご専門もあるでしょうし、お支払いも発生しますので、間違えたくないところ。
かと言って、自宅や職場から近い所も、できれば避けたいところです。
市内にある数は思っていたより多かったのですが、色々こちらの希望をかなえるとなると・・・


!?おっと、ありました。ちょうど良さそうなお医者さん。
予約を入れるために初めて心のお医者さんへ電話してみます。少しドキドキ。


はい、〇〇〇〇でございます。


すみません、初めてなのですが予約はできますでしょうか。


勿論でございます。それでは・・・
無事に予約は完了。驚きました、受付の女性のお声の優しいこと優しいこと。
確かに心の事で相談したい方が行くところですから、ぶっきらぼうな応対なんてあり得ないのでしょうが、丁寧に接して頂けたことに感謝しながら当日を待ちます。
心のお医者さんへの相談当日
とある場所のとあるビル。ビルの入り口まで筆者は到着しました。


正直なところ、え?このビルに入っているの?まじで?
という感じの年輪のある建物だったのですが、ビルに入る瞬間は見られにくそうで、わかりにくいというのはお気遣いないのかもしれません。
それではエレベーターに乗り込みます。エレベーターのドアが開いた先は、お医者さんのエントランスが。フロア全体を借りていらっしゃる様子です。


このドアの先はどうなっているのだろうか?
- 心のお医者さんだから、もしかしたら錯乱している人もいるのだろうか?
- もしかしたら、粗野な行動を取ってしまう人も待合にいるのだろうか?
なんか勝手に筆者はかなり荒んだ現場を想像していました。でも、ドアを開いた先の現実は違いました。
- なにここ綺麗~おしゃれな内装~
- 座り心地良さそうなソファーや椅子たち~全部おしゃれ~
- なんかおしゃれなテーブル、クッション、調度品~
- 待合にいる人も、内心は本人にしかわからないけど、何事もなさそうに座っています


何を想像していたんだと、少々恥ずかしくなりました。
受付の優しそうな女性から問診票を渡されて、書き込みます。
詳細の記憶はないのですが、心の悩みですので自由記述の欄が非常に大きかった記憶があります。筆者は思いのたけを書き綴ります。
- 人を好きになったことがない。一度もない。
- 最近、アセクシャルというものを知った。私はアセクシャルなのだろうか。
- それとも、(ないと思うが)まだ私は人を好きになったことがないだけなのか?異性が苦手なだけなのだろうか?
要約すると、こんな感じのことをひたすら書いたと思います。受付の方に渡して順番を待ちです。
お医者さんとの対面


・・・初回のせいか、予約していた時間より2時間待ちました。
さすがに「腹が減った、辛抱たまらん」と途中で帰ろうかと思ったのですが、ここで帰ったら二度と来ないような気もして我慢です。
気づけは筆者が最後の待合の人になっていました。そして呼ばれる筆者の名前。


失礼します、よろしくお願いいたします~
と言いながら筆者、相談室(?)へ入ります。そこには柔和に見える先生が座っていらっしゃいました。
やはり内科とかと違って雰囲気が異なりますね。感覚としては来賓室に通された感じです。
先生の椅子と相談者の椅子が若干離れているのは、相談者が突然動き出した際など困るからだろうか・・・など相談内容とは別の事も考えていました。
やっと診断してもらえる?お医者さんと話してみる


まずは先生が話を切り出してくれました。


ご自身がアセクシャルかもしれない?人を好きになったことがないと悩んでいる?


はい、そうです。


30過ぎても好きな人ができなくて、自分がおかしいと思ってきたのですが、
先日アセクシャルという指向を知りまして、少し相談したいと思ったので来ました。


30過ぎても好きな人ができないとなったら、違和感があるでしょうね。


はい。友人に相談しても「出会っていないだけ」や「本気で好きになったことないだけだよ」と言わるのですが、どうも違う気がして・・・
まずは筆者が悩んでいる内容を口頭で聞くといった感じです。
流石はプロフェッショナル、話しやすい雰囲気を作り上げてくれます。
そこで先生が話の方向性を切り替えました。「ああ、これの気(=あまり書いてはいけない言葉かもしれません)があるのか確認しようとしている」と分かったのですが、偽らず正直に回答します。(全て正確な記憶ではありません)


忘れっぽいとかありますか?それが続いたり、それが原因で会社や友人関係に支障がでたことはありますか?


ないです。


些細な間違いを良くしますか?同じことを間違えるとか。それが原因で会社で困ったことはないですか?


ないです。


睡眠はとれていますか?


良く寝てよく食べます。日中眠くて仕方がないは、ありません。


それは結構なことですね。
恐らく、大人のそちらの気を確認したのでしょう。
子供の頃も「忘れ物や同じミスを繰り替えす」、この手の事はしていないと思っていますが、子供のころの筆者はもしかしたら、その毛が大いにあったのかもしれません。


触られるのが、とても苦手なようですが・・・


はい。書いた通り強い拒否反応を感じることがありますが、過去のトラウマがあったかどうかは分かりません。覚えている範囲ではありません。


彼氏はできたことあるんですか?


はい、今もいます。


好き?触られるのは嫌?


正直、人間として良い人で信頼しているが恋愛感情はない。また、できれば触ってほしくないです。


でもどうしても対応しないといけない時あるでしょ?その時はどう思うの?


可能な限り逃げるか、かわすようにはしています。どうしようもないときは、嫌々受け入れることもあります。
と、ここまで恐らく30分くらいは実際話していたようです。
もしかして初めての来院で話を聞くのが長くなりそうだから、最後に回したのかな?


もしかしたら、〇〇〇の気があるのかもしれないけど、話を聞いた感じ・態度を見た感じだと、とてもじゃないいが〇〇〇とは言えません。


はい。


好きになれないと言うけど、お母さんは好き?ご家族は好き?


大好きです。本当に好きです。


それは良かった!


今回話を聞かせてもらいましたが、あなたをアセクシャルだと僕は診断できません。


勿論、アセクシャルではないと言っているわけではありません。


そうですか・・・そうですよね。でもお話聞いて頂けてスッキリしました(嘘)。ありがとうございます。
まとめ
この頃の筆者はアセクシャルだと「診断して欲しい」「振り分けてほしい」という気持ちが非常に強くありました。
今まで行き場のない感情を抱え続けたせいか、自身の立ち位置がなかったせいか「あなたはアセクシャルです」と誰かに言ってほしかったのです。
残念ながら、相談サイトと先生とのお話ではこの希望を叶えることはできませんでした。


今の筆者は少し成長しまして、セクシャルティは自認するものである。
自分かアロマンティック・アセクシャルだと思ったら、そうであり、それで良い。


誰かに言ってほしい気持ちや診断してほしい気持ちはわかるけど、結局行き着く先は「自認」なんだろうと思えています。
今となっては、こんな風に落ち着くことができましたが、そりゃそうですよね。
自分の指向(しかもマイナーな)を知った瞬間は、本当に自分はそうなの?そうだと思うけど本当に?誰か教えて!と疑問や不安が多いでしょう。
先生との会話は無駄だなんて今でも一切思っておりませんが、ただ当時の筆者には少し不満が残るものでした。


あまりどれも参考にはならなかった。。。お泊り旅行どうしよう・・・