こちらの記事は「スキンシップが苦手な彼女はアロマンティック・アセクシャル?」の3つ目の記事で最後の記事です。
「スキンシップ」「彼女」「苦手」だけをキーワードとして考えると、どうしてもスキンシップが苦手と考えられる原因が多岐に渡ります。


この記事では彼女がアロマンティック・アセクシャルという前提で、話を進めていきます。
前の2つ記事では「スキンシップが苦手な彼女はアロマンティック・アセクシャル?」だったとしたら、彼氏さんはこんな疑問を抱くのではないかなと考えました。
- アロマンティック・アセクシャルなのに、なぜ自分と付き合っているのか?
- 自分のことが嫌いなのか?
- 嫌いではなくても、好きではないんでしょ?だからスキンシップが嫌なのか?
- このまま自分が我慢するしかないのか?ずっとこのままなのか?
- 将来のことをどう思っているのか?
そして、1つ目と2つ目の疑問について、それぞれ回答してみました。
書いている本人も、なんやみもふたもない事を言ってるな・・・と思う箇所もあるのですが、誠実に考えておりますので、是非ご覧ください。
では、三つ目以降の疑問。
- 嫌いではなくても、好きではないんでしょ?だからスキンシップが嫌なのか?
- このまま自分が我慢するしかないのか?ずっとこのままなのか?
- 将来のことをどう思っているのか?
「結局のところ、僕が我慢するしかないのか?」について、最後に考察したいと思います。
大事な人がスキンシップ苦手、お悩み一緒に考えます 触られるのが苦手な彼氏/彼女/パートナーをお持ちの方へ彼女とのスキンシップは我慢するしかないのか?
文頭から申し訳ありませんが、こちらの記事も下記にご注意してご覧くださいませ。


スキンシップが苦手なのはアロマンティック・アセクシャルだから、でまず認識しておくけど・・・


アロマンティック・アセクシャルだからスキンシップが苦手。じゃあ、こっちが我慢するしかないの?


・・・・・(正直どう答えたら良いかわからない。)
スキンシップをしたい側がスキンシップが苦手な側へ、スキンシップを強いている人にするつもりはありません。
しかし、スキンシップが苦手な側がこのようなことを書くと・・・
「こっちだってスキンシップを我慢している時があるん。お互いさまでしょ?あなたも我慢してよ」と「我慢できない側を悪者にしがち」なニュアンスが漂ってしまいます。
また「スキンシップ苦手な私が悪い」「答えてあげられない・傷つけたくない」「でも本当の気持ちとしては触らないでほしい」と自分が悪い悪いと考えてしまうのも事実。
「触りたい人」と「触られたくない人」の間でのスキンシップに対するベクトルが真逆のため、気持ちが重なることが難しい。
気持ちを向けたとしても、返してくれない。気持ちが向けられたら、返せない。この状態だとお互いの気持ちが離れていく理由にもなってしまいます。
スキンシップが苦手な側にとって戸惑う気持ち「触りたいし、触ってほしい」「スキンシップをしてきれてくれた嬉しい」。
この気持ちが彼氏彼女の関係でも、ご夫婦でも、パートナー関係でも、ごくごく通常・不自然ではない気持ちであること。
苦手な人もいるのは分かるけど、でも気持ちとして・希望として抱くことは、なんら問題ない気持ちであること。
しかし、苦手な側は「自分ではあまり抱かない・一切抱かない気持ち」であったりします。


筆者の場合は、触りたいとも一切思わない、触られたくないし、触らないようにしていると言った方が適切です。
スキンシップしたい側の我慢




彼女はスキンシップが苦手で、どうやらアロマンティック・アセクシャルのようだ。


こんなことを言われたのは初めてで、どうしたら良いかわからない。


でも、彼女のことが好きだから、嫌と思うようなことはしたくないし、嫌われたくもない。
好きになった人のことを大事にしたい傷つけなくない、この関係を大事にしたいと思っていらっしゃると思います。
しかし、スキンシップしたい側の気持ちとしては・・・
- 大事だと思っているから、好きだからスキンシップしたい
- スキンシップしたい理由が、下心だけだなんて思わないでほしい
- そもそも好きだから触りたいし、この気持ちはそんなに変なこと?受け入れてもらいないこと?


筆者にはない感情・感覚ですが、多くの方が抱く通常の気持ちであると認識はできています。
アロマンティック・アセクシャルの当事者も、誰かがこのような感情を持つことに対して「自分の世界にはなくても、そんな人もいる」と思われている方が多いと思います。
しかし、まさか自分が好きになって付き合った彼女がアロマンティック・アセクシャルでスキンシップに苦手意識があったり、実際苦手であるようだとわかったら?


彼女が大事であるからこそ、嫌がることはしたくない。嫌われたくもない。
心を開いてくれるまで、もう少し様子をみよう。それまで少し控えよう。
彼女のことが好きなら、多分彼氏の皆さんはこんな風に思って、彼女さんを気遣ってくれるのでしょう。
スキンシップしたくない側の我慢




私は彼氏がいるけど、アロマンティック・アセクシャルでスキンシップが苦手と思っている。


恋愛感情はない、と言った方が正しいかもしれない。でも、彼のことを大事に思っている。


嫌われたくない。でも、スキンシップは苦手。でも嫌われたくないから、できる限り受け入れたいけど・・・
私はアロマンティック・アセクシャルだが、相手を信頼している。大事に思っている。この関係を続けていきたいと思っている。
- スキンシップは苦手だけど、私の考え方の方が少数派だからスキンシップは受け入れないと
- このスキンシップの行きつく先は、私がなんとか許容できる内容だろうか不安
- いつまで我慢できるのだろう・・・


筆者の場合、彼氏と一緒にいる際は、触られないかどうか常に気にかけていたような記憶があります。
- 信頼している相手なのに、触られるのが嫌だから常に若干間を置く。
- 信頼している相手なのに、スキンシップが始まって止まらなくなるのが嫌だから、そんな空気には絶対させない。
- 信頼しているのに、信頼していないと言われても仕方ないことをしているのかもしれない。
- その結果、罪悪感ばかりが募っていく。
筆者の場合の話ですが、お付き合いする時間が長くなればなるほど、こんな気持ちが増していきました。
彼氏が優しくて気遣ってくれる方だったので、なおさら、筆者のためを思ってスキンシップを我慢してくれていると認識しており、
どんどん申し訳なさ過ぎて、でも自分はスキンシップに答えられず、辛くなっていきました。
アロマンティック・アセクシャル当事者でもスキンシップへの温度差はあるかと思いますが、
彼氏と彼女、お互いの気遣いという名前の我慢がどんどん溜まっていきます。
関係を続けた場合の「将来の不安」と「我慢の行きつく先」
アロマンティック・アセクシャルであったとしても、彼氏を大切に思っており関係を続けたいと思っていること自体は嘘偽りない気持ちです。


私にここまで付き合ってくれる人だから、もしかしたら結婚もあり得るのかな?


勿論、将来のことを真面目に考えます。
アロマンティック・アセクシャルのお付き合いへの決断や覚悟は毛色が違うものがあると思います。
自認している場合、自分がスキンシップ・恋愛感情・性的な関心に関しての感覚が同じ立場以外の方とはどうしても異なるため、自分もお相手も消耗する/させることがわかっています。
通常のお付き合いなら、あまりないであろう心配事が待ち構えています。


でも、この人となら関係を続けたい、築いていきたいと思うから、消耗を乗り越えてお付き合いしたいと思います。
偉そうに言っておきながら、消耗を乗り越えられなかった筆者がおりますし、消耗させられるお相手はたまったものではないですね。。。
でも決して、将来のことをないがしろにしていたり、どうせ別れると不誠実にお付き合いしている/してきた訳ではありません。
恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれない、アロマンティック・アセクシャルだからといって、彼氏や自身の将来のことを何も考えずにお付き合いするわけではありません。
アロマンティック・アセクシャルの不安と罪悪感
彼氏や自身の将来のことを何も考えずにお付き合いするわけではない、変わりようのない事実ですが、
彼氏との将来を真面目に考えれば考えるほど不安になる要素がどんどこ浮かんできます。
- 子供はどうするの?
- 結婚したら、アロマンティック・アセクシャルが治ると思われないか
- スキンシップについてはお互い我慢をしあうのか
- どこかでスキンシップの折り合いを見つけられるのか、見つけられないのか
- 相手と同じ質の気持ち(=恋愛感情)に対して、同じ気持ちで返すことができないことが申し訳ない
- アロマンティック・アセクシャルと共に生きていく方は辛くないのか、不幸せにしてしまうのではないか
- お相手の我慢の限界が訪れた際、自分が答えられるのか、別れるのか
- そもそもアロマンティック・アセクシャルが多数派の方とお付き合い/結婚なんて夢みるべきではなかったのではないか
- 世の中にはスキンシップを返してくれる方がたくさんいるから、いつか気持ちが移ってしまうのではないか
等々、世の中の大多数側に立っている方との将来について真剣に考えると、自分のせいでお相手の貴重な時間を台無しにしている。
私ではなかったらもっと我慢することなく生活できるのではないかと思うことが多いです。
アロマンティック・アセクシャルであり、感覚や考え方が異なるからと言って、将来のことを不誠実に考えているわけではありません。
自身の性質を知っているからこそ、それが原因で訪れる可能性がある軋轢をよく考えます。


筆者の場合は、自分の消耗とお相手の時間を奪っていること、自身が答えられないお相手の感情を台無しにしている気しかしなくて、お付き合い/結婚は諦めました。
仮に「恋愛感情を返してもらわなくても良い」「性的に惹かれなくてもよい」、「このままの自分で良い」とおっしゃって頂けたとしても。
- アロマンティック・アセクシャルである筆者を受け入れるから
- アロマンティック・アセクシャルである事実を変える必要はない、僕が変わるから、受け入れるから
ここまで思ってくれる方がいらっしゃったとしても、その気持ちに甘えたくても、すがりたくても、とても嬉しいと思っても、
筆者の場合は、相手に対しての申し訳なさや罪悪感が消えることはないので、一緒にい続けることが難しくなると思います。
あくまで筆者の感覚ですので、ここまで受け止めてくれる方ならと一緒にい続ける選択をする方もいらっしゃるとは思います。
まとめ
気づけは、話し合いが必要だとか、折り合いがつけられればなんて、安直な終わり方になってしまいました。
問題が発生したとして、お互いを大切に思っていて関係を続けたいのであれば、お互いが話し合わなければならないですよね、と当たり前のことをただ言ったような気がします。
スキンシップが苦手な彼女はアロマンティック・アセクシャル?として「スキンシップが苦手なパートナーがいる方の悩み」や、
「アロマンティック・アセクシャルでスキンシップが苦手と悩んでいる方」への、アロマンティック・アセクシャル当事者の1つの考え・経験談としてお話したかったのですが・・・
いずれにしても、一度まとめたいと思います。
スキンシップ苦手な彼女が実はアロマンティック・アセクシャルであり、その彼女が相手に思うこととは・・・


あなたのことは決して嫌いではありません。嫌いであったら一緒にいるはずがありません。
- あなたのことを信頼していて、大切に思っています。こんな私に付き合ってくれるあなたに感謝しています。
- でも、あなたの思っている「好き」と私の「好き」は違うのでしょう。
- そして、私のあなたが大切という気持ち・好きという気持ちでは、あなたを満たすことができないのかもしれません。


あなたは心から信頼できる人です。
- あなたとの関係をくずしたくないのは本当です。でも恋愛感情が含まれない私のこの気持ちでは、あなたを繋ぎ止めておくのは難しいのかもしれません。
- 世の中にはあなたの思う「好き」に対して同じ種類の「好き」で返してくれる方はたくさんいます。
- あなたのスキンシップに何ら疑問を抱えることなく、嬉しいと受け入れてくれる方はたくさんいます。


あたなに我慢を強いていると思います。
- あなたを悪者にするつもりは一切ありません。他の人が当たり前にできることが私には難しいことが原因の一つです。
- お互いの我慢ばかりが蓄積していきますが、どうしたら良いか私もわかりません。
- 色々事情を話して関係をより良くしたいけど、カミングアウトも勇気が必要です。


将来のことをないがしろにしていません。
- 自分も消耗する可能性があり、相手も傷つける可能性があるので、簡単にお付き合いはできません。
- でも、あなたと一緒にいたいと思ったのでお付き合いしました。
- でも、私と一緒にいることで大事なあたなを不幸にさせるのではないかと不安です。
この3つの記事を書いてきて、当事者である筆者は改めて気づかされました。
大事に思っているのに、お相手の気持ちに答えきれない・満たしきれない理由にアロマンティック・アセクシャルがなってしまうこと。
答えようとしたら自身が大崩壊しそうなので、どうしても答えられない。感情・指向の違いに本当に気づかされました。
- 救いがない話になってしまいましたが、あくまで筆者の主観が多く含まれています。
- アロマンティック・アセクシャルである相手を受け入れてくれる方がいて、当事者も関係を続けたいと思ったら、関係が存続されることも十分にありえるのでしょう。
- この記事を読んで、彼女が似た様な行動や感覚をもっていそうに見えても、アロマンティック・アセクシャルかどうかは彼女にしかわかりません。


アロマンティック・アセクシャルではない、スキンシップが苦手な原因が別にある可能性も、どうかお忘れなくお願いいたします。