「墓じまい」を考えた場合「新たな納骨先の候補」として「納骨堂」と同じように「樹木葬」を候補に挙げる方はたくさんいます。
- 普通のお墓より、管理が楽って聞いたから
- 普通のお墓より、費用が控えめって聞いたから
- お寺さんとの付き合いが、なくなるはずだから
気になるけれども、樹木葬について費用や種類、メリットやデメリットの詳細を把握している方は、少ないかもしれません。
日常生活でお墓について日ごろ考えることもないので、もちろん当たり前のことです。
しかし、全ての方にとって、また筆者のように「独身・子供なし・一人っ子」の方にとって、実は「墓じまい」は身近なもの。
現代のライフスタイルでは、お墓を継いでくれる人にも「自分の生活や都合」があります。
この記事では「墓じまい」を考えている方・気になる方へ「樹木葬」について、説明します。

この記事でお伝えすることはこちら。
- 樹木葬とは?どんな種類があるの?
- 樹木葬の費用は?管理費は年間どれくらい必要?
- 納骨堂との違い・共通点はあるの?
- メリットとデメリットは?
- 宗教は関係あるの?宗教で入れないこともあるの?
- お参りする時のマナーやルールは?
- 樹木葬の契約手順はどうしたら良いの?
- 一人っ子でも大丈夫?・継承者や管理者は必要なの?
墓じまいを考える筆者は、こんな状態です。
- 30代、一人っ子の女性です。
- 母と同居中。父と祖父母は他界しています。
- 理由があって、生涯独身の予定です。
- 墓じまいを考える理由はこちらの記事に書いています。
(なぜ生涯独身なのか?理由はこちらに書いています。好き嫌いが分かれる内容なので、ご興味ある方だけご覧ください。)
樹木葬とは?

「霊園・墓地として許可を受けた土地に、ご遺骨を収蔵し、墓石に代わるものとして樹木を墓標とする」ご供養方法を樹木葬と言います。
一般墓やの納骨堂の霊園・墓地 施設管理者は「寺院」「公営」「民営」などありましたが、樹木葬も同様です。
お寺さんが管理している樹木葬・自治体が管理している樹木葬・民間が管理している樹木葬があります。
全て同じ作りではありませんが、霊園・墓地の中に「一般墓エリア」「樹木葬エリア」「納骨堂エリア」「他のご供養方式のエリア」とエリアごとに分かれていることが多いです。
エリアは広く、自分のお墓以外はあまり立ち寄りませんので、他のエリアを目にする機会も少ないかもしれませんね。

そして、一口に樹木葬と言っても「種類」はいくつかあります。
- 都市型の樹木葬 (庭園型・公園型の2タイプがある)
- 里山型の樹木葬
樹木葬に詳しくない場合でも、庭園型・公園型・里山型と言われたら、なんとなくイメージが湧きやすいかもしれませんね。
まずは、簡単に「都市型」と「里山型」についてお話します。
都市型の樹木葬とは?

ざっくばらんに言うと、街中にある樹木葬霊園・墓地のことです。
都市型の樹木葬とは、街中のアクセスの良い場所にある樹木葬霊園・墓地、もしくは寺院などの墓地区画の中にある樹木葬エリアを指します。
里山型と比較して、トイレや休憩所のような施設設備が充実していることも、特徴です。
里山型の樹木葬とは?

一口で言うと、自然豊かな山林にある樹木葬霊園・墓地のことです。
里山型の樹木葬とは、墓地・霊園として使用許可を得た山林に、ご遺骨を埋葬するタイプの樹木葬です。
都市型と比較して、トイレや休憩所のような施設設備は、完全に整えられているとは限りません。
樹木葬の種類とメリット・デメリット

樹木葬は大きく分けると「都市型」と「里山型」の2つに分けられますが、特徴により、もう少し細かく分けられます。
- 庭園型の樹木葬 (都市型)
- 公園型の樹木葬 (都市型)
- 里山型の樹木葬
では、それぞれの樹木葬について、雰囲気とメリット・デメリットを説明します。
庭園型(都市型)の樹木葬

シンボルツリーや花や木々などの植栽に囲まれた、まさしく庭園の雰囲気がある樹木葬が「庭園型」です。
「庭園型」の樹木葬は「都市型」の樹木葬。
色鮮やかな花木に囲まれ、お手入れの行き届いた「庭園」を彷彿とさせる樹木葬です。
- 花や樹木で彩られ、色味も華やか。ガーデニング型と呼ばれることも。
- 場所によっては、ガゼボや洋風の設えが施された西洋庭園の霊園もある。
- 一方、シック・和を漂わせる落ち着いた雰囲気の霊園もある。
- 庭園というくらい美観には気を使っているので、区画としても整備されている。
- 限られたスペースでも、開放感があり自然に囲まれている。
- メリット
- 開放感があり、見た目も華やか、管理も行き届いている。
- 洋風な樹木葬・和風な樹木葬など、好みを選択できる。
- 都市型の樹木葬のため、交通のアクセスが良い場所にある。
- 休憩所・トイレ・売店や物品の貸し出しなど、施設・サービスが充実している。
- デメリット
- 庭園型はガーデニング型と呼ばれることもあるが、自分でガーデニングできるわけではない。
- お参りしたタイミング・季節・時期によっては、(管理はしていても)花木が枯れていることもある。
- 敷地には制限があるので、里山型や公園型と比較して狭いと感じる方もいる。
公園型(都市型)の樹木葬

整備された芝生や樹木とシンボルツリー、綺麗な公園の雰囲気がある樹木葬が「公園型」です。
「公園型」の樹木葬は「都市型」の樹木葬。
お手入れの行き届いた整備されている緑にあふれた公園を彷彿とさせる、樹木葬の1つのかたちです。
- 庭園型よりも、色味は比較的落ち着いているイメージ。
- 一方、季節に応じたお花やバラ園のように、華やかさを演出してくれる場所もある。
- シンボルツリーには、桜や紅葉・栗・ハナミズキなど、墓標として存在感のある大きな木々がある。
- 敷地内には噴水やベンチがある場所もあり、木々に囲まれた公園の中を散策しながらお参りができる。
- 庭園型と比較して、敷地は広い。
- メリット
- 芝や木々に囲まれ自然を感じることができ、また施設としても整備されている。
- 休憩所・トイレ・売店や物品の貸し出しなど、施設・サービスが充実している。
- 都市型の樹木葬のため、交通のアクセスが良い場所にある。
- デメリット
- 季節により、景観が大きく変わる。(例:シンボルツリーが桜で、冬にお参りした時)
- 敷地には制限があるので、里山型と比較して狭いと感じる方もいる。
里山型の樹木葬

郊外の自然豊かな山林にあり、まさしく自然に還る雰囲気のある樹木葬が「公園型」です。
里山型の樹木葬は、都市型の樹木葬と異なり「街から離れた自然豊かな場所」にあります。
広大な敷地の中で自然と共に眠り、土へ還る色合いが強い樹木葬です。
- 山林の自然を使うので、庭園型や公園型と比べて色味は控えめ。
- シンボルツリーの周囲にご遺骨を納めることもあれば、自然に生えている木々を使用することもある。
- 雄大な自然と・広大な敷地を活かし、一区画あたりの面積が、都市型よりも広くとられている。
- 自然を活かすために、整備は最小限に留めているところもある。
- メリット
- 敷地が広大なため、区画も大きく、ゆったりとしたスペースで眠れる。
- 自然に還る色合いが強いため、そう希望する方にとっては希望が叶うご供養方法となる。
- デメリット
- 山林にある樹木葬霊園のため、交通のアクセスが悪い場合が多い。
- 距離が問題で墓じまいを考えている方にとっては、いくら近くの山林といってもお参りが難しい場合がある。
- 休憩所・トイレ・売店や物品の貸し出しなど、施設・サービスが完備されているとは限らない。
ご遺骨の埋葬方法とメリット・デメリット

樹木葬の種類は「庭園型」「公園型」「里山型」の3つですが、ご遺骨の収蔵方法は異なるのか?
納骨堂の記事では、個別に納めるタイプや合祀タイプなど、いくつか種類があると紹介しました。
樹木葬も同様に、ご遺骨の埋葬方法は異なります。
- 合祀型
- 共同埋葬型
- 個別型
上記以外にも「集合墓」というタイプの樹木葬もあります。
しかし、複数の会社さんのホームページを確認したところ、特に「集合墓」の定義に揺らぎ・幅があるように伺えました。
「集合墓」については、必要に応じて都度補足を入れたいと思います。

では、れぞれの埋葬方法について、説明します。
合祀型

ご遺骨を骨壺から取り出し、血縁関係のない方のご遺骨と一緒に供養する方法が「合祀型」。
墓標としてのシンボルツリーは、共有されることが多いです。イメージが湧きやすいように例を挙げると・・・
- 大きな桜のシンボルツリーの下(近く)に、ご遺骨を収蔵するスペースがある。
- そのスペースには、あなたやあなたのご家族のご遺骨だけではなく、他の方のご遺骨も納められていく。
このようなご供養方法が「合祀型」です。
骨壺から取り出したご遺骨ですが、施設によっては「自然に還る、さらし木綿の納骨袋」などに、ご遺骨を移して埋葬する方法もとられています。
続けて、合祀型のメリット・デメリットを紹介します。
- 納骨堂と同様に、合祀する場合は、比較的安価・費用を抑えられる。
- 年間管理費がいらない場合もある。
- ご遺骨は他の方と混ざっていくため、納骨後にご遺骨を個別に取り出すことができない。
- 人によっては、血縁関係のない方とご遺骨が混ざることを快く思わない方もいる。事前の相談と合意が必須。
- 墓標であるシンボルツリーは、他の方と共有することになるので、個別に会っている感覚が薄くなる場合もある。
共同埋葬型

ご遺骨が混ざることはありませんが、同じスペースに収蔵されるご供養方法が「共同埋葬型」。
ご遺骨を骨壺から取り出さないので、他の方とご遺骨が混ざることはありませんが、1人ごとに区画が整備されているわけではありません。
また、合祀型と同じく、シンボルツリーは共有されます。
- シンボルツリーの下(近く)に、大きいご遺骨の収蔵スペースがある場合
- シンボルツリーの周囲に、複数柱入れられるスペースが複数ある場合
わかりやすさを選択してお話すると、共同埋葬型=合葬型というイメージで良いかと思います。
- ご遺骨が混ざらないため、合祀型よりは個別感を出すことができる。
- 費用感は、合祀型と個別型の中間くらい。比較的、費用を抑えらえる。
- 納骨後、ご遺骨を取り出せる場合もある。(施設による・要確認)
- 墓標であるシンボルツリーは、合祀型と同様に共有するため、個別感は同様に少なめ。
- 施設によっては、納骨後にご遺骨を取り出せるが、基本的には難しいと思った方が良い。
- 契約期間満了後は、合祀型に移される施設もある。
個別型 (家族型)

ご遺骨が混ざることはなく、個別スペースに収蔵されるご供養方法が「個別型」。
区画が個別に分けられるため、個人専用のスペースがあることが特徴です。
1人用もありますが、ご夫婦用や家族用、友人同士など、複数ご遺骨を納めるタイプの「家族型」もあります。
施設や料金により、シンボルツリーの共有・専有に違いがあります。
- シンボルツリーの周囲に、個別の納骨するスペースがあるタイプ (集合型と呼ばれることもある)
- 区画ごとに、シンボルツリーを植えるタイプ
ご遺骨は「骨壺のまま」「自然に還る布袋に移す」「粉骨(お骨をパウダー状にすること)して別の骨壺に移す」など、埋葬方法はいくつかあります。
特に庭園型に見受けられますが、とても華やかできれいな骨壺に移し替えることもできます。
- 専用の区画があるため、納骨位置を確認することができ、個別にお参りできている感覚を持てる。
- 家族や友人などと一緒に入ることができる。
- 施設によっては、お供えができる場合もある。
- 合祀・共同埋葬と同様に、契約期間満了後は合祀される場合がほとんど。
- 合祀型・共同埋葬型と比較して、高額になる。
樹木葬の費用は?管理費は年間どれくらい?

樹木葬の平均購入価格は「66.9万円」です。(第14回お墓の消費者全国実態調査(2023年))
しかし、一口で樹木葬と言っても、色々なタイプのご供養方法があることは、先述した通りです。

選択する埋葬方法よって、費用も増えたり・減ったりと変動します。
また、維持管理費のような諸経費、細かいことを言えば、地価が高い土地に樹木葬霊園・墓地が建っているなど、諸条件により費用に差が生じます。
もう1つ費用が変動する原因として「樹木葬の運営母体」が挙げられます。
冒頭の方で、樹木葬霊園・墓地を運営している母体には「お寺さん」「公営」「民営」があると言いました。
1番費用が抑えらえるのは「公営」、次いで「民間」→「お寺さん」となります。
まずは、各埋葬方法のざっくりとした費用感・相場についてお伝えします。
- 合祀型:数万円~20万円
- ご遺骨を取り出して他の方と一緒にご供養する樹木葬タイプ。
- 樹木葬の中でも、1番費用が抑えられます。
- 共同埋葬型:10万円〜60万円
- 他の方の骨壺と同じスペースに入れられてご供養する樹木葬タイプ。
- 合祀型の次に、費用が抑えられます。
- 個別型:15万円~60万円
- 個人の専有スペースがある樹木葬タイプ。
- 個別に納骨できるため、樹木葬の中では高額です。
- 使用中の管理費が必要な場合もあります。(家族型も同様)
- 個別型(家族型):20万円~80万円
- 夫婦・家族・友人同士など、複数人用の専有スペースがある樹木葬タイプ。
- 納骨する柱数により、価格は上がるので1番費用が必要です。
墓じまいの費用の記事でも、墓じまいのトータル費用に幅ができる要因として「新たな納骨先」を上げました。
樹木葬だけでも、数万万円から80万円、サービスや施設のグレードを考慮したら、更に高額な樹木葬もあります。
費用の幅がとてもあるため、希望と予算の折り合いをつけないといけません。
費用の内訳

費用の内訳を混乱しない程度に紹介します。
- 永代使用料
- 埋葬料 (使用料に含まれる場合もある)
- 銘板彫刻代 (オプションの場合が多い)
- 年間管理料 (ない場合や、一定期間のみ管理料がかかる場合もある)
- 永代供養料 (ない場合もある)
永代使用料
- ご遺骨を納めるための土地・区画を使用するための費用です。
- 1番費用の抑えられる「合祀型」で「数万円から」。
- 専有スペースがある「個別型」を選択した場合は、相場下限は「15万円」。しかし、この金額以上に必要だと思った方が良いでしょう。
- 1名に対しての料金ですので、納める柱数が増えれば増えるほど、費用が大きく変わります。
埋葬料・納骨料
- ご遺骨を納めるための費用です。
- 使用料の中に含まれている場合もありますが、その分、永代使用料が高くなる場合もあります。必ずしもお得というわけではありません。
- 1名ごとに費用が発生するため、人数が増えるほど費用は膨らみます。
彫刻料・銘板料
- 「銘板(≒ネームプレート)」や「墓誌(埋葬さえた方の没年などを彫刻する石板)」に埋葬された方の名前を彫刻するための費用です。
- 銘板・墓誌がないタイプを選択した場合は不要。オプションとしての色合いが強いです。
- 銘板があると、目印になります。お墓を囲む木々に変化があっても、見つけやすいです。
- 費用の相場は「数万円から10万円」ほどです。
管理費
- 樹木葬霊園・墓地を運営・維持・管理するために必要な費用です。相場は「1万円~」と言われています。
- 初回時、毎年、複数年ごとなど、支払い時期と方法は施設により異なります。
- この費用が使用料に含まれており、年間管理費が発生しない樹木葬もあります。(例:合祀型)
- 一方、生前契約した場合、存命中の間は管理費が必要になるケースも多いです。
永代供養料
- 樹木葬は「継承者不要」。契約した方が全て埋葬された場合、霊園が代わって法要やご遺骨の管理をするための費用です。
- この永代供養料がない施設もあるので、事前に確認が必要です。
- 相場は5万円から30万円と言われています。
費用が変動する他の要因

費用が変動する要因は、このようなものが挙げられます。
- 樹木葬霊園・墓地がある土地価格が高い
- 交通アクセスが良い場所にある
- お墓のデザインや植える木々にこだわる
- 法要の規模や回数
- 施設の状態 (新旧・設備の豪華さ・木々の種類や量、お手入れなど)
- 提供・付随するサービスの手厚さ
- 霊園・墓地にかかった・かかっているコスト
樹木葬霊園・墓地として運営し、機能を維持するために。
アクセスの良い場所に建てて、お参りがしやすいように。
美しい植栽に囲まれて、安らかに眠り、穏やかにお参りできるように。
お参りに来た方が、不便なく故人への祈りを捧げられるように。
施設の目的はこのような気持ちでしょうが、この気持ちを実現するには費用が必要で、実現度によっては高額にもなります。
また、契約する側は「故人の好きだった花木を植えたい」など、希望をかなえようとしたら、その分費用はプラスされるでしょう。
樹木葬霊園・墓地により、費用の有無やオプションの有無が異なります。
契約を考えるときは、どんな料金が含まれているのか、何が含まれていないのか、オプションになってしまうものはあるのか、確認が必要です。
樹木葬と納骨堂の違い


墓じまいを考えている方が、新たな納骨先として考えている場所は、樹木葬だけではありません。
例えば、継承者や管理者が不要になる「納骨堂」や「散骨」が候補として考えられます。
一方、継承者・管理者が引き続き必要な「一般墓」、紛失の危険性や供養をしている方が亡くなった時に困る「手元供養」のようなご供養方法は、
墓じまいを考えている方の候補には、あまり挙がらないかもしれませんね。
では「新たな納骨先」として良く候補に挙げる「樹木葬」と「納骨堂」の違いについて、ざっくりと説明します。
(散骨との違いは分かりやすいと思うので、ここでは省略します)

樹木葬と納骨堂の違いはこちら。
- 施設のある場所
- 樹木葬は「屋外」、納骨堂は「屋内」にある。
- お墓の見た目
- 樹木葬は、名前の通り木々が墓標。一般的なお墓の見た目とは違う。
- 納骨堂には墓石型もあるが、ロッカー型・自動搬送型もあり、一般的なお墓の見た目と異なるものが多い。
- 費用
- 樹木葬の平均購入価格は「66.9万円」納骨堂は「77.6万円」、(第14回お墓の消費者全国実態調査(2023年))。
- 樹木葬も埋葬方法や形態により費用が変動するが、やや樹木葬の方が控えめな価格。
納骨堂の費用や種類について、説明している記事はこちら。
樹木葬のメリット・デメリット




樹木葬にも、メリットと思える良さと、デメリットと思える心配があります。
樹木葬のメリットとデメリットをいくつか挙げてみます。
- 一般的なお墓より、費用を抑えられることが多い。
- 一般の霊園・墓地に比べて雰囲気が明るい。
- 自然に還ることができる。
- お墓掃除や草取りのような、お墓の美観を保つための手間はない。
- 契約者が亡くなった後も、無縁墓になる心配はなく、お墓が荒れることもない。
- 誰がお墓を継ぐのか問題になりがちだが、樹木葬の場合は心配不要。
- 墓石がいらないため、自然環境にやさしい。(産廃がでない)
- 宗教や宗派は、基本的に関係なく誰でも入りやすい。
- 駅の近くなど交通のアクセスが良い場所にあることが多い。(里山型を除く)
- 運営母体が寺院でも、檀家になる義務はない。(生前契約の場合は檀家料発生の可能性あり)
- 誰をお参りしているのか、個別感が薄くなるため、お墓・お墓参りの実感に欠ける場合がある。
- 季節による景観の変化、草木の枯れが原因で、お墓の雰囲気が変化する。
- 里山型の樹木葬は、交通に不便を感じる可能性が高い。
- 納骨する柱数によっては、一般墓よりも高額になる可能性がある。
- ご遺骨を取り出すことが不可能・難しい場合が多いため、家族・親族間でトラブルが起きる可能性がある。
- 合祀された後は、ご遺骨を取り出すことはできなくなる。
- 粉骨してご遺骨自体を小さくすることが、納骨の前提になっている場合がある。
- お供えできるものに制限があり、故人をなぐさめるためのお線香にも制限がある。
- 自宅よりアクセスが良くなったとしても、他のご親戚からは遠くなる可能性もある。
メリット:一般墓より比較的安価
- 一般的なお墓より、費用を抑えられることが多い。
樹木葬の平均購入価格は「66.9万円」、一般墓「152.4万円」、納骨堂「77.6万円」です。(第14回お墓の消費者全国実態調査(2023年))
平均だけを比較したら、一般墓の半分以下で樹木葬は契約することができます。
墓石を不要とすることや、比較して小さめのスペースに埋葬するため、費用は一般墓よりも抑えられる傾向にあります。
また、樹木葬にも色々ご供養の種類があり、その種類・ご供養方法により価格は変動します。
- 合祀型:数万円~20万円
- 共同埋葬型:10万円〜60万円
- 個別型:15万円~60万円
- 個別型(家族型):20万円~80万円
墓じまいのトータル金額の下と上に大きな開きができる原因は、この「新しい納骨先の価格」。
費用を抑えようとしたら数万円ほどで済むときもありますが、上限を定めない時は100万を超える場合もあるでしょう。


そして、樹木葬の年間管理費の相場は「1万円」。不要な場合もあるので、要確認です。
樹木葬霊園・墓地の「維持管理費」「建物・提供するサービスにかかるコスト」や「土地価格」が高いと年間管理費は、高くなります。
- 初回時、毎年、複数年ごとなど、支払い時期と方法は施設により異なります。
- 年間管理費が発生しない樹木葬もあります。(例:合祀型)
- 生前契約した場合、存命中の間は管理費が必要になるケースも多いです。
メリット:雰囲気が明るい
- 一般の霊園・墓地に比べて雰囲気が明るい。
特に「庭園型」と「公園型」の樹木葬が該当します。
それぞれについて説明した箇所で、雰囲気やメリットにこんなことを記載しました。(一部抜粋)
- 開放感があり、見た目も華やか。
- 花や樹木で彩られ、色味も華やか。
- 庭園というくらい美観には気を使っている。
- 季節に応じたお花やバラ園のように、華やかさを演出してくれる場所もある。
- 敷地内には噴水やベンチがある場所もあり、木々に囲まれた公園の中を散策。
一般墓の霊園・墓地と一線を画す雰囲気を出してくれるのが「樹木葬」。
霊園・墓地の雰囲気が少し苦手・彩多く自然豊か、開放感のある環境を求めている方には、うってつけのご供養方法です。
メリット:自然に還る
- 自然に還ることができる。
特に「里山型」の樹木葬では、自然に還る色合いが強いため、そう希望する方にとっては、希望が叶うご供養方法です。
施設によっては、ご遺骨を取り出し、自然に分解される布や袋に移して埋葬することで、時間の経過と共に自然に還る納骨方法をとっています。
まさしく「自然に還る」ことができる、ご供養です。
納骨方法については、施設により方針が異なります。


「自然に還る」ことを大事にされる方は、事前にご確認ください。
メリット:お墓の清掃不要
- お墓掃除や草取りのような、お墓の美観を保つための手間はない。
屋外の一般墓の場合、雨風にも晒され土埃もつくので、お参りに行ったらお墓を磨く方も多いと思います。
しかし、樹木葬は屋外の施設ですが、雨風・土埃を個人で気にする必要はありません。
施設の清掃や美観の確保は、施設側でしてくれますので、環境整備やお墓・樹木・花の美観に、そこまで細やかになる必要もありません。
お墓のお手入れが基本的に不要であることは、お参りする側としては本当に楽になるかと思います。


ネームプレートにちょっと汚れが見えたら自分でサッと掃除する、もちろん問題ありません。
メリット:無縁墓にならない
- 契約者が亡くなった後も、無縁墓になる心配はなく、お墓が荒れることもない。
筆者について言えば、独身・子供なし・一人っ子。もう一人、継承者の候補はいますが、彼に迷惑もかけたくないのが本音です。
筆者が継承者のお墓の関係者は、母の兄弟などいますが、筆者に何かあった後は、ゆるやかに荒れて行くのだろうと察します。


そして、行きつく先は「荒れ果ては無縁墓」。さすがに嫌です。
樹木葬の場合は、ご遺骨を納めた後、一定の契約期間が終了したら・購入者がなくなったら、施設側が代わりにご供養してくれます。
樹木葬霊園・墓地に入れたら「無縁墓の心配は無用」となります。
メリット:継承者不要
- 誰がお墓を継ぐのか問題になりがちだが、樹木葬の場合は心配不要。
墓じまいを検討する人の「墓じまいをする理由」には「継承者がいない」「いるけど、負担になるから墓じまいをしたい」が挙げられます。
樹木葬は、お墓がある限り「管理者」や「継承者」が必要で、寺院の墓地なら檀家になる必要がある「一般墓」とは異なります。
樹木葬は「継承者」「管理者」は不要「檀家になる必要もありません」。
独身・子供なし・一人っ子の筆者は、納骨堂と同じくこの制度は有り難い限り。
無縁墓の心配不要で書いた通り、仮に筆者に何かあったとして、連絡を取れる人がいなくなったとしても、樹木葬霊園・墓地が未来にわたりご供養してくれます。
メリット:環境にやさしい
- 墓石がいらないため、自然環境にやさしい。(産廃がでない)
「墓石が不要」樹木葬の特徴であり、一般墓よりも比較的安価で購入できる理由です。
この一般墓にあるような墓石ですが、墓じまいする時は閉眼供養の後、許可を受けた業者さんによって「産業廃棄物」として処理されます。
もちろん墓石がエコではない、と言うわけではありません。
しかし、無縁墓になりお墓のお墓に並べられた墓石を見ると「墓石の代わりに樹木」を使用する樹木葬は、環境にも心情的にも優しいご供養方法です。
また、里山型の樹木葬は「山林を無計画に切り開く」わけではありません。
ありのままの自然を活かしつつ、新たに植林するという観点から、里山再生とも言われています。
メリット:宗教・宗派は関係ない
- 宗教や宗派は、基本的に関係なく誰でも入りやすい。
樹木葬は、特定の宗教・宗派に制限された施設ではありません。
無宗教の場合も、等しく使用することが可能です。
自分がしっかり把握していなくても、おおよそは仏教の〇〇宗など、家として入っている宗派があることが多いです。
そこを特別の理由がなく無宗教にする必要はないかもしれませんが、いずれにしても宗教・宗派で断られることはないでしょう。
お寺さんの樹木葬であっても、生前の宗教宗派は不問とされているところも多いです。
ただ、法要など儀式の際は、お寺さんの宗派にならって行われることや、お寺さん独自の決まりもあるので、事前確認が必要です。
この記事では「樹木葬」に焦点をあてて、メリットを説明していますが、
こちらの記事では「一人っ子」に焦点を当てて、墓じまいのメリットを説明しています。
メリット:交通アクセスが良い
- 駅の近くなど交通のアクセスが良い場所にあることが多い。(里山型を除く)
なぜ一般墓の墓じまいを検討しているのか?その理由の1つに「交通アクセスの悪さ」が挙げられます。
お参りに行きたくても、気軽に行けない、どこか良い場所はないだろうかと墓じまいを考える。
都市型の樹木葬霊園・墓地が利便性の良い場所に多くある理由は、お参りする人が、気軽に行けるように・行きたい時に行けるようにするためです。
「駅近」「駅数分圏内」など、非常に交通のアクセスが良い場所にある霊園・墓地も多いです。
メリット:檀家になる義務なし
- 運営母体が寺院でも、檀家になる義務はない。(生前契約の場合は檀家料発生の可能性あり)
樹木葬霊園・墓地の施設管理者が「お寺さん」の場合でも「檀家になる必要はないですよ」とおっしゃるお寺さんが多いです。
一般墓と違い、樹木葬は「継承者が不要」のご供養方法です。
家として未来にわたり付き合うわけではないため、檀家になる義務は発生しないのかと察します。


しかし、お寺さんの樹木葬の生前契約をお考えの方は「檀家料」についてご確認ください。
生前契約の場合は納骨されるまで「檀家料」が求められることがあります。
お墓の維持管理費という意味合いの「檀家料」ですが、追加の費用が発生するので、寺院の樹木葬を検討している方は、ご確認ください。
デメリット:実感が欠けるお参り
- 誰をお参りしているのか、個別感が薄くなるため、お墓・お墓参りの実感に欠ける場合がある。
一般墓なら、墓石に向かって手を合わせてお祈りすることへ「抵抗感」や「なんかイメージと違う」と思う方は少ないかと思います。
それくらい墓石に向かって手を合わせる習慣は根付いています。
しかし、樹木葬は比較的近年知られてきた「新しいご供養方法」。
自然に囲まれた綺麗な場所には間違いありませんが、墓石はありません。
- 墓石の代わりにシンボルツリーや個々の花木が植えられているので、その木々が墓標となります。
- シンボルツリーを共有するタイプだと、みんなのシンボルツリーに向かって手を合わせることになります。
- 埋葬されている場所も、個別型ではない限り、位置がはっきりとしません。
祈る対象が共有されていること、それが木々であること、埋葬場所が明確ではない時があること。
このような理由から、人によっては「祈りの対象が些か漠然」としていて「個別感が薄く」感じてしまう方もいらっしゃいます。
埋葬されている場所とは別に、共用お参りスペースが設けられている樹木葬霊園・墓地もありますが、
やはり「お墓としては、やや漠然とした印象を受ける」かもしれません。
デメリット:景観の変化
- 季節による景観の変化、草木の枯れが原因で、お墓の雰囲気が変化する。
木々・花々を相手にするので、どれだけ霊園・墓地側がお手入れをしていても、枯れたり、季節により見た目が寂しくなったりします。
いつ何時訪ねても、毎回イメージ通りの景観が保たれているとは限りません。
例えば、シンボルツリーが桜の場合。桜の季節に行くと、思い描いたような景観と共に、眠っている方へ祈りを捧げることができます。
しかし、秋・冬などシーズン以外に尋ねた場合は、葉が落ちて居たり、見た目がさみしくなっているでしょう。
- Q景観の変化や花木の枯れが心配・・・
- A
樹木葬においては、木々が墓標。心配になる気持ちはよくわかります。
- 見学に行った際など、可能な限り施設側に、他の季節の写真を見せてもらってください。
- 見学に行ったときは、同様に、どれくらい木々へのお手入れがされているか、確認することも大事です。
- 自然災害による、樹木の損傷はやむを得ないことですが、その時はどう修繕するのか聞くのも1つです。
- 自然が豊かとお手入れが行き届かず草木で溢れているは、全く違います。ここにもご注意ください。
デメリット:交通アクセスの悪さ(里山型)
- 里山型の樹木葬は、交通に不便を感じる可能性が高い。
里山型の樹木葬は、都市型の樹木葬と違い、名前の通り里山・山林にあります。
郊外にありますので、年を重ねていくと、交通に悩みを抱える可能性が高いです。
また埋葬されたご本人は、メリットにも記載の通り「自然に還る」埋葬方法で安らかかもしれませんが、
お参りする側にとっては、お参りに行きにくい・遠くて困るお墓になってしまいます。
年齢を重ねた方・頻繁にお参りに行きたい方・足腰に不安がある方は、特にこのように感じてしまうでしょう。


里山型は「天候」にも注意が必要です。荒天時は細心の注意が必要です。
- Q里山型の樹木葬はアクセスが悪いと聞くけど、魅力的。どうしたら・・・
- A
納骨をしてくれる人やお参りに来てくれる人と、事前の相談が必要です。
- 実際に里山へ訪問し、距離感や交通手段を確認
- 交通手段があったとしても、実際に移動可能でお参りに来られるか確認
- 車しかアクセス方法がない場合もあるので、要確認
デメリット:時には高額になる
- 納骨する柱数によっては、一般墓よりも高額になる可能性がある。
樹木葬の平均購入価格は「66.9万円」、一般墓「152.4万円」、納骨堂「77.6万円」です。(第14回お墓の消費者全国実態調査(2023年))
確かに安価に見えますが、納骨する柱数により費用は大きく変動します。
大人数で契約する時は、その分、費用はプラスされるため、人数によっては高額になる場合があります。
また、納骨堂と同様に収蔵できる柱数には制限があるため、柱数の上限を超える際は、新たにスペースの購入が必要です。
- Q納骨した人がたくさんいるけど、それでも樹木葬はお安いの?
- A
納骨を希望する人数によります。
- 事前に何人埋葬する予定なのか、その人数分の価格を確認してください。
- 納骨堂の場合・散骨の場合など、別のご供養方法と比較するのも大事です。
- 一般的に、最初から合祀する場合は費用は最小限で済みますが、気乗りしない方が多いのも事実です。
- 購入したスペースの柱数上限を超える場合は、別のスペースの購入が必要です。
デメリット:ご遺骨の取出し不可
- ご遺骨を取り出すことが不可能・難しい場合が多いため、家族・親族間でトラブルが起きる可能性がある。
- 合祀された後は、ご遺骨を取り出すことはできなくなる。
特に「合祀型」を選択した場合は、注意が必要です。
合祀とは、骨壺からご遺骨を取り出して、他の方のご遺骨と合同で供養する方法。
ご遺骨は他の方のご遺骨と混ざることになり、個別に取り出すことは極めて困難・不可能と思っておくべきです。
人によっては、ご遺骨と「個別」に会いたいと思われるかもしえません。
血縁関係のない方と混ざると、誰かわからなくなってしまう・・・筆者も、この感情は理解できます。
この感情が原因で、事前に親族間でご供養方法を相談・共有しておかないと「勝手なことをした」と思われてしまい、トラブルに発展します。


墓じまいを含め、ご供養の方法も事前に相談して、同意を得ておく、これが大事です。
- Q合祀とは?個別に会えなくなるの?
- A
会えなくなります。親族間のトラブルに発展しますので、事前によくご相談ください。
- 骨壺からご遺骨を取り出し、血縁関係のない方と一緒にして供養することが合祀です。
- 混ぜられたご遺骨から、特定の方を取り出すのは非常に困難です。
- 合祀を受け入れられない方もいます。気持ちを尊重したうえで、相談が必要です。
- 樹木葬の契約期間が満了したら、結果的に合祀される場合が多いです。
デメリット:粉骨が必要な場合もある
- 粉骨してご遺骨自体を小さくすることが、納骨の前提になっている場合がある。
納骨スペースの関係で、粉骨(ご遺骨をパウダー状にすること)を求める樹木葬霊園・墓地もあります。
粉骨自体に抵抗のある方や、そもそも故人が希望していない場合もあるので、意思の確認が必要です。
粉骨は個人でもできますが、精神的につらいかもしれません。衛生面で気になる方も、当然いらっしゃるでしょう。
粉骨を代理で請け負ってくれる会社を簡単に紹介します。
料金は「屋内保存・骨壺のサイズが小さめ」の場合は比較的お安め「屋外保存・骨壺のサイズが大きめ」の場合は、高めの傾向があります。
料金の幅は「14,300円~33,000円 (税込)」。
ご遺骨の洗浄や乾燥が必要な場合は、追加費用が発生する場合があります。



- Q粉骨って何?どうしたら良いの?
- A
粉骨とはご遺骨を砕いてパウダー状にすることです。
納骨スペースには限りがあるので、粉骨後に納骨をお願いする霊園・墓地もあります。
デメリット:線香などのお供えに制限あり
- お供えできるものに制限があり、故人をなぐさめるためのお線香にも制限がある。
まず、里山型の樹木葬と都市型の樹木葬(庭園型・公園型)で、制限されるものがことなる場合があります。
代表的なもので言えば「お線香」。里山型では一つ間違えば山火事になりますので、火気厳禁な場所が多いです。
都市型でも、火気使用が許可されているところ、一部区域で使用が許可されているところ、霊園・墓地により方針は異なりますので、確認が必要です。
他、お供え物を置くことができる場所、置けない場所、置けても持ち帰りが必要など、決まりごとはそれぞれです。


特に食べ物は、虫や衛生的な視点から、持参したとしても必ず持ち帰りましょう。
- Qお供えできるものに制限はあるの?
- A
あります。詳細は、気にな使節管理者へ直接ご確認ください。
- お線香:防火管理のため、里山型は厳禁です。都市型については、施設により異なります。
- 生花:土に直接置いたり、献花スペースがあったりします。持ち帰りについては、施設に確認が必要です。
- 食べ物:衛生管理のため、持参したら持ち帰りましょう。特に里山型は動物の餌にもなり得ます。
デメリット:樹木葬霊園・墓地が遠いと言う人もいる
- 自宅よりアクセスが良くなったとしても、他のご親戚からは遠くなる可能性もある。
自分にとっては、行きやすくなって満足できる納骨堂だったとしても、逆に遠くなったと思う人もいるかもしれません。
樹木葬霊園・墓地が自宅から遠方になった人が、もし月に1回はお墓参りに行っていたら?


その気持ちへの感謝や気遣いは、忘れてはいけません。
- Q墓じまいする前のお墓の方が行きやすかったと言われた。
- A
そうおっしゃる方はいると思います。
- 墓じまいをするうえで「最も時間と労力と費用を費やした方」の都合と希望が優先されるべきだと思います。
- その方が、自宅近くの樹木葬にしたいと希望したら、その気持ちが優先されるべきだと思います。
- (それでも嫌なら、では将来の管理はヨロシクと言いたくなります)
- 正論を言えば「これまでの感謝と遠方になって申し訳ないという気持ち」と伝えて、納得を得られたら1番です。
樹木葬でのマナー・ルール


屋外の一般墓と比較すると、樹木葬のお参り方法やマナーは似ているところもあれば、違うところもあります。
施設ごとにルールは異なりますが、一般的なものを紹介します。
- 大声や過度な笑い声は控えましょう。他の方もお参りに来ています。
- 樹木葬霊園・墓地は故人への祈りをささげる場所です。華美な服装・露出の多い服、派手なアクセサリーは控えましょう。
- お供えもの、特に食品を持参した場合は、基本的に全て持ち帰りましょう。
- 里山型の樹木葬の場合は、特に「火気厳禁」です。山火事になると取り返しがつかなくなります。


マナーやルールではありませんが、里山型の場合は下記に気を付けた方が良いでしょう。
- 歩きやすい靴と服装で行く。足元が悪い場所もあるので、動きやすい服装・汚れても良い服装で行った方が気楽です。
- 気候が厳しい時期(暑さや寒さ)は、特に身なりや水分補給など気を使う必要があります。
- お参りへ行くなら、明るい時間帯に行きましょう。到着時は明るくても、帰宅時暗くなる時間帯は危険です。
- 雨・雪など天候が悪い時は、行かない方が良いでしょう。
天候などの条件から、お参りできる期間を定めている里山型の霊園・墓地もあります。
選べる木の種類


まず、シンボルツリーを共通する埋葬方法(合祀型・共同埋葬型)、個別にシンボルツリーを植えて埋葬する方法(個別型)があります。


樹木葬でのご遺骨の埋葬方法は大きく分けて「3つ」。
- 合祀型:ご遺骨を骨壺から取り出し、血縁関係のない方のご遺骨と一緒に供養する方法
- 共同埋葬型:ご遺骨が混ざることはありませんが、他の方と同じスペースに収蔵されるご供養方法
- 個別型:ご遺骨が混ざることはなく、個別スペースに収蔵されるご供養方法
合祀型や共同埋葬型は、既にシンボルツリーが植えられているので、独自に植えることはできません。
このタイプのシンボルツリーには「さくら」「ハナミズキ」など、季節によっては美しく咲く樹木や、緑の葉が美しい「常緑樹」などがあります。
一方、個別に植えたい場合は、個別型を契約することになりますが、全て好み通りに植えられるとは限りません。
樹木は年輪を重ねるほど、大きく育ちます。大きく育ちすぎると、他の方のご迷惑になりますので、基本的に「低木」が好まれます。
また、特定の植えたい樹木があったとしても、施設により対応の可否は異なりますので、事前確認と希望する樹木を複数挙げておくことが必要です。


また、庭園型・公園型・里山型で、選べる種類も変わります。
庭園型のような敷地面積が限られている場所は、樹木の代わりに「お花」を植える樹木葬霊園・墓地もあります。
また、公園型は敷地内がバラ園のようになっているなど、特定の花で彩られている場合もあります。
樹木葬の購入・契約手続き


墓じまいとは関係なく、自分のために生前契約しようとお考えの方もいると思いますが、樹木葬の契約手続きの流れはおおよそ同じです。
自分が入る予定でもあっても、大切な方に入ってもらう場合であっても、とても大事な場所に変わりはありません。
情報収集はできるだけ詳細に、かつ丁寧にすることをおすすめします。
また、どのような雰囲気なのか・管理状況なのか、手間でも実際に足を運んで目にすることは重要です。
墓じまいの流れで購入する方


墓じまいの流れの一環で進めている方は「墓じまいの9のステップ」の「STEP4」に該当します。
- 事前に親族に相談し、墓じまいの同意を得る
- 必要な手続きや書類を確認する
- 霊園・墓地の管理者に相談し、墓じまい(お寺さんなら離壇)の意思を伝える
- お墓に納められているご遺骨のお引越し先を決める
- 墓じまい・墓石の撤去を依頼する石材店や業者さんを決める
- 墓地のある自治体で必要な行政手続きを行う
- お墓・墓石の閉眼供養(=魂抜き・御霊抜き)を行い、ご遺骨を取り出す
- 業者さんに墓石の撤去をしてもらい、お墓を更地にして、管理者に使用権を返還する
- お引越し先へ改葬許可証を提出し、納骨する=墓じまい完了
墓じまい全体の流れは、こちらのページに詳しく書いてあります。


樹木葬の契約・購入手続きの流れはこちら。
- 樹木葬霊園・墓地を探し、気になる施設を見つける
- 資料請求を行い、価格や規約など比較
- 実際に見学へ行き、雰囲気や管理状態を確認
- 契約をすると決めた施設に、契約手続きを連絡
- お支払完了
- 改葬許可証を提出し、納骨
自分のために生前購入する方


自分のために生前購入する方の納骨堂の契約・購入手続きの流れはこちら。
- 樹木葬霊園・墓地を探し、気になる施設を見つける
- 資料請求を行い、価格や規約など比較
- 実際に見学へ行き、雰囲気や管理状態を確認
- 契約をすると決めた施設に、契約手続きを連絡
- お支払完了=手続き完了
存命中に樹木葬の購入手続きをする場合は、年間管理費の支払いについて必ずご確認ください。
「年間の維持管理費」の相場は「1万円~」。
この年間管理費が生前契約した場合は「いつから発生するのか」「複数年分まとめて支払う必要があるのか」「その金額は」これらを確認しないとトラブルの元になり得ます。
- 一事前に一括・複数年分支払う
- 契約した時点で支払い義務が発生する
- 納骨した時点から支払い義務が発生する
- 発生しない、もしくは年間管理費が発生しないタイプ(例:合祀型)
墓じまいの流れで、すでにご遺骨がある方は「費用が発生するタイミング」や「支払方法」は、大きな問題ではないかもしれません。
しかし、自分のために事前に用意する方は、年間管理費の発生するタイミングと金額について、事前に確認してください。
また、年間管理費以外に「手付金」が必要な場合もありますので、いつどこのタイミングでどんな種類の費用が発生するか、費用の流れもあわせてご確認ください。
生きている時に「お墓のことを考える」なんて、縁起が・・・と心配な方もいると思います。
しかし、元気な時に「お墓のことを考える」ことは、決して縁起の悪いことではありません。長寿につながるという話もあるくらいです。
また、時間・体力・気力の余裕がありますので、いきなり焦ることもなくなります。
手続きに必要な書類
色々調べてみましたが、納骨堂と比較して、施設によりかなりばらつきがあるように伺えました。
とあるお寺さんの樹木葬では、そのお寺さんで準備している契約書類の他に、印鑑証明や証人(契約者本人の遺骨を届けてくれる人)が必要なようです。
時には、本人が確認できるもの、住民票や口座情報の分かるものなど、追加提出書類が求められるかもしれません。


契約する際には案内があると思いますが、比較している最中なら、資料請求時などにご確認ください。
樹木葬霊園・墓地の選び方




では、どのように樹木葬霊園・墓地を見つけたらよいのか?選んだらよいのか?
樹木葬霊園・墓地は「公営・民間・寺院」、色々な運営母体があり、思っている以上に数は多いです。(公営は、まだ少なめです)
選べるのは良いけど、どうやって選んだらよいかわからない!情報が多すぎる!おっしゃる通りです。
まず、下記ポイントを心に留めながらご検討ください。
- 故人の希望はあったか?自分の樹木葬なら、自分はどうしたいか?
- 樹木葬霊園・墓地の購入にだせる予算は?
- その予算と希望の樹木葬のご供養タイプは、金額のつり合いが取れているか?無理をしていないか?
- 霊園・墓地の所在地は?行きやすい場所にあるか?交通のアクセスは良いか?
- 納める柱数で価格が変わるので、誰を入れるか決まっているか?
- 運営母体に期待することは?行き届いた設備・接遇か?母体の存続に不安がないことか?
ネットで検索したら、たくさん表示されますが、こちらでは「お任せできる会社さん」を紹介します。
- お墓・霊園探しならライフドット (全国対応)
- 海と桜のメモリアル樹木葬 (神戸のお寺さん)
- わたしたちの墓じまい (墓じまいが同時の方は特におすすめ)
- ミキワの墓じまい (墓じまいが同時の方は特におすすめ)
お墓・霊園探しならライフドット


全国対応・樹木葬霊園・墓地の希望所在地など入力したら、資料を郵送してくれます。
ライフドットさんの「おススメポイント」はこちら。
- 全国の霊園・墓地に対応(樹木葬や納骨堂を含む)
- 簡単な入力内容で、希望する供養先の情報がもらえる
- 終活カウンセラーやお墓ディレクターが、中立な立場でサポート
- 新しく開かれた霊園など最新情報を取り揃えている
- 予算や疑問点など、相談へのサポートをしている
資料請求の際に入力する内容は「お墓を建てたい場所」「希望する墓タイプ(納骨堂・樹木葬・一般墓・永代供養墓)」「氏名」「メールアドレス」「電話番号」「住所」「DMの希望」。
「無理な営業電話」はしないと明記していること、そのようなことがあった場合は、相談先・報告先の番号も記載していることは、安心できるポイントです。
海と桜のメモリアル樹木葬


神戸市の寺院にある樹木葬。見事な桜の木がシンボルツリーでペットと一緒に眠れるのも特徴です。
神戸市の妙徳寺さんというお寺さんにある「桜の樹木葬」です。
桜がきれいな和庭園のような雰囲気のある樹木葬霊園・墓地で、ペットと一緒に入ることができます。
人間のみのお墓として「桜樹木葬80墓」、ペットと一緒のお墓として「ウィズペット桜樹木葬150墓」があります。
- 見学会も複数回開催しているので、お近くの方は気軽に立ち寄れます。
- 予約は必須のですので、見学をご希望の際は事前ご予約をお願いします。
- 人数限定ですが、神戸市内の場合は無料送迎がついています。



わたしたちの墓じまい


全国対応・墓じまいと一緒に樹木葬を検討される方は、紹介・提案をしてくれます。
わたしたちの墓じまいは「墓じまい」の流れで、新たな納骨先を探している方におススメです。
- 全国対応・納骨先の相談・紹介・提案サービスあり
- 紹介できるお墓の種類
- 樹木葬・納骨堂・散骨・公営墓地・霊園・寺院
- 納骨堂は8万円~ (税抜き)
- 納骨堂の紹介だけではなく、離壇サポート・代行、ご遺骨の輸送やお坊さんのお手配など各種サービスあり
- ベテランスタッフや年間施工件数が数十件あるスタッフもいる、プロが多い会社さん



ミキワの墓じまい


全国対応・墓じまいと納骨先を検討される方は、紹介・提案をしてくれます。
ミキワの墓じまいも「墓じまい」の流れで、新たな納骨先を探している方におススメです。
海洋散骨に力を入れているので、樹木葬から離れますが紹介させてください。
- 全国対応・納骨先の相談・紹介・提案サービスあり
- 紹介できるお墓の種類
- 海洋散骨・永代供養墓(合祀墓)
- 海洋散骨(個別散骨):10万円~
- 海洋散骨(代理散骨):2.5万円~
- 海洋散骨(合同代行散骨):3.5万円~
- 永代供養墓(合祀墓):3万円~
- 行政手続きの代行やお坊さんのお手配など、各種サポートサービスあり



独身・独身予定の一人っ子と樹木葬


独身・子供なし・一人っ子が「お墓の将来」について考えるとき、こんなことが心配になります。
- 継承者がいないことで、お墓が荒れていく
- 継承者がいないことで、お墓が無縁墓になってしまう
- 親戚に継承者してくれる人がいそうでも、その人の負担になるのではないか
これらは一人っ子だけの心配ではありませんが、一人っ子はより強く感じる心配です。
また、墓じまいを検討している最中の方も、より一層、継承について深く考えるでしょう。
墓じまいをして取り出したご遺骨の「新たな納骨先」に悩んだら「継承者が不要」な「樹木葬」を候補に入れてみてはいかがでしょうか。
- Q樹木葬とは?どんな種類があるの?
- A
「霊園・墓地として許可を受けた土地に、ご遺骨を収蔵し、墓石に代わるものとして樹木を墓標とする」ご供養方法が樹木葬。種類も複数あります。
- 庭園型の樹木葬 (都市型):色鮮やかな花木に囲まれ、お手入れの行き届いた「庭園」を彷彿とさせる樹木葬
- 公園型の樹木葬 (都市型):お手入れの行き届いた整備されている緑にあふれた「公園」を彷彿とさせる樹木葬
- 里山型の樹木葬:郊外の自然豊かな山林にあり、まさしく自然に還る雰囲気のある樹木葬
- Q樹木葬の費用は?
- A
ご供養方法により、異なります。
- 合祀型:数万円~20万円
- 共同埋葬型:10万円〜60万円
- 個別型:15万円~60万円
- 個別型(家族型):20万円~80万円
- Q管理費は年間どれくらい必要?
- A
相場は「1万円~」。施設により幅があります。合祀型の場合は、不要な場合もあります。
- 初回時、毎年、複数年ごとなど、支払い時期と方法は施設により異なります。
- 生前契約した場合、存命中の間は管理費が必要になるケースも多いです。
- Q木の種類は好きに選べるの?
- A
全て希望通りになるとは限りませんので、事前確認が大事です。
- 合祀型や共同埋葬型は、既にシンボルツリーが植えられているので、独自に植えることはできません。
- 個別に植えたい場合は、個別型を契約することになりますが、全て好み通りに植えられるとは限りません。
- 樹木が大きく育ちすぎると、他の方のご迷惑になりますので、基本的に「低木」が好まれます。
- 特定の植えたい樹木があったとしても、施設により対応の可否は異なります。事前確認と希望する樹木を複数挙げておくことが必要です。
- Q納骨堂との違いはあるの?
- A
施設のある場所・お墓の見た目・購入費用が違います。
- 施設のある場所
- 樹木葬は「屋外」、納骨堂は「屋内」にある。
- お墓の見た目
- 樹木葬は、名前の通り木々が墓標。一般的なお墓の見た目とは違う。
- 納骨堂には墓石型もあるが、ロッカー型・自動搬送型もあり、一般的なお墓の見た目と異なるものが多い。
- 費用
- 樹木葬の平均購入価格は「66.9万円」納骨堂は「77.6万円」、(第14回お墓の消費者全国実態調査(2023年))。
- 施設のある場所
- Q樹木葬のメリットは?
- A
樹木葬ならではのメリットはたくあんあります。
- 一般的なお墓より、費用を抑えられることが多い。
- 一般の霊園・墓地に比べて雰囲気が明るい。
- 自然に還ることができる。
- お墓の美観を保つための手間は少ない。
- 契約者が亡くなった後も、無縁墓になる心配はない。
- 樹木葬の場合は継承に関する心配は不要。
- 墓石がいらないため、自然環境にやさしい。(産廃がでない)
- 宗教や宗派は、基本的に関係なく誰でも入りやすい。
- 交通のアクセスが良い場所にあることが多い。(里山型を除く)
- 運営母体が寺院でも、檀家になる義務はない。(生前契約の場合は檀家料発生の可能性あり)
- Q樹木葬のデメリットは?
- A
樹木葬ならではのデメリットは、いくつかあります。
- お墓・お墓参りの実感に欠ける場合がある。
- 季節による景観の変化、草木の枯れが原因で、お墓の雰囲気が変化する。
- 里山型の樹木葬は、交通に不便を感じる可能性が高い。
- 納骨する柱数によっては、一般墓よりも高額になる可能性がある。
- ご遺骨を取り出すことが不可能・難しい場合が多い。
- 合祀された後は、ご遺骨を取り出すことはできなくなる。
- 粉骨してご遺骨自体を小さくすることが、納骨の前提になっている場合がある。
- お供えできるものに制限がある。
- 自宅よりアクセスが良くなったとしても、他のご親戚からは遠くなる可能性もある。
- Qお参りする時のルールやマナーは?
- A
故人をしのぶ場なので、マナーは大事です。
- 大声や過度な笑い声は控えましょう。
- 華美な服装・露出の多い服、派手なアクセサリーは控えましょう。
- お供えものとして食品を持参した場合は、全て持ち帰りましょう。
- 里山型の樹木葬の場合は、特に「火気厳禁」です。
- 歩きやすい靴と服装で行きましょう。(里山型の場合)
- 気候が厳しい時期は、特に身なりや体調に気を付けましょう。(里山型の場合)
- お参りへ行くなら、明るい時間帯に行きましょう。(里山型の場合)
- 雨・雪など天候が悪い時は、行かない方が良いでしょう。(里山型の場合)
- Q樹木葬の契約手順は?
- A
墓じまいの流れで購入する方は、このような流れです。
- 樹木葬霊園・墓地を探し、気になる施設を見つける
- 資料請求を行い、価格や規約など比較
- 実際に見学へ行き、雰囲気を確認
- 契約をすると決めた施設に、契約手続きを連絡
- お支払完了
- 改葬許可証を提出し、納骨
- Q樹木葬の選び方はどうしたら良い?
- A
迷っていた時の心構えは、こちら。
- 故人の希望はあったか?自分の樹木葬霊園・墓地なら、自分はどうしたいか?
- 購入にだせる予算は?
- その予算と希望の樹木葬・ご供養のタイプは、金額のつり合いが取れているか?無理をしていないか?
- 施設の所在地は?行きやすい場所にあるか?交通のアクセスは良いか?
- 納める柱数で価格が変わるので、誰を入れるか決まっているか?
- 運営母体に期待することは?行き届いた設備・接遇か?母体の存続に不安がないことか?
- Qネットで検索したけど、たくさんあってわからない。
- A
希望を伝えたら、紹介・提案・資料提供してくれる会社さんがいくつかあります。
- お墓・霊園探しならライフドット (全国対応)
- 海と桜のメモリアル樹木葬 (神戸のお寺さん)
- わたしたちの墓じまい (墓じまいが同時の方は特におすすめ)
- ミキワの墓じまい (墓じまいが同時の方は特におすすめ)









参考ホームページ
記事作成に際し、下記の企業様のホームページや情報を参考にしました。