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独身・独身予定の一人っ子と海洋散骨:費用や種類・メリットとデメリット

独身・独身予定の一人っ子と海洋散骨 お墓

「墓じまい」を考えた場合「新たな納骨先の候補」として「納骨堂」「樹木葬」と同じように「海洋散骨」を候補に挙げる方はたくさんいます。

納骨先が「海」と言うと、少し不思議に感じる方も多いと思いますが、海洋散骨と言われたら、なんとなくイメージが湧く方も同様に多いと思います。

気になるけれども、海洋散骨について費用や種類、メリットやデメリットの詳細を把握している方は、少ないかもしれません。

日常生活でお墓について日ごろ考えることもないので、もちろん当たり前のことです。

しかし、全ての方にとって、また筆者のように「独身・子供なし・一人っ子」の方にとって、実は「墓じまい」は身近なもの。

現代のライフスタイルでは、お墓を継いでくれる人にも「自分の生活や都合」があります。

この記事では「墓じまい」を考えている方・気になる方へ「海洋散骨」について、説明します。

この記事でお伝えすることはこちら。

海洋散骨とは?どんなお墓なの?
  • 海洋散骨とは?
  • 海洋散骨のプランや費用は?
  • 樹木葬や納骨堂との違いは?
  • メリットとデメリットは?
  • 宗教は関係あるの?宗教で入れないこともあるの?
  • 散骨する時のマナーやルールは?
  • 海洋散骨の契約手順はどうしたら良いの?
  • 一人っ子でも大丈夫?

墓じまいを考える筆者は、こんな状態です。

  • 30代、一人っ子の女性です。
  • 母と同居中。父と祖父母は他界しています。
  • 理由があって、生涯独身の予定です。
  • 墓じまいを考える理由はこちらの記事に書いています。

(なぜ生涯独身なのか?理由はこちらに書いています。好き嫌いが分かれる内容なので、ご興味ある方だけご覧ください。)

海洋散骨とは?

海洋散骨とは?
海洋散骨とは?

海洋散骨とは「葬送の目的」として、ご遺骨を「粉骨(パウダー状にすること)」し、ガイドラインを遵守したうえで海洋に散布することです。

自然へ還ることを意識したご供養方法として、自然葬とも言われます。樹木葬も広義の自然葬と言えるでしょう。

海が好きな方や海でお仕事をされていた方など、海にご縁があったら、候補の1つに挙がるかもしれませんね。

また、海洋散骨は「費用を抑えられる」側面もあるため、費用面から興味がある方も多いと思います。

しかし、しっかりとした業者さんに依頼すれば問題ありませんが、少し注意が必要です。

海洋散骨と法律

この「海洋散骨」ですが、実は法律の建付けが確立していない、ご供養方法です。

一般の墓地や樹木葬など、ご遺骨を埋葬・埋蔵する施設には「墓地、埋葬等に関する法律」が適用されます。

墓地、埋葬等に関する法律:第2章 埋葬、火葬及び改葬
第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

厚生労働省HP

一般の霊園・墓地、樹木葬などのような、ご遺骨を収める施設は、その土地を墓地として使用する許可を得て運営しています。

海洋散骨はどうなのか?大丈夫なのか?と心配になるかもしれません。

しかし、厚生労働省より「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」が発出されていますので、国としては、海洋散骨に一定の理解を示していると言えます。

墓地、埋葬等に関する法律は、土葬が当たり前だった昔の法律であること、海は土地ではないので所有権はないという判例から、禁止される行為ではないという立場です。

また、散骨については、法務省が、1991年に、葬送のための祭祀として節度をもって行われる限り遺骨遺棄罪(刑法190条)に違反しないとの見解を示しています。
このように、散骨は「節度をもって行われる限り」自由に行うことができます。

一般社団法人日本海洋散骨協会 HP

また、法務省の見解により、散骨はご遺骨の遺棄にも該当しないため「葬送という目的」のもと「節度」もって行われる限り、問題は起きません。

海洋散骨について、誤解が生じないように平たく言うのなら・・・

「葬送の目的」をしっかりもったうえで「節度をもち」、「ガイドラインを遵守」したうえで、他の人に迷惑をかけずに実施するなら、禁止されるような行為ではない。これが現在の見解です。

一方、自治体の条例により、禁止している場合もありますので注意は必要です。

ルール無用では決してありません。

厚生労働省が定めたガイドラインも紹介した通りありますが、このガイドラインを受け、一般社団法人日本海洋散骨協会が定めたものもあります。

海洋散骨を希望するなら、これらのガイドラインを遵守した業者さんに依頼してください。

無事に散骨できますし、何より安全です。

海洋散骨のプランや費用は?

海洋散骨のプランや費用は?

海洋散骨と一口で言っても、さまざまな「プラン」を業者さんは準備しています。

大きく分けると、3種類です。

  • 代行散骨プラン
  • 合同散骨プラン
  • 貸切散骨プラン

プランにより価格は変動しますが、イメージ通り「代行→合同→貸切」の順番で高くなっていきます。

また、オプションプランやプランのグレードアップでも費用は膨らみます。

代行散骨プランの概要と費用

「代行散骨プラン」は、ご遺骨を業者さんにお渡しして、代理で散骨をお願いするプランです。

プランの特徴
  • 日時指定は相談できる場合もありますが、日程はお任せすることも多く、月に1回実施、2回実施など、業者さんによります。
  • 代理散骨を依頼した他の方のご遺骨も、同日に行われます。
  • ご遺骨は散布するまで個別に包んだり、間隔を空けて散骨してくれますが、同じ海域で散布することになります。
  • 3つのプランの中では、比較的安価なプランです。

乗船者の人数が最小限となることから、代理散骨プランは海洋散骨の中でも、費用を抑えられるプランです。

また、海洋散骨を希望しているけど、船が苦手な方には助かるプランでもあります。

価格は業者さんやオプションにもよりますが、いくつか価格を紹介します。

(1柱分の料金・それぞれの最安価を記載・社名は伏せています)

 A社 27,500円 (税込)
 B社 55,000円 (税込)
 C社 44,000円 (税込)
 D社 49,800円 (税込)

では、それぞれどのようなサービスが含まれているか、簡単に見てみましょう。

  • A社
    • ご遺骨の輸送:東京23区・半径20km圏内は無料、エリア外は有償で最大33,000円 (税込)
    • 粉骨とご遺骨の専用袋の準備
    • 散骨実施・献花/献酒
    • 骨壺処分
    • 散骨証明書送付
  • B社
    • 粉骨とご遺骨の専用袋の準備
    • 散骨実施・献花/献水
    • 散骨の風景の写真撮影
    • 散骨証明書送付
  • C社
    • 粉骨とご遺骨の専用袋の準備
    • 散骨実施・献花・献酒・献水
    • 散骨の風景の写真撮影
    • 散骨証明書送付
  • D社
    • ご遺骨発送 (着払いで郵送)
    • 粉骨とご遺骨の専用袋の準備
    • 散骨実施・献花・献酒・献水
    • 骨壺処分
    • 散骨証明書送付

どこの業者さんも同等のサービスを提供してくれますが、若干異なるとポイントは「ご遺骨の引き取り(輸送)」です。

代理散骨の料金に含まれているプランもあれば、一定距離内は無料、遠くなるほど引き取り料金が高くなるプランもあります。

一方、引き取りではなく「郵送」で対応する場合は、着払いでも受け付けてくれる業者さんもあるようです。

代理散骨の代表的なスケジュール
  • 契約前
    打ち合せ・契約・ご遺骨の引き渡し
    • 業者さんに希望を伝えて納得したら契約。
    • 代理散骨の場合は、ご遺骨とはここでお別れになることが多い。
    • ご遺骨は郵送することもできる。
  • 散骨前
    ご遺骨を粉骨
    • 粉骨しないと散骨できないため、粉骨する(ご遺骨のパウダー化)。
    • 既に粉骨済の場合は不要。
  • 散骨前
    ご遺骨を包装
    • パウダー状にしたご遺骨を水溶性の専用の袋に入れる。
  • 散骨当日
    出航
    • 日程は業者さんにお任せ。日時指定できる場合もあるが、要相談。
    • 日時は決められないが、日程を連絡してくれる業者さんもいる。
    • 遺族の乗船はできないが、出航場所まではお見送り可の場合もある。
  • 散骨当日
    散骨
    • 業者さんによって、丁寧に散骨される。
    • 複数回散骨する場合は、時間をおきながら対応してくれる業者さんも。
  • 散骨当日
    献花・献杯・献水
    • 業者さんによって、代理で実施。
    • 捧げるものは環境に配慮した海に還りやすいもの。
  • 散骨当日
    号鐘・黙祷
    • 業者さんが代理でお祈りをしてくれる。
  • 散骨当日
    帰港
    • 終了後は、電話で完了報告してくれる場合もある。
  • ラベル
    散骨証明書の発行と郵送
    • 散骨証明書:散骨した海域や時間などが記載された書面。
    • 散骨風景の写真を届けてくれる業者さんもある。

合同散骨プランの概要と費用

「合同散骨プラン」は、他のご家族と同じ船に乗船し、合同で散骨を行うプランです。

プランの特徴
  • 他のご家族と乗り合わせるため、日程の指定は難しい。
  • 乗船を希望する人数が少なく、乗り合いでも気にならない方向け。
  • 個別ではないが、自分の手でご遺骨を散布することができる。
  • 費用感は「代理と貸切の中間」くらい。自分で見送りをしたいけど、費用は抑えたい方向け。

乗船者の人数も増え、自分で散骨に行くことができるので、海洋散骨の中での費用は、中間くらいのプランになります。

納骨堂・樹木葬・一般墓と比較すると、まだまだ費用は控えめですが「10万円」は超えるとお考えください。

価格は業者さんやオプションにもよりますが、いくつか価格を紹介します。

(1柱分の料金・それぞれの最安価を記載・社名は伏せています)

 E社 165,000円 (税込):1組2名、1名追加は11,000円
 F社 132,000円 (税込):1組2名、1名追加は11,000円

では、それぞれどのようなプランか、簡単に見てみましょう。

  • E社
    • 運行時間:14時~16時の2時間クルーズ
    • 毎月1回運行 (2名より実施)
    • 献花・献酒
    • 海洋散骨 (乗船)
    • 散骨の風景の写真撮影
    • 散骨証明書送付
    • 粉骨費用は別途33,000円 (税込)
  • F社
    • 粉骨とご遺骨の専用袋の準備
    • クルーは2名乗船
    • 献花・献酒・献水
    • 海洋散骨 (乗船)
    • 散骨の風景の写真撮影
    • 散骨証明書送付

どちらも、依頼者が穏やかにお見送りするためのサービスが整えられていますが、粉骨の追加料金の有無で費用感が変わります。

乗船人数の追加は、どちらも対応していますが、人数が増えた場合は「貸切散骨プラン」の方が良いかもしれません。

合同散骨の代表的なスケジュール
  • 契約前
    打ち合せ・契約・ご遺骨の引き渡し
    • 業者さんに希望を伝えて納得したら契約。
    • ご遺骨は郵送することもできる。
  • 散骨前
    ご遺骨を粉骨
    • 粉骨しないと散骨できないため、粉骨する(ご遺骨のパウダー化)。
    • 既に粉骨済の場合は不要。
  • 散骨前
    ご遺骨を包装
    • パウダー状にしたご遺骨を水溶性の専用の袋に入れる。
  • 散骨当日
    乗り合いで出航
    • 他のご家族と乗り合わせるため、日程の指定は不可。
    • 遅刻は他の方の迷惑になるので、厳禁。
  • 散骨当日
    散骨
    • 1組ずつ、間隔を空けて散骨できる。
  • 散骨当日
    献花・献杯・献水
    • 捧げるものは環境に配慮した海に還りやすいもの。
  • 散骨当日
    号鐘・黙祷
    • 海域やお花の周りを周回した後に、帰路につく。
  • 散骨当日
    帰港
  • ラベル
    散骨証明書の発行と郵送
    • 散骨証明書:散骨した海域や時間などが記載された書面。
    • 散骨風景の写真を届けてくれる業者さんもある。

貸切散骨プランの概要と費用

「貸切散骨プラン」は、貸切クルーザーで個別に散骨できるプランです。

プランの特徴
  • クルーザーを専用にチャーターするため、日時は指定できますが、業者さんにより運行時間帯が定められている場合があります。
  • 貸切ですので、お身内だけで故人を送ることができます。
  • 1名で貸切ることも可能です。(個別に要確認)
  • あなたとご家族だけの海洋散骨をフォローしてくれるため、価格は1番高くなります。

乗船定員、もしくはプランで定める人数上限内なら、人数調整が可能なプランが多く、貸切クルーザーを1人で使うことも可能です。

ただし、クルーザーを貸切るため、費用は海洋散骨のなかでも高額になります。


価格は業者さんやオプションにもよりますが、いくつか価格を紹介します。

(1柱分の料金・それぞれの最安価を記載・社名は伏せています)

 G社 198,000円 (税込)
 H社 110,000円 (税込):1~3名の場合
 I社 121,000円 (税込):定員8名
 J社 242,000円 (税込):1~8名の場合
  • G社
    • ご遺骨発送 (着払いで郵送)
    • 粉骨とご遺骨の専用袋の準備
    • 献花・献酒
    • 海洋散骨 (乗船:12名以内・70分程度)
    • 散骨証明書送付
    • 骨壺処分
  • H社
    • ご遺骨の輸送:東京23区・半径20km圏内は無料、エリア外は有償で最大33,000円 (税込)
    • 粉骨とご遺骨の専用袋の準備
    • 海洋散骨 (乗船、人数は最大10名 ※費用プラス)
    • 献花/献酒
    • 骨壺処分
    • 散骨証明書送付
  • I社
    • 土日祝は「+33,000円 (税込)」
    • 粉骨は別途「+33,000円 (税込)」
    • 海洋散骨 (乗船、人数は最大8名・90分程度)
    • 献花/献酒
    • ドリンクサービス・お茶菓子
    • 散骨の風景の写真撮影
    • 散骨証明書送付
  • J社
    • ご遺骨の引き取り手配(送料無料・引取費は別途)
    • 粉骨とご遺骨の専用袋の準備
    • 献花・献酒・献水
    • クルー2名
    • 海洋散骨 (乗船、人数は最大8名)
    • メモリアルDVD
    • 散骨証明書送付

違いが分かれるところとして、土日祝の特別料金の設定・粉骨の追加料金・ご遺骨の郵送・引き取り料金が挙げられます。

お安く見える価格でも、他の業者さんのプランでは含まれているものが「含まれていない」場合もありますので、サービスの幅は確認が必要です。

乗船時間も業者さんによって変わりますが、それぞれのプラン内容や散骨する柱数にもよりますので、あくまでも目安です。

また、1番高い価格帯のため、代理や合同散骨プランと比較すると、接遇面でかなり配慮があります。

貸切散骨の代表的なスケジュール
  • 契約前
    打ち合せ・契約・ご遺骨の引き渡し
    • 業者さんに希望を伝えて納得したら契約。
    • ご遺骨は郵送することもできる。
  • 散骨前
    ご遺骨を粉骨
    • 粉骨しないと散骨できないため、粉骨する(ご遺骨のパウダー化)。
    • 既に粉骨済の場合は不要。
  • 散骨前
    ご遺骨を包装
    • パウダー状にしたご遺骨を水溶性の専用の袋に入れる。
  • 散骨当日
    出航
    • 貸切のため、日時指定に対応していることが多い。
  • 散骨当日
    散骨
  • 散骨当日
    献花・献杯・献水
    • 捧げるものは環境に配慮した海に還りやすいもの。
  • 散骨当日
    号鐘・黙祷
    • 海域やお花の周りを周回した後に、帰路につく。
  • 散骨当日
    帰港
  • ラベル
    散骨証明書の発行と郵送
    • 散骨証明書:散骨した海域や時間などが記載された書面。
    • 散骨風景の写真・DVDを届けてくれる業者さんもある。

海洋散骨と樹木葬・納骨堂の違い

海洋散骨と樹木葬・納骨堂の違い

墓じまいを考えている方が、新たな納骨先として考えている場所は、海洋散骨だけではありません。

例えば、継承者や管理者が不要になる「納骨堂」や「樹木葬」も候補として考えられます。

一方、継承者・管理者が引き続き必要な「一般墓」、紛失の危険性や供養をしている方が亡くなった時に困る「手元供養」のようなご供養方法は、

墓じまいを考えている方の候補には、あまり挙がらないかもしれませんね。

では「新たな納骨先」として良く候補に挙げる「海洋散骨」と「樹木葬」・「納骨堂」の違いについて、ざっくりと説明します。

海洋散骨と樹木葬・納骨堂の違いはこちら。

  • 施設のある場所
    • 樹木葬は「屋外」、納骨堂は「屋内」にある。
    • 海洋散骨は「海」であり、施設はない。
  • お墓の見た目
    • 樹木葬は、名前の通り木々が墓標。一般的なお墓の見た目とは違う。
    • 納骨堂には墓石型もあるが、ロッカー型・自動搬送型もあり、一般的なお墓の見た目と異なるものが多い。
    • 海洋散骨は、海にご遺骨を散布するため、具体的な墓標はない。
  • 費用
    • 樹木葬の平均購入価格は「66.9万円」納骨堂は「77.6万円」、(第14回お墓の消費者全国実態調査(2023年))。
    • 樹木葬も埋葬方法や形態により費用が変動するが、やや樹木葬の方が控えめな価格。
    • 海洋散骨はプランやオプションにもよるが、樹木葬・納骨堂よりも費用が抑えられる場合がある。

納骨堂の費用や種類について、説明している記事はこちら

樹木葬の費用や種類について、説明している記事はこちら

海洋散骨のメリット・デメリット

海洋散骨のメリット・デメリット

海洋散骨も、メリットと思える良さと、デメリットと思える心配があります。

海洋散骨のメリットとデメリットをいくつか挙げてみます。

メリット
  • 一般的なお墓・納骨堂・樹木葬より、費用を抑えられることが多い。
  • 年間管理費のような維持費がかからない。
  • 海・自然に還ることができる。
  • お墓掃除や草取りのような、お墓の美観を保つための手間はない。
  • お墓はないため、維持管理も不要で無縁墓になることはない。
  • 誰がお墓を継ぐのか問題になりがちだが、海洋散骨の場合は心配不要。
  • 墓石がいらないため、自然環境にやさしい。(産廃がでない)
  • 宗教や宗派は、基本的に関係なく誰でも入りやすい。
  • 運営母体の破綻・施設の老朽化を気にする必要はない。
デメリット
  • 天候により、散骨実施が難しい時がある。
  • 寒さや暑さが酷い時は、体調管理が不可欠。船酔い対策も必要。
  • お墓がないため、祈る対象があいまいになる。
  • ご遺骨の回収が不可能のため、家族・親族間でトラブルが起きる可能性がある。
  • 粉骨が必須のため、粉骨をしないと海洋散骨ができない。

メリット:比較的費用を抑えられる

  • 一般的なお墓・納骨堂・樹木葬より、費用を抑えられることが多い。
  • 年間管理費のような維持費がかからない。

代表的な納骨先の平均購入価格は、一般墓「152.4万円」、納骨堂「77.6万円」、樹木葬「66.9万円」です。(第14回お墓の消費者全国実態調査(2023年))

海洋散骨は、豪奢なプランにしたり参加人数が極端に多くない限りは、これらよりも費用が抑えられる傾向にあります。

(1柱分の料金・それぞれの最安価を記載・社名は伏せています)

ご遺骨を業者さんにお渡しして、代理で散骨をお願いする「代行散骨プラン」の価格はこちら

 A社 27,500円 (税込)
 B社 55,000円 (税込)
 C社 44,000円 (税込)
 D社 49,800円 (税込)

他のご家族と同じ船に乗船し、合同で散骨を行う「合同散骨プラン」の価格はこちら

 E社 165,000円 (税込):1組2名、1名追加は11,000円
 F社 132,000円 (税込):1組2名、1名追加は11,000円

貸切クルーザーで個別に散骨できる「貸切散骨プラン」の価格はこちら

 G社 198,000円 (税込)
 H社 110,000円 (税込):1~3名の場合
 I社 121,000円 (税込):定員8名
 J社 242,000円 (税込):1~8名の場合

全てこの料金内に収まるとは限りませんが、一般墓・納骨堂・樹木葬の平均購入価格と比較すると、海洋散骨の価格はかなり下の方です。

納骨堂・樹木葬で、最初から合祀するタイプのご供養方法を選択したら、海洋散骨の方が高くなる可能性もありますが、

海洋散骨も合祀する場合も、ご遺骨を取り戻すことは不可能なので、注意が必要です。

合祀とは、骨壺からご遺骨を取り出して、他の方のご遺骨と合同で供養する方法です。ご遺骨は他の方のご遺骨と混ざることになります。

一般墓・納骨堂・樹木葬と違い、費用を抑えれるポイントとして「年間管理費がない」が挙げられます。

理由は単純で、海にご遺骨を散布するため、管理も何もないからです。ランニングコストは一切不要です。

メリット:海・自然に還る

  • 海・自然に還ることができる。

海洋散骨では、海・自然に還る色合いが強いため、そう希望する方にとっては、希望が叶うご供養方法です。

業者さんに依頼した場合、間違いなく粉骨した後で、水溶性の専用袋に入れて、海に流します。

水に溶ける袋に入れているため、その袋がとけた後、ご遺骨は海に混ざっていきます。

まさしく「海・自然に還る」ことができる、ご供養方法です。

特に、海でお仕事されていた方や海が大好きだった方など、海にゆかりのある方に好まれています。

メリット:お墓の清掃不要

  • お墓掃除や草取りのような、お墓の美観を保つための手間はない。

屋外の一般墓の場合、雨風にも晒され土埃もつくので、お参りに行ったらお墓を磨く方も多いと思います。

納骨堂や樹木葬は、施設の方が丁寧にメンテナンスしてくれますので、個人で大掛かりな清掃をする必要はありませんが、

海洋散骨の場合は、お墓そのものがありませんので、清掃する対象がありません。

お墓のお手入れが不要であることは、送った側としては、楽になるかと思います。

お墓のメンテナンスが不要な分、ご自宅にあるご遺影など綺麗にして差し上げたら良いのかな、と思います。

メリット:無縁墓にならない

  • お墓はないため、維持管理も不要で無縁墓になることはない。

筆者について言えば、独身・子供なし・一人っ子。もう一人、継承者の候補はいますが、彼に迷惑もかけたくないのが本音です。

筆者が継承者のお墓の関係者は、母の兄弟などいますが、筆者に何かあった後は、ゆるやかに荒れて行くのだろうと察します。

そして、行きつく先は「荒れ果ては無縁墓」。さすがに嫌です。

海洋散骨の場合、物理的な墓標はなく、大事な人は墓地にも眠っていません。

物理的なお墓がないため、無縁墓にはなりようがないのです。

メリット:継承者不要

  • 誰がお墓を継ぐのか問題になりがちだが、海洋散骨の場合は心配不要。

墓じまいを検討する人の「墓じまいをする理由」には「継承者がいない」「いるけど、負担になるから墓じまいをしたい」が挙げられます。

海洋散骨の場合、墓標という物理的な存在がないため、継承するものがありません。

海洋散骨をご供養方法として選択した場合、継承問題は発生しません。

一般墓は「墓石」、納骨堂は「ご位牌やご遺骨(契約したタイプによる)」、樹木葬は「シンボルツリー」が墓標になりえます。

納骨堂や樹木葬は墓標・墓標とみなせるものはありますが、契約者が旅立った後は、施設側がご供養してくれるので、

基本的に「継承者不要」であり、継承者不要の点で言えば、海洋散骨と同じです。

一般墓は、まさしく「継承」を前提とした存在ですので、一線を画すご供養方法です。

海洋散骨は、お墓の維持管理する必要はなく、継承者も不要、もちろん海で眠りますので、檀家になることはありません。

メリット:環境にやさしい

  • 墓石がいらないため、自然環境にやさしい。(産廃がでない)

「墓石が不要」「墓標となるものがない」海洋散骨の特徴であり、一般墓・納骨堂・樹木葬よりも比較的安価で実施できる理由です。

ちなみに、一般墓にあるような墓石ですが、墓じまいする時は閉眼供養の後、許可を受けた業者さんによって「産業廃棄物」として処理されます。

墓石がエコではないと言いませんが、海洋散骨は自然にも優しいご供養方法として知られています。

環境のお話をするのなら、ご遺骨に含まれている有害物質について、少しお話しましょう。

ご遺骨には「六価クロム」という有害物質が含まれています。

人体にも海洋にも良くないのでは?と心配になりますが、海洋散骨をしている業者さんに粉骨を依頼すると、

還元剤を用いて、無害な「三価クロム」に還元してくれるので、人体にも環境にも優しくなります。

また散骨するときは、ご遺骨を水溶性の専用袋に入れて散布するため、ご遺骨が大気中に舞ってしまうこともありません。

メリット:宗教・宗派は関係ない

  • 宗教や宗派は、基本的に関係なく誰でも入りやすい。

海洋散骨を希望する方の宗教・宗派は問われません。誰でも利用できるご供養の方式です。

もちろん、特定の宗教・宗派に属していることも問題ありません。

貸切散骨プランでご家族以外に、お坊さんや牧師さんが同乗してお祈りすることも可能です。

海洋散骨で気にするところは宗教ではなく、故人が海洋散骨を希望していたかどうか・他のご家族や親せきの同意があるかどうかなど、別のところにあります。

メリット:運営母体の破綻は関係ない

  • 運営母体の破綻・施設の老朽化を気にする必要はない。

海洋散骨は「散骨したらお終い」で、業者さんとのご縁は一度終わることになります。

しかし、一般墓・納骨堂・樹木葬を選択した場合、運営母体の破綻は、少なからず気にかかるポイントです。

運営母体が公営や寺院だと、まだ安心かもしれませんが、民間となると経営状況の悪化により、

突然施設が閉鎖され、ご遺骨が取り出せなくなる危険性も含んでいます。

過去には、納骨堂の運営母体が事前の連絡なく破綻したため、問題になったことがありました。

ご遺骨は、手元を離れているので取り返すことすらできません。

また、ご遺骨を勝手に動かすことは法律でも禁止されていますで、何もできない状態でした。

海洋散骨だったら、冒頭書いたように、業者さんとの繋がりは「散骨したら終わり」です。

少し酷い言い方ですが、終わった後の経営状態を心配する必要は、ありません。

また、故人は海で眠るので、施設の老朽化も気にする必要はありません。

個人として海の環境を守る取り組みはしたとしても「施設」ではないため、建物・設備が老朽化するわけではありません。

デメリット:荒天による延期

  • 天候により、散骨実施が難しい時がある。

海へ出ますので、荒天時は出航が難しく、日程変更を余儀なくされる場合があります。

自然ですので、天候はどうしようもありません。

波風・雨が比較的弱い場合は、船員の判断により出航できる可能性もありますが、荒天時は順延となります。

また、乗船する親戚が遠方から来ていた場合は、自分たちでフォローしないといけません。

依頼者に責はなく、やむを得ない理由によって出航できない場合の料金・取り扱いは、業者さんに事前相談が必要です。

Q
天気が悪い時は、出航できないの?
A

船長の判断によります。

  • 小雨のような場合は、出航できる可能性もありますが、船長が危険だと判断した場合は延期になります。
  • 荒天時の取り扱いは、事前確認が必要です。

デメリット:厳しい気候と船酔い

  • 寒さや暑さが酷い時は、体調管理が不可欠。船酔い対策も必要。

クルーザーによっては、客室が備わっています。(中型から大型のクルーザーに多い)

そこにはエアコンや暖房器具が設置されているため、酷暑や極寒であっても、船内に逃げ込むことができます。

サロンのような場所があったとしても、自分で準備することも大事です。ぜひ、気候に合わせた対策や服をご準備ください。

慣れない海上に行くことになりますので、前日の睡眠時間など体調管理も大切です。

船酔いだけはどうしても・・・とおっしゃる方もいると思います。

海洋散骨をしている業者さんに、ぜひ船酔い対策を聞いてください。

酔い止めなど、アドバイスをくださると思います。


どうしても船が苦手な方は、陸からお見送りするか、代行散骨プランの利用を視野に入れても良いですね。

Q
暑さや寒さ、船酔いが心配だけとどうしたら?
A

自己防衛も大事ですが、心配なら業者さんに質問してみましょう。アドバイスを頂けます。

  • 暑い時期・寒い時期、時期に応じた服装で行ってください。
  • 海上ですので、日光・風を遮るには船内に入るしかありません。
  • 中型以上のクルーザーでは冷暖房完備かもしれませんが、散骨する時は船室から出ることになります。
  • 船酔いが心配な際は、おススメの酔い止めがあるか、ぜひご確認ください。

デメリット:お墓参り・・・?

  • お墓がないため、祈る対象があいまいになる。

お墓・墓標がないため、維持管理が不要で年間管理費のような出費がないことは、海洋散骨メリットです。

一方、お墓・墓標がない=わかりやすい祈りの対象物がないため、海へお参りに行ったとしても、いささか漠然としたお参りになる可能性があります。

自宅にご遺影やご位牌があったら、お祈りはしやすいかもしれませんが「お墓参りへ行く」「どこへ?」「海へ」「???」と戸惑う方も多いでしょう。

一般墓なら、墓石に向かって手を合わせてお祈りすることへ「抵抗感」や「なんかイメージと違う」と思う方は少ないかと思います。

それくらい墓石に向かって手を合わせる習慣は、根付いています。

海洋散骨は墓標がないので、ご供養方法としては成り立っていても、散骨後のお祈りは、やや漠然とした印象を抱く人もいます。

Q
散骨は良いけど、した後のお参りはどうしたら?
A

海洋散骨は墓標がないため、いささか漠然としたお参りになるかも・・・

  • 業者さんによっては、メモリアルグッズを紹介してくれます。
  • ご遺骨を収められるタイプもあるので、祈りの対象にはしやすいです。
  • しかし個人的には、墓じまいを考えている方にはおススメしません。(そのご遺骨どうするつもり?となりますので・・・)

デメリット:ご遺骨の回収不可

  • ご遺骨の回収が不可能のため、家族・親族間でトラブルが起きる可能性がある。

分骨する場合は、物理的に手元にご遺骨が残りますが、全てのご遺骨を散布すると手元には何も残りません。

海洋散骨は、水溶性の専用袋にご遺骨を収めて海に流します。つまり、回収は不可能です。

人によっては、ご遺骨と「個別」に会いたいと思う方もいるでしょう。

ご遺骨と会うことで、お参りできたと思う気持ちは、筆者も理解できます。

この感情が原因で、事前に親族間でご供養方法を相談・共有しておかないと「勝手なことをした」と思われてしまい、トラブルに発展します。

墓じまいもですが、ご供養の方法も事前に相談して、同意を得ておく、これが大事です。

Q
海洋散骨に興味はあるけど、ご遺骨を全て海へ還すことに抵抗がある。
A

抵抗がある方は、分骨して、一部を納骨堂や樹木葬に納骨することもできます。

  • 分骨したご遺骨を納骨堂や樹木葬に納骨できるプランを全ての業者さんが準備しているわけではありません。
  • 分骨を希望する際は、希望をかなえられる業者さんを見つけることになります。
  • 費用面で海洋散骨を選択した方にとっては、分骨と納骨堂や樹木葬の契約がプラスされますので、費用は膨らみます。
  • 全てのご遺骨を散骨する場合は、事前に親族への相談と同意を取り付けることが非常に大切です。

デメリット:粉骨が必須

  • 粉骨が必須のため、粉骨をしないと海洋散骨ができない。

海洋散骨を行う場合、必ずご遺骨は粉骨しないといけません。

粉骨していないご遺骨が流れてきたと想像したら・・・筆者なら、間違いなく通報します。

このようなことを防ぐ意味もあるため、粉骨が必須です。

粉骨=ご遺骨をパウダー状にすると言えば聞こえは良いですが、実際はご遺骨を細かく砕く行為です。

必要な事とは言え、心理的に負担を感じる方もいると思います。

粉骨ありきの海洋散骨ですので、お願いする時は決断しないといけません。

Q
どうしても粉骨しないといけないの?
A

粉骨は必須です。しないと散骨できません。

  • 海洋散骨は「葬送の目的」をしっかりもったうえで「節度をもち」「ガイドラインを遵守」したうえで、他の人に迷惑をかけずに実施しないといけません。
  • 粉骨していないご遺骨が流れ着いた場合、発見した人にご迷惑がかかります。
  • 同様に、大事な人のご遺骨が海から戻され流れ着いたら、悲しいと思います。
  • 粉骨することで、これらのリスクを回避することが可能です。

海洋散骨でのマナー・ルール・注意点

海洋散骨でのマナー・ルール・注意点

海洋散骨は「葬送の目的」をしっかりもったうえで「節度をもち」、「ガイドラインを遵守」したうえで「他の人に迷惑をかけず」に実施しないといけません。

海洋散骨は、法律で禁止こそされていませんが、ご供養の方法としてなじみ深いものではありません。

中には快く思わなかったり、自身の住んでいる近くの海域に散骨されることに、抵抗感を抱く方も多くいます。

無用なトラブルを避けるために、ルール・マナー・注意すべきことは知っておきましょう。

細かい規程は、業者さんごとは異なりますが、海洋散骨の一般的なルールやマナー、注意点を紹介します。

ルール・マナー・注意点
  • 散骨は、個人でもすることは可能ですが「節度」をもって行うには、注意が行き届かない場合もあります。業者さんに依頼する方が安心です。
  • 散骨できる海域は、限られています。海域は業者さんにお任せしましょう。
  • ご遺骨は、粉骨してから海へ還しましょう。
  • ご遺骨と一緒に海に流せるものは、自然に還るものに限られます。
  • 散骨する海域は、散骨専用の海域ではありません。他の方の目もあるため、喪服は避けましょう。
  • 平服で問題ありませんが、華美な服装・露出の多い服、派手なアクセサリーは控えましょう。
  • 当日の遅刻は厳禁です。特に合同散骨プランの場合は、乗り合わせる方の迷惑になります。
  • 業者さんがしっかり保険(船客保険および船体保険など)に加入しているかどうか、確認してください。
  • 業者さんが、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」と一般社団法人日本海洋散骨協会の「日本海洋散骨協会ガイドライン」を遵守しているか確認してください。

業者さんにお任せする方が安心

  • 散骨は個人でもすることは可能ですが「節度」をもって行うには、注意が行き届かない場合もあります。業者さんに依頼する方が安心です。

国の見解では、散骨はご遺骨の遺棄にも該当しないため「葬送という目的」のもと「節度」もって行われる限り、問題はないことになっています。

一方、海洋散骨を含む「散骨」という行為には、法整備が追い付いていないのも事実。

「節度」という言葉を使って、個人の品性にお任せするかたちになっています。

節度と言われも・・・と困るかもしれませんが、日本海洋散骨協会ではこのように説明しています。

  • 散骨は葬送を目的とし、場所や方法は、まわりの人の宗教的感情を十分に考慮しておこないましょう。
  • 海洋散骨をおこなう海域は、漁船や海上交通の要所を避けておこないましょう。
  • お骨は形がお骨と分からない程度に粉末化しましょう。
  • 環境問題に配慮しましょう。自然に還らない副葬品を海に撒いてはいけません。
一般社団法人日本海洋散骨協会HP

言っていることは十二分にわかりますが、個人で全て散骨を取り仕切ろうとすると情報不足により、穴が生じそうです。

小さい穴だったら良いのですが、大きい穴だった場合、トラブルに発展する可能性もあります。

特段の理由がない限り、散骨をする際は実績の多い業者さんにお任せする方が良いでしょう。

散骨できる場所は自由ではない

  • 散骨できる海域は限られています。海域は業者さんにお任せしましょう。

法律により定めがあるわけではありませんが、配慮が必要です。

散骨する側は、故人の希望をかなえられたと満足感があるかもしれませんが、もし自宅近くに撒かれたら・・・

法律の定めがないからこそ、視点を変えて考えること・逆の立場になって考えることが大切です。

一般的に、このような場所での散骨は控えるべきだとされています。

  • 海水浴場やマリンレジャースポット・観光地が近くにある水域・海域
  • 養殖場・漁場が近くにある海域
  • 各自治体の条例により制限がある水域・海域
  • 飲料水として使用する水源・水域・海域 (河川・湖・沼・滝など)

間違えたら、ルール・マナー違反では済まず、訴訟に発展するケースもあるので、本当に配慮と注意が求められます。

実際にトラブルになった過去もあるため、いくら故人の希望や送る側の希望があったとしても、その気持ちは抑えないと、処罰の対象になる恐れがあります。

また、業者さんが用意していくれた散骨用の船以外、例えば遊覧船やフェリーなどからの散骨も厳禁です。

他のお客さんへの迷惑になるだけではなく、船の運航会社から損害賠償請求される可能性もあります。

散骨は粉骨してから

  • ご遺骨は粉骨してから海へ還しましょう。

本記事で何度か触れてきましたが、海洋散骨を行う場合、必ずご遺骨は粉骨しないといけません。

粉骨をしなかった場合、法律に抵触する可能性が高いです。

粉骨=ご遺骨をパウダー状にすると言えば聞こえは良いですが、実際はご遺骨を細かく砕く行為のため、必要とは言え、自分でするには苦痛を感じる方もいると思います。

心情的にも技術的にも負担しかありませんので、専門の業者さんに依頼するか、海洋散骨する業者さんに依頼する方が無難です。

ご遺骨と一緒に流せる物の制限

  • ご遺骨と一緒に海に流せるものは、自然に還るものに限られます。

海洋汚染・生態系への悪影響を防ぐために、ご遺骨と一緒に流せる物には制限があります。

基本的に、短時間で自然に還る物のみ、一緒に流すことが可能です。

例えば、花束を持参したとします。

もちろん、花束の持参は問題ないのですが、リボン・ビニールなどのラッピングは全て取り外さないといけません。

また、茎から花びらを取り、花びらのみ流します。茎や葉は持ち帰ることになります。

葉や茎よりも、花びらのみの方が早く自然に還りやすく、環境にも優しいとされているからです。

故人の好きだった食べ物も一緒に流せる場合もありますが、どこまでの食品を流せるか、業者さんに確認が必要です。

船内に持ち込める持ち物もあわせて確認すると、当日焦らずに済みますね。

遺品だったとしても、金属製品・プラスチック製品は厳禁です。

服装は動きやすく控えめな平服で

  • 散骨する海域は、散骨専用の海域ではありません。他の方の目もあるため、喪服は避けましょう。
  • 平服で問題ありませんが、華美な服装・露出の多い服、派手なアクセサリーは控えましょう。

散骨をする時は、厳かな雰囲気の流れる場になりますが、喪服ではなく平服で行きましょう。

派手なアクセサリーや露出を避けることは、言うまでもありませんが、華美なものさえ避けたら平服ではなく普段着でも問題ありません。

  • 平服:冠婚葬祭においては、略礼服(インフォーマル)を指します。フォーマルではないけど、カジュアルでもないくらいのイメージです。
  • 普段着:常日頃、着用している服。

平服(もしくは普段着)で参加する理由は2つあります。

  • 喪服だと、あからさまに散骨しているのがわかり、トラブルになる可能性があるから。
  • 海上でもしもの事があった場合、動きやすいようにするため。

1つ目は、散骨をする一行を見る側への配慮です。

散骨する側からすれば、故人を送る大事なひと時ですが、近隣の方・たまたま近くにいた方とは、共有できる時間でも気持ちでもありません。

海洋散骨を快く思わない方もいること・乗船場には観光や結婚式でいらした方もいるため、散骨する側が一歩身を引くかたちをとっています。

2つ目は、言葉の通りです。

もしもの時のためもありますし、波で揺れた際・足元が濡れている際、乗船客の安全を確保するためでもあります。

ヒールの高い履物や革靴は、避けた方が無難です。


身軽な格好で足元は履きなれたスニーカーがちょうど良いですが、喪主さんなどの意向の確認と尊重は必要です。

遅刻厳禁

  • 当日の遅刻は厳禁です。特に合同散骨プランの場合は、乗り合わせる方の迷惑になります。

業者さんによっては、可能な限り調整してくれるかもしれませんが、このような時の遅刻は考えられません。

乗り合いのプランの場合は、他のご家族に非常にご迷惑かけることになりす。

その結果、船内の雰囲気や散骨時ギスギスした雰囲気が流れていたら、故人にも申し訳ないことです。


お相手のご家族が気持ちよく故人を送れなかったと思わせかねないため、間違えても遅刻をしてはいけません。

もちろん、貸切クルーザーだから良いというわけでもありません。

しっかりした業者さんを選択

海洋散骨は法律で定められていない分、なんでも自由にできると思いがちです。

個人だけではなく、業者さんも同様です。ガイドラインを遵守してない業者を選ぶ理由は、一切ありません。

また、海の上で何か起きた際、どこまでしっかり対策しているか確認も必要です。

一般社団法人日本海洋散骨協会のガイドラインには、このような記載があります。

参列者の安全確保義務

(1)加盟事業者が散骨を行うには一人あたり3000万円以上の船客賠償保険に加入した船舶を用いなければいけません。
(2)加盟事業者は、以下のとおり、船舶乗船者の安全を図る必要があります。

ⅰ 船舶の整備・保全に努めること
ⅱ 航行中の小型船舶に乗船中の小児(12歳未満)にはライフジャケット(救命胴衣)を着用させること(着用措置が免除される場合を除く)
ⅲ 緊急時の連絡体制を確立し、無線機・携帯電話等の通信設備を備えること
ⅳ 船舶の乗船定員を厳守すること
ⅴ 風速・波高・視程による出航停止基準や出港後の運航中止基準を確立し、厳守すること
ⅵ その他法令に従い安全に船舶の運航を行うこと

安全確保に努めたうえで、船舶保険にも加入している業者さんを選びましょう。

海洋散骨の契約手続き

海洋散骨の契約手続き

墓じまいを目的に海洋散骨される方、最初から海洋散骨される方、生前契約される方、どんな方も海洋散骨の契約手続きは進めることができます。

自分のことでもあっても、大切な方のことであっても、とても大事なことに変わりはありません。

情報収集はできるだけ詳細に、かつ丁寧にすることをおすすめします。

どんな海なのか、雰囲気を確認することも大事です。

墓じまいの流れで購入する方

墓じまいの流れの一環で進めている方は「墓じまいの9のステップ」の「STEP4」に該当します。

墓じまいの9のステップ
  1. 事前に親族に相談し、墓じまいの同意を得る
  2. 必要な手続きや書類を確認する
  3. 霊園・墓地の管理者に相談し、墓じまい(お寺さんなら離壇)の意思を伝える
  4. お墓に納められているご遺骨のお引越し先を決める
  5. 墓じまい・墓石の撤去を依頼する石材店や業者さんを決める
  6. 墓地のある自治体で必要な行政手続きを行う
  7. お墓・墓石の閉眼供養(=魂抜き・御霊抜き)を行い、ご遺骨を取り出す
  8. 業者さんに墓石の撤去をしてもらい、お墓を更地にして、管理者に使用権を返還する
  9. お引越し先へ改葬許可証を提出し、納骨する=墓じまい完了

墓じまい全体の流れは、こちらのページに詳しく書いてあります。

海洋散骨の契約手続きの流れはこちら。

  1. 海洋散骨について調べ、気になる業者さんを見つける
  2. 資料請求を行い、価格や規約など比較
  3. 契約をすると決めた施設に、契約手続きを連絡
    • 相談→見積もり→申し込み
  4. ご遺骨の引き渡し
  5. お支払完了
  6. 粉骨(粉骨済みの場合は不要)
  7. 海洋散骨当日→完了

自分のために生前契約する方

自身が亡くなったら海洋散骨を希望する方が、生前契約をすることも可能です。

しかし、一般墓・納骨堂・樹木葬と異なり、スペース・場所を確保しておくものではありません。

生前の契約手続を行っていない可能性もあるため、各業者さんにお問い合わせすることをおススメします。

手続きや必要書類の内容も異なり、費用の発生・支払いもまちまちです。

形のあるものを契約しないため、生前契約の際は、こんなことにお気を付けください。

  • 自分が海洋散骨を希望していることを、家族・親族に伝え「同意」を得ておく
  • 生前契約したなら、業者さんの連絡先など共有する
  • 業者さんの事情により、散骨するは将来変わる可能性があることを覚えておく
  • 法律の改定により、海洋散骨が禁止される可能性も視野に入れる
  • 業者さんが廃業している可能性も視野に入れる
  • 廃業した場合の引継ぎ先の確認もする

手続きに必要な書類

業者さんにより、ばらつきがありますが、大体このような書類が必要です。

  • 海洋散骨依頼書・申込書・同意書 (業者さんに海洋散骨を依頼するため)
  • 粉骨に関する同意書 (粉骨が必要な方のみ)
  • 改葬許可証・火葬許可証・埋葬許可証・除籍謄本のいずれかの写し、もしくは原本 (業者さんにより異なる)
  • 申込者の身分証の写し

時には、追加提出書類が求められるかもしれませんので、都度ご対応ください。

契約する際には案内があると思いますが、比較している最中なら、資料請求時などにご確認ください。

海洋散骨 業者さんの選び方

海洋散骨 業者さんの選び方

では、どのように海洋散骨の業者さんを見つけたらよいのか?選んだらよいのか?

ネットを検索すると、かなりの数の業者さんが見つかります。

しかし、どの業者さんがガイドラインを遵守しているのか、安心な業者さんなのか決めかねてしまいます。

ここでは、お任せできる業者さんを紹介します。

  • 海洋記念葬シーセレモニー (海洋散骨専門)
  • みんなの海洋散骨 (海洋散骨専門)
  • ミキワの墓じまい (墓じまいが同時の方は特におすすめ)
  • わたしたちの墓じまい (墓じまいが同時の方は特におすすめ)

海洋記念葬シーセレモニー

「シーセレモニー(株式会社SPICE SERVE)」も、洋散骨を専門とされている業者さんです。

  • 一般社団法人日本海洋散骨協会 加盟事業者(東日本支部長)
  • 全国海洋散⾻船協会 理事監査役
  • 社団法人 日本旅行業協会正会員
  • 海洋散骨専門の業者
  • 関東をはじめに、大阪や沖縄、ハワイなどの海域に対応している
  • テレビ・雑誌など、メディア掲載実績多数あり

「シーセレモニー」は、一般社団法人日本海洋散骨協会 加盟事業者さんです。

しかも、東日本の支部長を務めているので、安心感と信頼感は抜きんでたものがあります。

同時に、先客保険など、万が一の保険も準備されているため、送る側への配慮を忘れていません。

では、気になる費用を紹介します。(乗船人数やオプションにより変動します)

代行散骨プラン55,000円 (税込) ~
合同散骨プラン165,000円 (税込) ~
貸切散骨プラン121,000円 (税込) ~

シーセレモニーの特徴として、豊富な散骨プランが挙げられます。船のグレードがアップしたプランや、法要プランなど、多種多様です。

故人のご希望や、送る側の気持をプランに反映させた、海洋散骨を行えます。

また、トラブルが起きないように、ホームページでは情報を掲載しています。

ホームページがとても見やすいだけではなく、厚生労働省のガイドライン安全運航への取り組みなど、

安心して故人を送れるよう、シーセレモニーは、仕組み作りにも取り組んでいます。

安心・信頼して海洋散骨ができる、海洋散骨の専門業者さんです。

みんなの海洋散骨

まずは「海洋散骨専門」の「みんなの海洋散骨(株式会社Aクルーズ)」を紹介します。

  • 一般社団法人日本海洋散骨協会 加盟事業者
  • 海洋散骨の専門業者
  • わたしたちの墓じまいのHPで、海洋散骨専門業者としてトップに掲載、他社からの注目も集めている
  • ほぼほぼ全国の海域に対応している
  • テレビ・雑誌など、メディア掲載実績多数あり

気になる費用をまず紹介します。(乗船人数やオプションにより変動します)

代行散骨プラン44,000円 (税込) ~
合同散骨プラン132,000円 (税込) ~
貸切散骨プラン242,000円 (税込) ~

「みんなの海洋散骨」は海洋散骨に特化した専門業者さんは記載した通りですが、一般社団法人日本海洋散骨協会 加盟事業者さんです。

ホームページにもしっかりその旨記載されています。

また、納骨堂と樹木葬の記事で紹介した「わたしたちの墓じまい(一般社団法人 日本改葬協会)」がおススメしている海洋散骨専門業者として、ホームページに紹介されています。

さらに、メディアに多数取り上げられているので信頼度も上がりますね。

安心してお任せできる業者さんです。

「みんなの海洋散骨」は、日本全国のほぼすべての海域に対応していることも特徴です。

専門業者さんだけあり、海域を限定していないため、貸切散骨プランなどで遠方から来なくても大丈夫。

さらに、豊富なオプションサービスもあるため、定型的なプラン以外にも家族の希望に応じたプランの提供が可能です。

特に強いのは海洋散骨ですが、納骨堂や樹木葬など他のご供養方法の情報も提供してくれます。

もし、ご遺骨の一部を海洋散骨にして、残りを納骨堂などに納めたいと希望している方にとっても相談しやすい業者さんです。

ミキワの墓じまい

「墓じまい」に強い業者さんですが「海洋散骨」にも力を入れいているのが「ミキワの墓じまい(株式会社サンテレーヴ)」。

  • 相談は全国受付・納骨先の相談・紹介・提案サービスあり
  • 墓じまいから、新しい納骨先(=海洋散骨など)までワンストップサービスを提供
    • 海洋散骨の他に、は樹木葬などの情報提供もあり
  • 海洋散骨に力を入れているため、専門業者さんと引けを取らない情報量・実績・サービスあり
  • 墓じまいを同時に考えている方には、行政手続き代行など各種サービスの提供
  • メディアで紹介された実績あり (テレビ・雑誌など)

「ミキワの墓じまい」も、墓じまいを希望している方にとって、頼りになる業者さん。

墓じまいと海洋散骨に強いため、特に「墓じまい」と「海洋散骨」を考えている方は、安心して相談できます。

ホームページには、墓じまいのページとは別に「海洋散骨の専門ページ」があるので、海洋散骨に力を入れていることが良くわかります。

費用を紹介します。(ご遺骨の保管状態やオプションにより変動します)

代行散骨プラン27,500円 (税込) ~
個別散骨プラン110,000円 (税込) ~

「ミキワの墓じまい」で散骨する海域は、東京湾。もちろん、他の方のご迷惑にならないエリアを選択しています。

個別散骨プランを選んだ場合、東京近郊にお住いの方は、比較的アクセスしやすい位置にあるかもしれません。

ホームページには散骨風景の動画もありますので、イメージがつきやすく、不安な方は安心できますね。

また、法要を散骨したポイントで行いたい場合は、メモリアルクルーズプランも準備しています。

こちらは緯度経度を伝えたら、他社さんで海洋散骨した方でも利用できるので、嬉しいプランです。

わたしたちの墓じまい

「わたしたちの墓じまい(一般社団法人 日本改葬協会)」は「墓じまい」の実績が豊富な業者さんです。

  • 全国対応・納骨先の相談・紹介・提案サービスあり
  • 紹介できるお墓の種類
    • 海洋散骨・樹木葬・納骨堂・公営墓地・霊園・寺院
    • 海洋散骨は5万円~ (税抜き)
  • 墓じまいを同時に考えている方には、離壇サポート・代行など各種サービスあり
  • ベテランスタッフや年間施工件数が数十件あるスタッフもいる、プロが多い業者さん

「わたしたちの墓じまい」は、特に墓じまいを検討している方にとって心強い業者さん。

墓じまいをした際、ご遺骨の行き先は「みんなが悩むこと」の1つです。

こちらの業者さんでは、墓じまいを行いながら「ご遺骨の行き先の相談」も受け付けていて、その中に海洋散骨も含まれています。

ホームページに掲載しているお客様の声にも、墓じまいと海洋散骨を依頼したお客様の声がありますので、実績のある業者さんです。

また、Youtubeのチャンネルを持っていて、墓じまいなどの情報も発信しています。

墓じまいを考えている方やトラブルで悩んでいる方へ、業者として参考になる情報や実例を発信しています。

「わたしたちの墓じまい」の実績が豊富で信頼できる業者さんの証拠ですね。

独身・独身予定の一人っ子と海洋散骨

独身・独身予定の一人っ子と海洋散骨

独身・子供なし・一人っ子が「お墓の将来」について考えるとき、こんなことが心配になります。

  • 継承者がいないことで、お墓が荒れていく
  • 継承者がいないことで、お墓が無縁墓になってしまう
  • 親戚に継承者してくれる人がいそうでも、その人の負担になるのではないか

これらは一人っ子だけの心配ではありませんが、一人っ子はより強く感じる心配です。

また、墓じまいを検討している最中の方も、より一層、継承について深く考えるでしょう。

墓じまいをして取り出したご遺骨の「新たな納骨先」に悩んだら「継承者が不要」「年間管理費なし」の「海洋散骨」を候補に入れてみてはいかがでしょうか。

Q
海洋散骨とは?具体的にどんな行為を指すの?
A

海洋散骨とは「葬送の目的」として、ご遺骨を「粉骨(パウダー状にすること)」し、ガイドラインを遵守したうえで海洋に散布することです。

  • 海と言う自然に還りたい・海が好き・海で仕事をしていたなど、海にご縁があった方にも好まれています。
  • 「費用を抑えられる」側面もあるため、費用面から興味がある方も多いです。
Q
海洋散骨はしても問題にならないの?法律は大丈夫?
A

「葬送の目的」で「節度」をもち、「ガイドラインを遵守」したうえで、他の人に迷惑をかけずに実施するなら、禁止されるような行為ではない。これが現在の見解です。

  • 各自治体の条例により、禁止しているケースがあります。
  • いずれにしても、ガイドラインを遵守して実施することが大切です。
Q
海洋散骨のプランは?
A
  • 代行散骨プラン:ご遺骨を業者さんにお渡しして、代理で散骨を依頼
  • 合同散骨プラン:他のご家族と同じ船に乗船し、合同で散骨を行う
  • 貸切散骨プラン(個別散骨プラン):貸切クルーザーで個別に散骨する
Q
海洋散骨の費用は?
A

プランにより価格は変動しますが「代行→合同→貸切」の順番で高くなります。
また、年間管理費はかかりません。

代行散骨プランの価格例

 A社 27,500円 (税込) ~
 B社 55,000円 (税込) ~
 C社 44,000円 (税込) ~
 D社 49,800円 (税込) ~

合同散骨プランの価格例

 E社 165,000円 (税込) ~
 F社 132,000円 (税込) ~

貸切散骨プランの価格例

 G社 198,000円 (税込) ~
 H社 110,000円 (税込) ~
 I社 121,000円 (税込) ~
 J社 242,000円 (税込) ~
Q
樹木葬・納骨堂との違いは?
A

海洋散骨は、具体的な墓標もないため違いが多いです。

  • 施設のある場所
    • 樹木葬は「屋外」、納骨堂は「屋内」。
    • 海洋散骨は「海」であり、施設はない。
  • お墓の見た目
    • 樹木葬は、名前の通り木々が墓標。一般的なお墓の見た目とは違う。
    • 納骨堂には墓石型もあるが、ロッカー型・自動搬送型もあり、一般的なお墓の見た目と異なるものが多い。
    • 海洋散骨は、海にご遺骨を散布するため、具体的な墓標はない。
  • 費用
Q
海洋散骨のメリットは?
A
  • 一般的なお墓・納骨堂・樹木葬より、費用を抑えられることが多い。
  • 年間管理費のような維持費がかからない。
  • 海・自然に還ることができる。
  • お墓掃除や草取りのような、お墓の美観を保つための手間はない。
  • お墓はないため、維持管理も不要で無縁墓になることはない。
  • 誰がお墓を継ぐのか問題になりがちだが、海洋散骨の場合は心配不要。
  • 墓石がいらないため、自然環境にやさしい。(産廃がでない)
  • 宗教や宗派は、基本的に関係なく誰でも入りやすい。
  • 運営母体の破綻・施設の老朽化を気にする必要はない。
Q
海洋散骨のデメリットは?
A
  • 天候により、散骨実施が難しい時がある。
  • 寒さや暑さが酷い時は、体調管理が不可欠。船酔い対策も必要。
  • お墓がないため、祈る対象があいまいになる。
  • ご遺骨の回収が不可能のため、家族・親族間でトラブルが起きる可能性がある。
  • 粉骨が必須のため、粉骨をしないと海洋散骨ができない。
Q
海洋散骨でのマナー・ルール・注意点はあるの?
A

海洋散骨ならではのルールやマナーがあるので、注意が必要です。

  • 散骨は個人でもすることは可能ですが「節度」をもって行うには、注意が行き届かない場合もあります。業者さんに依頼する方が安心です。
  • 散骨できる海域は限られています。海域は業者さんにお任せしましょう。
  • ご遺骨は粉骨してから海へ還しましょう。
  • ご遺骨と一緒に海に流せるものは、自然に還るものに限られます。
  • 散骨する海域は散骨専用の海域ではありません。他の方の目もあるため、喪服は避けましょう。
  • 平服で問題ありませんが、華美な服装・露出の多い服、派手なアクセサリーは控えましょう。
  • 当日の遅刻は厳禁です。特に合同散骨プランの場合は、乗り合わせる方の迷惑になります。
  • 業者さんがしっかり保険(船客保険および船体保険など)に加入しているかどうか、確認してください。
  • 業者さんが、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」と一般社団法人日本海洋散骨協会の「日本海洋散骨協会ガイドライン」を遵守しているか確認してください。
Q
海洋散骨の契約手順は?
A

墓じまいの流れで購入する方は、このような流れです。

  1. 海洋散骨について調べ、気になる業者さんを見つける
  2. 資料請求を行い、価格や規約など比較
  3. 契約をすると決めた施設に、契約手続きを連絡
    • 相談→見積もり→申し込み
  4. ご遺骨の引き渡し
  5. お支払完了
  6. 粉骨(粉骨済みの場合は不要)
  7. 海洋散骨当日→完了
Q
生前契約はできるの?
A

できる業者さんもありますが、手順や必要書類は異なります。
生前契約するにあたり、下記ご留意ください。

  • 自分が海洋散骨を希望していることを、家族・親族に伝え「同意」を得ておく
  • 生前契約したなら、業者さんの連絡先など共有する
  • 業者さんの事情により、散骨するは将来変わる可能性があることを覚えておく
  • 法律の改定により、海洋散骨が禁止される可能性も視野に入れる
  • 業者さんが廃業している可能性も視野に入れる
  • 廃業した場合の引継ぎ先の確認もする
Q
業者さんはどうやって選んだら?検索したけど、たくさんあってわからない。
A

ガイドラインを遵守している・信頼できる業者さんを選択するのは前提です。
希望を伝えたら、紹介・提案・資料提供してくれる会社さんがいくつかあります。

  • みんなの海洋散骨 (海洋散骨専門)
  • ミキワの墓じまい (墓じまいが同時の方は特におすすめ)
  • わたしたちの墓じまい (墓じまいが同時の方は特におすすめ)

参考ホームページ

記事作成に際し、下記の企業様のホームページや情報を参考にしました。

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